ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

 

MAXWELL MODEL GA ROADSTER 1911 USA

MAXWELL MODEL GA ROADSTER 画像をクリック/タップすると画像が変わります
MATCHBOX Y14 1/49 82㎜

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.7m
エンジン 変速機: 4気筒 4L 30HP 3段変速?
性能: 最高速 60km/h?
データーベースでマックスウェルのミニカー検索

 

マックスウェル GA型 ロードスター アメリカ 1911

 

 マックスウェル自動車の前身はオールズモービルの技術者であったジョナサン マックスウェル(Jonathan Maxwell)と実業家ベンジャミン ブリスコー(Benjamin Briscoe)が共同で1904年に設立したマクスウェル ブリスコー社でした。同社の第1号車は2気筒1.6Lエンジンを搭載した小型車で安価で人気がありました。その後1907年に発売した4気筒4Lエンジン搭載の中型車もライバル車よりも廉価だった為販売は好調でした。同社は1910年頃にはフォードビュイックに次ぐアメリカ第3位の自動車メーカーとなりました。1913年にマックスウェル自動車に社名を変更しました。

 

 マックスウェルは安価な大衆車メーカーとして1910年代に独自路線を歩んでいました。1920年代になると第1次大戦後の不況で販売不振となり、経営状況が悪化しました。1921年にGMの副社長であったウォルター P クライスラーがマックスウェル社の株式を取得し経営権を得ました。その後クライスラーは1925年にマックスウェル社とチャルマーズ社を統合して、自らの名前を冠したクライスラー社を創業しました。クライスラー社当初の車はマックスウェルの4気筒エンジン搭載車でした。

 

 

 ミニカーは1965年に発売されたマッチボックス製のY(Yesteryear)シリーズです。4気筒エンジンを搭載したGA型で2人乗りの軽快なロードスターをモデル化しています。1960-1980年代に発売されたマッチボックスのクラシックカーは型番がYから始まるのでYシリーズと呼ばれ、それまで専門メーカーが作っていたマニアックなクラシックカーのミニカーの造形を簡略化して手ごろな値段で提供したものでした。このマックスウェルもヘッドライトがフロントグリル横から生えているなどマッチボックス流の簡略化がされていますが、全体的な雰囲気は実車をうまく再現しています。マックスウェルの量産ミニカーはこのマッチボックス製しかないようですので、クラシックカーとしてはやや物足りない出来ばえですが車種的には貴重です。 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MAXWELL ROADSTER 1
MAXWELL ROADSTER 2

 

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GM BUICK MODEL 35 1912 USA

GM BUICK MODEL 35 画像をクリック/タップすると画像が変わります
ERTL 5 1/43 90mm

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m
エンジン 変速機: 4気筒 2.7L 23HP 3段変速
性能: 最高速70km/h
データーベースでGM ビュイックのミニカー検索

 

GM ビュイック モデル 35 アメリカ 1912

 

 「ビュイック モーター」社はイギリス系アメリカ人 デイヴィット ダンバー ビュイックが1903年に設立しました。1904年に2気筒エンジン搭載のモデル Bを販売しましたが業績は芳しくなく、馬車製造会社を経営するウイリアム C デュラントに援助を求めました。デュラントの采配でビュイック社は業績が回復しましたが、創業者のビュイックは会社を去りました。フォード社と売上げを競うほどに成長したビュイック社を土台にして、デュラントは1908年にGM(ジェネラル モータース)社を設立しました。GM社はキャディラック、オールズモービル、オークランド(ポンティアック)などを買収して、アメリカ 3大メーカーの一つとなっていきました。

 

 1912年に登場したビュイック モデル 35は、4気筒2.7L(23HP)エンジンを搭載する中型車でした。当時のエンジンは吸排気バルブをピストン側面に配置したサイドバルブ方式が一般的でしたが、ビュイックは現在では当たり前のバルブをピストンの上に配置したOHV方式を採用していることが特徴で、このモデル 35もOHV方式でした。シートは本革張り、タイヤはまだカーボンを使っていない天然ゴムの白タイヤ、ホイールは木製、ヘッドライトは電気式ではなくアセチレンガスを使うランプでした。この車は当時のビュイックのベストセラーカーで、約6000台が売れたそうです。

 

 

 ミニカーは1987年頃に発売されたアメリカのアーテル(ERTL)製です。自動車黎明期のアメリカ車を数点ほどモデル化したアーテルの「VINTAGE VEHICLES」シリーズの1台です。この時代のアメリカの実用車のミニカーはあまりありませんので、その点で貴重なモデルです。時代に合わせた白タイヤやBUICKロゴの付いたフロントグリルなど、スケールモデル的な造形で、結構良く出来ています。ただその白タイヤは箱の中で同じ状態で保管されていたので、タイヤ接地面が扁平に変形しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GM BUICK MODEL 35 1
GM BUICK MODEL 35 2

 

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PACKARD VICTORIA MODEL 1-48 1912 USA

PACKARD VICTORIA MODEL 1-48 画像をクリック/タップすると画像が変わります
FRANKLIMINT RP90N 1/24 205㎜

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m
エンジン 変速機: 6気筒エンジン 8.6L 74HP 3段変速
性能: 最高速128km/h
データーベースでパッカードのミニカー検索

 

パッカード ビクトリア モデル 1-48 アメリカ 1912

 

 アメリカを代表する戦前の車といえばパッカードです。1897年に設立されたウィントン(Winton)社はアメリカで自動車の製造/販売を初めて行いました。この会社の初期の車をオハイオ州の電気商ジェームズ ウォード パッカードが購入しました。パッカードは車の故障にきちんと対応してくれないウィントン社に対抗して、ウィントン社の技術者を引き抜いて自分用の車を1899年に完成させました。これがパッカード社の創業に関する逸話ですが、ランボルギーニ社の創業などこれと似たような話はいくつかあります。ちなみにウィントン社は1900年代にアメリカ国内のレースで活躍しましたが、販売不振で1924年に自動車生産から撤退しました。その後はGM傘下の船舶用ディーゼルエンジンメーカーとして存続しているようです。

 

 パッカードの最初の車は単気筒エンジン搭載の小型車でしたが、エンジンの点火時期自動進角装置やアメリカ初の円形ハンドルなど先進的な技術が採用されていました。1903年には4気筒エンジンを搭載したモデル Kが登場しました。当時のパッカードはすべての部品を自社生産し、極めて高い品質を確保していました。1912年に6気筒エンジンを搭載した高級車 ドミナント シックス 48(Dominant Six 48 後に1-48シリーズとも呼ばれた)が登場しました。1915年には量産車初のV型12気筒エンジンを搭載したツイン シックスが登場し、このモデルはライバル車を圧倒しパッカードの名声を決定的なものとしました。

 

 

 ミニカーは大スケール(1/24)のクラシックカーを得意としていたフランクリン ミント製で、1990年頃に発売されました。6気筒エンジンを搭載した1-48シリーズのビクトリアという名前の車をモデル化しています。フランクリン ミントのクラシックカーは当時もっとも精密なミニカーで、ドアやボンネットが可動し、エンジンやサスペンションなどのメカ部分もリアルに再現されていました。(ハンドルで前輪の操舵可能) このパッカードも本物の木材を使ったダッシュボードをはじめとして、ラジエーターグリル/ヘッドライト、各種の金具類がリアルに再現され非常に素晴らしい出来ばえです。なおパッカードの初期のモデルは、マッチボックスやミニオールもモデル化しています。以下はフロント グリル/エンジン部の拡大画像とダッシュボード/キャビン部分の画像です。6気筒エンジンはかなりリアルにできています。またリアシートの前に毛布のようなものがありますが、それはご婦人用のひざ掛けで、これもリアルで粋なアクセサリーです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PACKARD VICTORIA MODEL 1-48 1
PACKARD VICTORIA MODEL 1-48 2

 

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PACKARD MODEL 18 1912 USA

PACKARD MODEL 18 画像をクリック/タップすると画像が変わります
MINIALUXE 2 1/43 88mm

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m
エンジン 変速機: 4気筒 4.4L 18HP 3段変速
性能: 
データーベースでパッカードのミニカー検索

 

パッカード モデル 18 アメリカ 1912

 

 1907年に発表されたパッカード モデル 30は4気筒7L(30HP)エンジンを搭載し、パッカードの高級車としての地位を確立したモデルでした。1912年型パッカードのミニカーはフランクリン ミントの1/24、マッチボックス、ラミー、ミニオールなどからも出ています。フランクリン ミントの1/24は6気筒エンジン搭載車ですが、それ以外はモデル 30の小型版であったモデル 18をモデル化していると思われます。この当時のアメリカ車がミニカー化されるのは珍しいことですが、これは当時のパッカードの名声が高かったことを示しています。

 

 ミニカーはフランスのミニオール(MINIALUXE)製で、材質はプラスチックで1960年代に発売されました。独立した客室部分を持つボディを架装していて、たぶんヨーロッパで発売されたパッカードをモデル化していると思われます。昔のミニカーとしては出来の良いミニオール製ですが、プラスチック製の車体が経年変化で変形して弓なりにそってしまっています。(作られてから約50年以上経過していますが、まだ年を経るごとにひどくなっています)

 

 

 以下は1960年代に発売されたフランスのラミー(RAMI)のパッカード ランドレー(型番13)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PACKARD 1912 3
PACKARD 1912 4

 

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SIMPLEX 50HP 1912 USA

SIMPLEX 50HP 画像をクリック/タップすると画像が変わります
MATCHBOX Y09 1/48 93mm

実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m 全幅約1.8m
エンジン 変速機: 4気筒 10L 50HP 4段変速
性能: 最高速 不詳
データーベースでシンプレックスのミニカー検索

 

シンプレックス 50HP アメリカ 1912

 

 ニューヨークで輸入車代理店を営んでいた義理の兄弟スミスとマブレーは1904年にスミス-マブレー製作会社(Smith and Mabley Manufacturing Co.)を設立し、輸入したメルセデスの部品を使ってS-M シンプレックスという名前の4気筒エンジン搭載車を発売しました。(多分メルセデス ジンプレックスをお手本にしたのでしょう) 1906年にこの会社は倒産して1907年に資産がシンプレックス オートモービル カンパニーに移管され、それを輸入業者のハーマン ブレーセル(Herman Broesel)が買い取りました。彼はS-M シンプレックスをベースにして欧州の高級車に対抗できるモデル 50HPを開発させました。

 

 モデル 50HPはシンプレックスとして一番有名なモデルで4気筒10Lエンジンを搭載した大型車でした。大型の高級車でしたが高性能でもあり、レース仕様車がアメリカの国内レースで活躍したそうです。シンプレックス社は1915年にクレーン モーターカー(Crane Motor Car)を買収し、クレーン シンプレックス社と改名しました。1915年に6気筒9.2Lエンジンを搭載した新型車が登場しましたが、同社の自動車は当時最も高価な大型高級車でしたので、販売は芳しくなかったようです。1916年に航空機会社に買収され航空機エンジン製造に業種転換し1917年にシンプレックス車は消えました。

 

 

 ミニカーは1968年に発売されたマッチボックス製です。マッチボックスのクラシックカーは型番からYシリーズと呼ばれています。Yシリーズは専門ブランドが作っていたマニアックなクラシックカーのミニカーを、造形を簡略化することで手ごろな値段にしたものでした。このシンプレックスも当時の定価は950円と安価でしたが、縮尺が1/48と中途半端で、コストダウンでヘッドライトとフロントグリルを一体成型しているなど本格的なクラシックカーとしては物足りない出来ばえでした。ただ実車の雰囲気はまずまず再現されていて値段相応に細部が再現されていたので、当時のミニカーとして良く出来ていたといえます。Yシリーズには車種的に貴重なミニカーがたくさんありました。このシンプレックスも2020年現在で量産ミニカーはこれしかないので、車種的に貴重なミニカーです。 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SIMPLEX 50HP 1
SIMPLEX 50HP 2

 

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