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GM ポンティアック ルマン GTO コンバーチブル アメリカ 1964年
GMグループ内でシボレーより車格が高いポンティアックはオールズモービルと同じ中級車でした。1950年代までのポンティアックの主なユーザーは女性が多く、平凡ながら品の良い車でした。主なモデルとしてはパスファインダー、チーフテン、スターチーフ、ボンネビルなどがありました。1960年代になるとテンペスト、ルマン、グランプリなどデザインが派手で高性能エンジンを搭載するモデルが追加され、ポンティアック ブランドはスポーティなイメージに変化していきました。
1964年に登場したポンティアック GTOはポンティアック ルマンに高性能なV型8気筒6.4L(325HP)エンジンを搭載したオプション仕様で、その高性能(最高速212km/h)で人気となりました。その後GTOは正式のモデル名となり、GM初のマッスルカーとしてポンティアックの人気車種になっていきました。このGTOの名前の由来は有名なフェラーリ 250 GTOにちなんだ物だそうです。1965年に縦型4灯式ヘッドライトを採用したデザインに変更され、1968年にGTO 2代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ ポンティアック GTO 1968 )
マッスルカーは単にエンジンが高性能なだけではなくマニュアル変速機が付き、サスペンション、タイヤなどもスポーツ仕様に変えられていました。また見た目もボンネットのエアスクープなどで違いを誇示していました。1960年代はこのような高性能を売り物にした車が多かったのですが、1970年代になると排ガス規制が厳しくなり、この類の車はだんだん消えていきました。
ミニカーは1990年頃に作られたフランクリン ミント製の1960年代シリーズの一つです。このシリーズは1960年代の代表的なアメリカ車12車種を1/43サイズでモデル化したもので、ドアやボンネットが開閉でき室内も良く作り込まれていました。このポンティアック GTOもメッキパーツのヘッドライトなどがレトロな作風ながら、直線的なデザインの実車の雰囲気がうまく再現され良く出来ていました。特徴的なフロントグリルとテールライト、室内、エンジンなどもリアルに再現されていました。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きです。これ以外のGTO初代のミニカーは同じフランクリン ミントの1/24、ダンバリー ミントの1/24、マイストの1/18、デルプラドの世界の名車シリーズ、マッチボックスの1/43、ホットホイールの1/64などがあります。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード マーキュリー モントレー マローダー アメリカ 1964年
1960年代前半のマーキュリーのフルサイズカーにはモントレー、モンテクレア、パークレーン、S-55がありました。S-55のSはSPECIALの意味でこの車は1962年から1963年と1966年から1967年の各2年間だけ生産された特別仕様の高性能車で、1957年のターンパイク クルーザーの後継車でもありました。標準でV型8気筒6.4L/6.7L(385-405HP)エンジン、オプションのレース仕様ではV型8気筒7L(425HP)エンジンを搭載していました。S55とは別にモントレーの2ドアハードトップクーペに高性能エンジンを搭載したスポーツ パッケージとしてモントレー マローダーが1963年に設定され、1964年には4ドアハードトップにも設定されました。
1963年式のモントレーのセダンは逆傾斜したリアウィンドーが特徴だったのですが、マローダーはNASCAR(アメリカで人気のあるストックカーレース)へ参戦することを目的としていたので、空力特性を良くする為余計な飾りがないシンプルなハードトップクーペでした。(実車画像→ マーキュリー モントレー セダン 1963) エンジンはS-55と同じ高性能エンジンを搭載していました。レース仕様車がNASCARで活躍したことで、マローダーはマッスルカーとして人気がありました。 1969年にマローダ 2代目にモデルチェンジしました。
ミニカーは2005年に発売されたヤトミン製です。1950-1970年代のアメリカ車をモデル化したシリーズの1台でした。このシリーズは定価1400円ほどの安価なミニカーでしたのであまり細かいところまでは仕上げられていませんが、実車の雰囲気はうまく再現されていました。このモントレー マローダーもフロント/リアの造形がそこそこリアルで、シンプルで伸びやかなスタイルのマローダーがうまく再現されていました。昔のアメリカのフルサイズカーはサイズが大きいのですが、特にこのマローダーのリア(トランク)は今ではとても考えられないほど長いです。現代的な観点では無駄の塊のようなデザインなのですが、無駄があるからこそ成立するこの車のようなデザインも捨てがたいです。これ以外のモントレー マローダーのミニカーは同じヤトミンの1/18、アーテルの1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード マスタング I コンバーチブル アメリカ 1964年
1964年に登場したフォード マスタングは大規模な市場調査結果から企画された小型スポーティカーでした。既存のコンパクトカー ファルコン(初代 1963年型)をベースにしており、その外観をスポーティに変えたものでした。(実車画像→ フォード ファルコン 1963) マスタングは2ドア車だけでしたが、2年間で100万台も売れるほどの大成功を収めました。低価格ながら個性的なデザインが、財布の軽い若者と大きな車が苦手な女性に支持されたのが大ヒットの要因でした。
また単なる低価格車ではなく各種の内外装オプション設定でカスタマイズができ、エンジンも6気筒2.8L(101HP)/3.3L(120HP)から高性能なV型8気筒4.3L(164HP)/4.7L(200-270HP)までありました。このフルチョイス システムと呼ばれる豊富なオプション設定もマスタングが成功した要因でした。ボディバリエーションとしては、ハードトップとコンバーチブル、1965年に追加されたファーストバックがありました。1967年にボディが大型化され前後の意匠が変更されました。1969年にもボディが大型化されフロントの意匠が大きく変更され、ファーストバックに高性能版のマッハ Iが追加されました。
ミニカーはミニチャンプス製で、2004年に発売されたフォード100周年記念モデル 12台セットのひとつでした。フォードの特注品だったこともあり、このマスタング コンバーチブルは1/43サイズではベストといえるほど非常に素晴らしい出来ばえでした。プロポーションが抜群で実車のイメージが見事に再現され、細部の仕上げも1/43量産ミニカーでは限界と思われるところまでリアルに仕上げてありました。特に前フェンダーとステアリングホイールのセンターに再現されたマスタングのロゴは拡大画像でないと良く見えないほどの緻密さでした。2005年には色違いが単体でも発売されました。初代マスタングのミニカーは非常にたくさんあります。当時物ではテクノ、コーギー、ディンキーなどがあり、当時物以外ではフランクリン ミント、ダンバリー ミント、マッチボックス、ミニチャンプス、シュコー、グリーンライト、M2マシーン、ジョニーライトニングなどがあります。その一部ですが、当サイトのマスタングのページでまとめて紹介しています。以下はフロント(マスタングのロゴ拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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マッセイ ファーガソン 165 トラクター 鋸アタッチメント付 アメリカ 1964年
マッセイ ファーガソン(Massey Ferguson Limited)社はコンバインを開発したマッセイ ハリス社とファーガソン システムを開発したハリー ファーガソン社が合併して1953年にできたアメリカの農業機械メーカーです。(当初はマッセイ ハリス ファーガソン社でした) 同社は様々な農業用車両を開発し、世界中の市場で大きなシェアを持っていました。特にトラクターのシェアは世界一でした。1995年からアメリカの農業機械メーカー AGCO社の傘下になっています。
マッセイ ファーガソン 165 トラクターはフランスとイギリスで製造された同社の標準的なトラクターで1964年に登場しました。4気筒3.5L(58HP)ディーゼルエンジンや4気筒2.9Lガソリンエンジンを搭載し、6/12段変速変速で2WDと4WDがありました。地面を耕すプラウ(鋤)などをリアに取り付ける部分には取り付け角度/位置などを油圧で制御する取付け機構(ヒッチ)を備えていました。フロントショベル、草刈り機などのアタッチメントが豊富にあり、それらのアタッチメントをPTO(Power Take Off パワー テイク オフ)経由で作動させることができました。1971年まで生産されました。
ミニカーは1970年に発売されたコーギー製の当時物です。鋸アタッチメントが付いたマッセイ ファーガソン 165 トラクターをモデル化しています。この丸鋸は低木や雑草の刈払いを行うものです。165 トラクターを忠実にモデル化していて、細部までとても良く出来ていました。トラクター本体に「165 MASSEY FERGUSON」のロゴが表示され、その下のエンジンがリアルに再現されていました。丸鋸の付いたレバーは上下に可動させることができ、アタッチメントの操作部には銀色の防護柵が付いています。リアに付いている黄色の大きな箱は丸鋸の付いたレバーを動かす油圧系や丸鋸を回転させる為のPTO関係のメカが収納されている?と思います。またミニカーを前進させると丸鋸が回転するギミックがついています。タイヤの回転をピニオンギヤで長尺のコイルスプリングに伝達し、そのコイルスプリングがユニバーサルジョイントとなって丸鋸を回転させるといった簡単ながらうまい構造でした。コーギーは165 トラクター単体とショベルの付いた165 トラクター、これより古い型の65 トラクター、これより新しい型の50B トラクターもモデル化していました。コーギー以外のマッセイ ファーガソン トラクターは古い物ではディンキー、マッチボックス、ガマ、最近の物ではオックスフォード、ジク、シュコー、ユニバーサルホビーなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード 5000 スーパー メジャー トラクター トレンチ バケット付 アメリカ 1964年
農業の機械化は19世紀の初頭に据え置きの蒸気機関を利用することから始まり、19世紀中ごろには蒸気機関で駆動する車輪を付けた蒸気トラクターが登場しました。19世紀終わり頃にガソリンエンジンを搭載したトラクターが登場し、1910年代後半にアメリカでは大量生産された安価なフォード T型をベースにしたトラクターが登場しました。フォード社は1917年からフォードソン(FORDSON)のブランド名で農業用トラクターを発売しました。このトラクターは安価で使いやすかったので人気となり、圧倒的なシェアを持つことになりました。その後競合他社がアメリカのトラクター市場に進出したことなどから、1928年にフォードはアメリカでのトラクター事業をイギリスに移管することになりました。(実車画像→ フォードソン トラクター 1917)
1938年にファードはイギリスのファーガソン社と協力関係を結び、ファーガソン システム(トラクター用の油圧制御システム)を採用しPTO(Power take-off)を備えた9N型トラクターを開発し、トラクター事業に再参入しました。9N型(Nシリーズ)トラクターは大成功しその基本構造は業界標準となりました。1946年にファーガソン社との協力関係が終わりました。1953年にNシリーズを後継するNAA型が登場し、1955年に600シリーズと800シリーズ、1961年に6気筒エンジン搭載の6000が登場しました。1964年にフォードソン ブランドが廃止され、アメリカ/イギリスともフォード ブランドに統一されました。1964年にファード 5000/3000トラクターが登場しました。
ミニカーは1970年に発売されたコーギー製の当時物でトレンチ バケットを備えたフォード 5000 スーパー メジャー トラクターをモデル化しています。実車に忠実にモデル化されていて、フロントのFORDロゴやエンジンがリアルに再現され細部までとても良く出来ていました。運転席の背後にはトレンチ バケットを操作するレバーを備えた操作盤が再現されていました。ステアリング ホイールと連動する前輪操舵ギミックとリアのトレンチが可動するギミックが付いていました。このトラクターは1967年に型番67でトラクター本体が発売され、型番74でトラクター サイド ショベル付き、型番GS01Bで家畜トレーラー付きも発売されました。コーギーは型番55でフォードソン トラクターもモデル化していて、それにも鋤やトレーラーの付いたものがありました。フォードソン/フォードのトラクターはマッチボックス、ポリトーイ初期物、ガマ、ユニバーサルホビー、シュコー、オックスフォードなどがモデル化しています。これと同じファード 5000はユニバーサルホビーもモデル化しています。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)