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FORD TT VAN ’BECK'S’ 1926 USA |
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![]() MATCHBOX YGB02 1/41? 111mm
実車諸元 画像参照
フォード TT型 バン 'BECK'S’ アメリカ 1926
T型フォードは商用車としても使われました。最初は安価な2座車の後部に荷台を取り付けた前述したランチ ワゴンのような改造車だったようです。2017年にT型をベースにしてメーカーが設計した商用車仕様のTT型が登場しました。TT型はホイールベースが60㎝ほど延長され、フレームと後輪駆動ギヤが強化されていました。当初はシャーシのみで販売され、ユーザーがバンやトラックや小型バスなどのボディをカスタムで架装していました。1924年にはフォードが架装したトラック ボディが設定されましたが、様々なボディの商用車があったようです。
TT型は安価で丈夫でしたがエンジンや変速機はT型と同じでしたので、他社のトラックに比べると動力性能は劣っていました。最高速は標準で24km/hで、オプションのギヤボックスを付けても35km/hとかなり低速でした。(T型の最高速は70km/でしたが、駆動力を上げる為に後輪のデファレンシャルギヤ比が変更されていました) 1926年にはT型が約160万台生産され、TT型は約20万台生産されています。1928年にT型がAにモデルチェンジし、TT型もAA型にモデルチェンジしました。
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ミニカーは1993年に発売されたマッチボックス製です。ドイツのビール メーカー「Beck & Co」の配送用バンをモデル化しています。T型フォードよりホイールベースが延長されていることがわかります。マッチボックスはこの類の商用車をたくさんモデル化していますが、これらの商用車のミニカーはカラフルなボディカラーと綺麗に印刷されたメーカーのロゴなどを楽しむものです。このマッチボックスのTT型もそこはきちんと押さえて作ってありますが、室内などもそこそこリアルに作っています。同じ型を使ったバリエーションがいくつかあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下は1979年に発売されたマッチボックスのT型 バン 1912年(1/35 型番Y12)の画像です。これはTT型ではありませんが、T型の商用バン仕様です。「BIRD'S CUSTARD POWDER」とはイギリスの卵を使わないインスタント カスタードクリーム(カスタードパウダー)のブランド名です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は1981年に発売されたマッチボックスのT型 タンクローリー 1912年(1/35 型番Y03)の画像です。これもTT型ではないですが、T型の後部にタンクを積んだイギリスの石油会社BP(BRITISH PETROLEUM)社のタンクローリです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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STUTZ BLACK HAWK BOATTAIL SPEEDSTER 1928 USA |
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![]() FRANKLINMINT RJ58M 1/24 204mm
実車諸元 画像参照
スタッツ ブラックホーク ボートテール アメリカ 1928
前述したようにスタッツ ベアキャットはレースで活躍し名声を確立しました。1919年に創業者のC.スタッツが会社を去り経営陣が変わり、1921年にベアキャットがモデルチェンジされましたがあまり売れませんでした。1924年にベアキャットは生産中止となり、1925年に直列(垂直型 バーティカルとも呼ぶ)8気筒4.7L(90HP)高性能エンジンを搭載した高級車バーティカル エイトが登場しました。バーティカル エイトのレース仕様車ブラックホークは1927年に国内のAAAストックカーレースで優勝するなど活躍しました。(実車画像→ スタッツ バーティカル エイト 1927)
1928年にバーティカル エイトはエンジンを4.9L(115HP)にパワーアップしシャーシも改良されました。同年にホイールベースを短縮し軽量なボディを架装した高性能版のブラックホークが設定されました。ブラックホークは当時最速の高性能スポーツカーで、1928年のルマンで2位となっています。1931年には新開発したDOHC 8気筒5.3L(156HP)エンジンを搭載したDV32が登場しましたが、世界恐慌による不況で車両販売が回復せずスタッツは1937年に倒産しました。(実車画像→ スタッツ DV32 1932) その後スタッツの名前は1968年に復活し、1970年にGMのポンティアックをベースにしたブラックホークが登場しました。
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ミニカーは1989年に発売されたフランクリン ミント製です。軽快なボートテールボディを架装したブラックホークをモデル化しています。当時のフランクリン ミント製1/24ミニカーは現在のオートアートなどの大スケール精密ミニカーの先駆けで、シャーシ/エンジン/サスペンションなどのメカ部分が金属製パーツ主体で再現されドアやボンネットが全て可動する当時としては最も精密なミニカーでした。当時の価格は18000円と高価でしたが、リアルに再現されたフロントグリル、ワイヤースポークホイール、室内など実車の雰囲気が見事に再現され価格に見合った素晴らしい出来ばえでした。ボンネットを開くと8気筒エンジンが再現され、床下のサスペンションやドライブトレーンも再現され前輪はステアリングホイールと連動して操舵できます。これ以外のブラックホークのミニカーは同じボートテールボディのダンバリー ミントの1/24があります。 以下はフロント(前輪操舵動作)/リア(トランク開閉動作)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下はボンネットを開いたエンジンルームとドアを開いた室内/床下部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は1974年に発売されたマッチボックス製のスタッツ (DV32) ベアキャット 1931 (1/44 型番Y14)の画像です。DV32の売り上げを伸ばすためにベアキャットの名前を復活させたモデルのボートテールボディをモデル化しています。DOHC 8気筒4.9L(140HP)エンジンを搭載し3段変速で最高速160km/hと高性能でした。マッチボックスのYシリーズは安価ゆえに、フロントグリル横からヘッドライトが生えているといったマッチボックス流の簡素化が行われていますが、ボートテールボディがうまく再現されていて1970年代当時のミニカーとしては結構良い出来ばえでした。ただ赤いフロントグリルやメタリックカラーのカラーリングは実車には即していませんが。。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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FORD LINCOLN MODEL L SPORT PHAETON 1928 USA |
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![]() RIO 50 1/43 132㎜
実車諸元 画像参照
フォード リンカーン モデル L スポーツ フェートン アメリカ 1928
精密機械エンジニアのヘンリー リーランドはこの当時のアメリカ製高級車(キャディラックとリンカーン)の成立に深く関わっていた人物でした。彼は1902年にキャディラック社が創立された際の技術責任者で、彼がキャディラック社の高品質な車造りを推進しました。そのキャディラック社が1909年にGM傘下となった後も、技術責任者としてキャディラックをGMの最高級車に育て上げました。しかしその後GM首脳と対立してGMを辞職し、1917年に「リンカーン モータ」社を設立しました。
最初のリンカーン モデル LはV型8気筒5.9L(90HP)エンジンを搭載した高級車で1921年に登場しました。(リンカーン 1921年式 実車画像) この車はV型8気筒エンジンを搭載したキャディラックより高性能で高品質な車として脚光を浴びましたが、デザインが良くなくてあまり売れませんでした。(リーランドはデザインには無頓着でした) その為業績不振だったリンカーン社は1923年にフォード社に買収されました。ヘンリー フォードは高級車リンカーンの買収にあまり賛成ではなかったそうですが、息子のエドセル フォードがリンカーンをフォードの最高級車に育て上げることになりました。
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モデル Lは、エドセルが有名なコーチビルダーにボディを架装させるようになり、1928年には排気量を6.3L(90HP)に拡大しました。1930年には新型のV型8気筒6.3L(125HP)エンジンを搭載したモデル Kにモデルチェンジしました。(リンカーン モデル K 実車画像) GM キャディラックは1930年には世界初のV型16気筒7.4Lエンジンを搭載したモデル 452を登場させました。この車に対抗してリンカーンも1931年にV型12気筒7.3Lエンジン(150HP)を積んだモデル KBを登場させました。この当時のリンカーンは大衆車メーカー フォード社の車ということで、高級車としてはまだキャディラックにかなわなかったようです。 |
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![]() ![]() 以下は上記のバリエーションで幌を畳んだリンカーン スポーツ フェートン (1/43 型番51)の画像です。畳んだ幌以外の違いはなく、基本的には色違いです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は1990年頃に発売されたフランクリン ミント製のリンカーン ツーリング 1927 (1/43 型番PT93)の画像です。フランクリン ミントの「The World`s Great Classic Cars」というシリーズの1つで、このシリーズは戦前の高級車を12種類モデル化していますが、いずれも良い出来ばえでした。このリンカーンも実に良い出来ばえで、ドアが開閉し、ボンネットを外すとV型8気筒エンジンが再現されています。精密に出来ていながらも、ビンテージ ミニカーの味わいを感じさせてくれるフランクリン ミントの1/43は私の好きなミニカーです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はボンネットを取り外したエンジンルームの画像と室内の画像です (1/43 型番PT93)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はダイヤペットのリンカーン ロードスター 1927 (1/25 型番G123)の画像です。ダイヤペット製のクラシックカーシリーズ(1/30)の1つで、1979年に3種類が発売されました。これ以外にロールス ロイス ファントム I 1927、デューセンバーグ J 1930がありました。フランクリンミント製の大スケールのクラシックカーと比べると出来ばえはやや見劣りしますが、ダイヤペットとしてはかなりリアルに仕上げてあり、結構良く出来ています。なおこのシリーズは全て運転席のレバー操作でライトが点灯するというギミックもついていました。(単3電池2本を使用します) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はヘッドライト点灯/ボンネットを外したエンジンルーム画像と室内の画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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FORD A COUPE 1928 USA |
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![]() MINICHAMPS 400082102 1/43 93mm
実車諸元 画像参照
フォード A型 クーペ アメリカ 1928
1908年から20年間基本設計を変えずに1500万台も作られてきたT型 フォードも、パワフルなエンジンや新しい機能を次々に追加して追い上げてくるGM シボレーに対抗して、ついにモデルチェンジしました。1927年に発表されたA型はT型と共通する部品がない全くの新型で、エンジンは4気筒3285cc(40HP)にパワーアップして最高速は105km/hとなり、4輪ブレーキを採用していました。遊星ギアを用いた特殊な半自動変速機は、一般的な3段の手動変速機に変わりました。
T型同様にクーペ、ロードスター、フェートン、カブリオレ、4ドアセダンなど様々なボディ形式がありました。また実用一点張りだったT型の安っぽいイメージを払拭する為、エドセル フォードの肝いりで上述した上級車リンカーンをイメージさせるようなデザインが採用されました。大恐慌前の好景気でA型は大ヒットしましたが、ライバルのシボレーも好調だったので、販売台数ではシボレーに及びませんでした。6気筒エンジン搭載のシボレーに対して、4気筒エンジン搭載のA型は販売戦略的にハンディがありました。そこで1932年にA型は改良された4気筒3.3L(50HP)エンジン搭載のB型とV型8気筒 3.6L(65HP)エンジンを搭載したモデル 18(通称V8)にモデルチェンジしました。A型の総生産台数は約480万台でした。
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ミニカーは2004年に発売されたミニチャンプス製です。フォード100周年記念12台セットの一つとして発売され、後に2009年に単体でも発売されました。洒落れたデザインの2ドア クーペをモデル化しています。ミニチャンプスらしいそつのない良い出来ばえです。T型の実用車的なデザインからセンスの良いデザインに変わってるのがミニカーでもわかります。これ以外のA型のミニカーは、マッチボックスのクーペと商用バン、フランクリン ミントの2ドア セダン 1/24、ブッシュの商用車 AA型 1/87などがあります。A型の後継車であるV8のミニカーは結構あるのですが、商用車以外のA型のミニカーは少ないです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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CORD L29 CABRIORET 1929 USA |
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![]() SOLIDO 80 1/43 115㎜
実車諸元 画像参照
コード L29 カブリオレ アメリカ 1929
インディアナ州オーバンの馬車製造会社が1900年にオーバーン自動車を設立し自動車製造を始めました。同社は地元の自動車メーカーを買収するなどして1910年代には6気筒エンジン搭載車を販売しており、ある程度成功していました。しかし第一次大戦の物資不足の影響で工場が閉鎖されました。この会社の再建を托されたのが自動車ディーラーの優秀な販売員だったエレット ローバン コード(Errett Lobban Cord)でした。彼は在庫を一掃するなどして再建に成功し1926年に経営権を得ました。彼はその後の3年間でオーバン、コード、デューセンバーグの3つの自動車メーカーと航空機会社などを傘下に持つ一大企業連合体「コード帝国」を作り上げました。(並みの人物ではないすごい人だったようです)
彼は自身の名前を冠したコード社を1929年に設立し、最初の車としてコード L29を発表しました。L29は量産車としてはアメリカ初の前輪駆動車で、ライカミング社製直列8気筒4.9L(125HP)エンジンを搭載していました。L29は前輪駆動方式だけではなくボディデザインも斬新でしたが、これは「変わった車は売れる車」という持論を持つコード氏の意向だったようです。L29はセダン、フェートン、カブリオレ(クーペ)があり当時の同クラスの高級車と同等レベルの販売価格だったそうです。ただしエンジンのパワー不足で性能が芳しくなく、1929年に始まった世界恐慌のせいもあってあまり売れませんでした。1932年までに約4400台が生産されました。1935年にはコード車では一番有名な810/812が登場しました。
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ミニカーは1979年に発売されたソリド製です。L29の2ドアカブリオレ(クーペ)をモデル化しています。1970年代のソリドのクラシックカーはシャープな造形で当時一級品の出来ばえでした。このL29もドライブシャフトがない前輪駆動の為全体的に低い車体や独特の形状のバンパーなど実車の雰囲気がうまく再現され良く出来ていました。ソリドは型番55でセダンもモデル化しています。これ以外のコード L29のミニカーはフランクリン ミントの1/43、ダンバリー ミントの1/16、マトリックス(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下は1977年に発売された同じソリド製のコード L29 セダン (1/43 型番55)の画像です。こちらは上記カブリオレよりも先に発売されたものですが、4ドアセダンをモデル化しています。キャビン部分以外は上記と同じです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は1990年頃に発売されたフランクリン ミント製のコード L29 カブリオレ (1/43 型番PR74)の画像です。1920-1930年代の高級車を1/43でモデル化したフランクリン ミントの「World`s Great Classic Cars」シリーズの1台で、L29のカブリオレをモデル化しています。フランクリン ミント製のミニカーは金属製パーツの多い少しレトロな作風ですが、白/赤の綺麗なカラーリングで実車の雰囲気がうまく再現されています。ボンネット/ドア/ランブルシート(折畳補助席)の開閉ギミック付で、エンジンもリアルに再現されているなど凝ったつくりになっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/ランブルシートの動作画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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