ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

PACKARD 180 DARRIN CONVERTIBLE 1941 USA

PACKARD 180 DARRIN CONVERTIBLE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PACKARD 180 DARRIN CONVERTIBLE


SIGNATURE 32398 1/32 全長169mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.4m 全幅約1.95m エンジン 変速機: 8気筒 5.8L 160HP 3段変速
性能: 最高速136km/h?  データーベースでパッカードのミニカー検索

パッカード 180 ダリン コンバーチブル アメリカ 1941年

 

 アメリカのの自動車デザイナー ハワード ダリン(Howard A. Darrin)は、友人のトーマス ヒバード(Thomas L. Hibbard)と共同で、コーチビルダー ヒバード&ダリン社を1923年にフランスのパリで創立しました。ヒバード&ダリン社はヨーロッパに住むアメリカ人向けに高級車のカスタムデザインを架装していました。1937年に彼はアメリカに戻り、「パリのダリン(Darrin Of Paris)」という名前の会社でハリウッドの有名人(クラーク ゲーブルやアル ジョルソンなど)向けにカスタムデザイン車を約20台ほど架装しました。これらの車のほとんどはパッカードがベースでした。

 

 ハリウッドの著名人の車ということで、ダリンのパッカードは有名になっていきました。そこで1939年にパッカードはダリンと契約し、1940年のカタログにパッカード ダリン モデルが設定されました。1941年にはダリンのデザインした新型車クリッパーが発表されました。1941年末に太平洋戦争が勃発し、民間乗用車の生産が禁止されたので、パッカードも乗用車の生産を停止しました。パッカード ダリン モデルは1942年までに約50台ほどが生産されたようです。(半数はこのようなカブリオレだったようです) (実車画像→ パッカード クリッパー 1941)

 

 

 ミニカーは2008年頃に購入したシグネチャー製のクラシックカーシリーズです。このクラシックカーシリーズは縮尺1/32と中途半端なスケールでしたが、そのサイズを生かしてドア/ボンネット開閉などのギミック付きで室内やエンジンもそこそこ良く再現してありました。ただし1/18ほど精密ではなかったので、その分値段は控えめ(約3500円)で、財布の軽い私のお気に入りのシリーズでした。このパッカード ダリンもプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。また細かいところも値段以上にきちんと作ってありました。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きで、エンジンや室内も良く再現されていました。さらにステアリングホイールと連動しませんが、前輪操舵ギミックも付いていました。これ以外のパッカード ダリンのミニカーはフランクリン ミントの1/24、ウエスタンモデル(ホワイトメタル製)、最近のMATRIX(レジン製)などがあります。 以下はフロント(ペリカン マスコット拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランクを開いた画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PACKARD 180 SUPER EIGHT FORMAL DARRIN 1
PACKARD 180 SUPER EIGHT FORMAL DARRIN 2

 以下は前輪操舵ギミック動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PACKARD 180 SUPER EIGHT FORMAL DARRIN 3

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FORD LINCOLN CONTINENTAL 1941 USA

FORD LINCOLN CONTINENTAL
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL


RIO 43 1/43 全長126mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.4m 全幅約1.6m エンジン 変速機: V型12気筒 4.8L 120HP 3段変速
性能: 最高速145km/h  データーベースでフォード リンカーンのミニカー検索

フォード リンカーン コンチネンタル アメリカ 1941年

 

 フォードは1922年にリンカーンを買収して傘下に収めました。大衆車フォード T型の大量生産で成功した創設者ヘンリー フォードは、市場の狭い高級車販売には消極的でリンカーンの買収に乗り気ではありませんでした。ヘンリーの息子のエドセルには世界一の高級車を作りたいという夢があり、リンカーンの買収にはエドセルの意思が働いていました。

 リンカーン部門のイメージアップを図るため、キャディラック シリーズ 60に対抗できる高級車開発が販売部門から要求されていました。そこでリンカーン ゼファーをベースにした試作車が作られました。この試作車は芸術的な素養があったエドセルの嗜好を盛り込んだ欧州風の品の良いデザインでした。この車を見たエドセルの友人から同じ車が欲しいという要望があり、この車は1940年にリンカーン コンチネンタルの名前で限定生産されることとなりました。

 

 リンカーン コンチネンタル初代は月100台の限定生産といった高価な車(当時の定価約3000ドル 現在の貨幣価値で700万円ぐらい?)でしたが、そのスタイルには絶大な人気があり、リンカーンとして最も成功したモデルとなりました。第2次大戦で生産中止となり、1946年に戦後型が発売されて1948年まで生産されました。戦前からの総生産台数は約5000台でした。リア トランクにスペアタイヤを背負った独特のスタイルは、リンカーンの最上級ブランドの象徴として1980年代まで継承されました。

 

 

 ミニカーは1973年頃に発売されたリオの初期モデルです。1970年代のミニカーですが、コンチネンタル初代のミニカーとしては現在(2023年)でも一級品の出来ばえといっても良いでしょう。フロント/リアの独特の個性的な造形がうまく再現されていて、実車の雰囲気が巧みに再現されています。(ヘッドライトは大きめにデフォルメされています) ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、エンジン/シャーシなどのメカ部分や室内も良く再現されています。幌を開いた仕様とハードトップ リムジーンのバリエーションがありました。これ以外のリンカーン コンチネンタル(戦前型)のミニカーは、デルプラドの世界の名車コレクション、フランクリン ミントの1/24、イクソ、オックスフォードの1/76、グリーンライトの1/43などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。ボンネットの下にはトランペット型のホーンが2つ付いています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD LINCOLN CONTINENTAL 1
FORD LINCOLN CONTINENTAL 2

 以下は上記と同時期に発売されたフォード リンカーン コンチネンタル (1/43 型番44)の画像です。上記の幌を畳んだ状態のバリエーションです。カラーリングと幌の状態以外は同じものです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL 3
FORD LINCOLN CONTINENTAL 4

 以下は俯瞰と床下部分の画像です。どの程度実車に即しているかは分かりませんが、床下部分にはフレーム構造とパワートレイン/サスペンションが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL 5

 以下も上記のバリエーションで1985年に発売されたリオ製のフォード リンカーン コンチネンタル リムジン (1/43 型番82)の画像です。これは幌の代わりに丸い窓が付いたハードトップを装備したリムジンをモデル化しています。プラスチック製のボンネットが経年劣化で少し変形しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL 7
FORD LINCOLN CONTINENTAL 8

 以下は2009年に発売されたイクソ製のフォード リンカーン コンチネンタル 1939 (1/43 型番MUS017)の画像です。最近のミニカーですので小さなドアミラーがついているなど細部までリアルで、スケールモデルな観点では良く出来ていると思います。(これはリアのスペアタイヤのカバーがありませんが、カバーはオプションだったのかも) ただし個人的な見解ですが、全体的な雰囲気という観点では、ややオーバーなデフォルメをしたリオのほうがそれらしい雰囲気に感じられます。(これは異論があると思いますが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL 9
FORD LINCOLN CONTINENTAL 10

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL 11
FORD LINCOLN CONTINENTAL 12

 以下は2002年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズ フォード リンカーン コンチネンタル カブリオレ (1/43 No.59)の画像です。中国製でメーカーは不明で、安価な雑誌付きミニカーとしては、まずまずの良い出来ばえです。ただし車高が高めでフロントフェンダーが膨らみすぎている点はいま一つです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL 13
FORD LINCOLN CONTINENTAL 14

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL 15
FORD LINCOLN CONTINENTAL 16

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CHRYSLER PLYMOUTH 1941 USA

CHRYSLER PLYMOUTH
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CHRYSLER PLYMOUTH


SIGNATURE 32311 1/32 全長156mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m エンジン 変速機: 6気筒 3.3L 87HP 3段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでプリムス(戦前)のミニカー検索

クライスラー プリムス アメリカ 1941年

 

 クライスラーのダッジ ブランドの起源はダッジ兄弟がデトロイトで1900年に設立した自動車部品会社「ダッジブラザース バイシクル」でした。同社は起業当時のフォード社と業務提携して部品の供給を行い、やがて車体の製造も始めてフォード社とともに発展しました。1914年にフォード社から独立して「ダッジブラザース モーター」社を創立し自社製自動車の生産を始めました。同社の自動車はフォード T型より少し高級な仕様で、1916年にはフォードに次ぐ売り上げがありました。またダッジはアメリカの自動車会社として初めて陸軍に輸送用トラックを納入しそれらは第1次大戦で高い評価をされました。

 

 しかし1920年にダッジ兄弟が相次いで亡くなった頃から同社は業績が悪化し、1928年にクライスラーに買収されました。買収後のダッジはクライスラーの中級車として扱われ、1930年には8気筒エンジン搭載車が追加されました。1930年当時のクライスラー社のブランドにはクライスラー、ダッジ、デソート、プリムスがありました。デソートは1929年に登場した中級車で最上級車クライスラーの廉価版、プリムスは1928年に登場したクライスラー初の大衆車でした。1930年代中頃にはダッジはデソートに次ぐ扱いに変わりました。また1934年以降クライスラーとデソートには時代を先取りしたエアフローデザインが採用されたことが販売不振の原因となりましたが、ダッジではこのデザインは採用されませんでした。

 

 

 ミニカーは2006年頃に発売されたシグネチュア製です。1939年にデザインが一新されたプリムス ラグジュアリー ライナー 1941年式をモデル化ししています。高いノーズが突き出たフロントの造形は当時流行りのデザインで、同時期のフォードやシボレーも同じような感じのデザインでした。シグネチャーは縮尺1/32で1920-1950年代の代表的なアメリカ車をモデル化していて、1/43よりはサイズが大きいので結構細かいところまで再現されていました。このプリムスも実車の雰囲気がうまく再現され、フロントグリルのロゴ、ナンバープレート、室内などの細部もリアルに再現されています。ボンネット/ドア/トランクの開閉ギミック付で全輪の操舵もできます。戦前のプリムス セダンのミニカーはこれぐらいしかないようです。このような平凡な大衆車はあまり量産ミニカーとしてモデル化されないので、その点で貴重なミニカーです。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。エンジンもそこそこリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CHRYSLER PLYMOUTH 1
CHRYSLER PLYMOUTH 2

 以下は俯瞰/床下部分(前輪操舵)の画像です。前輪操舵はステアリングホイールとは連動していません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CHRYSLER PLYMOUTH 4

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VOLKSWAGEN TYPE 82E COMMANDER 1943 GERMANY

VOLKSWAGEN TYPE 82E COMMANDER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN TYPE 82E COMMANDER


RIO SL040 1/43 全長95mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 4気筒 985cc 24HP 4段変速
性能: 最高速 不明  データーベースで戦前のフォルクスワーゲンのミニカー検索

フォルクスワーゲン タイプ 82E コマンダー ドイツ 1943年

 

 ドイツ語の「VOLKSWAGEN」とは直訳すると「国民車」で、この名前は戦前のナチス政党が掲げた「国民車構想」に由来していました。「国民車構想」とは国民の誰もが買える安価な実用車を開発するというもので、同じような構想を抱いていたフェルディナント ポルシェ博士がその開発にあたりました。1938年に完成したプロトタイプにはKdF(Kraft durch Freude:直訳は「喜びを通じて力を 」)という政治スローガン的な名前が付けられました。なおKdFとは、ナチス政権下のドイツで国民に多様な余暇活動を提供した組織の名前でしたので、国民車構想もその一環だったのでしょう。

 

 「国民車構想」で開発されたフォルクスワーゲン KdFを買う為の積立て貯金システムが開始され、20万人以上がこのシステムに加入しました。1938年にはKdF専用の生産工場が完成しましたが、1939年にドイツが第2次世界大戦を始めた為、KdF専用生産工場はKdFをベースとした軍用車の生産に転じることになりました。その為国民車KdFは一般国民にはほとんど渡らずじまいで敗戦となってしまいました。戦後このKdFをベースにしてビートルが登場しました。

 

 

 ミニカーは1997年頃に発売されたリオ製です。軍用車に転用されたKdF タイプ 82E コマンダー(指揮官車)をモデル化しています。艶消し塗装されて無線アンテナが付き、ヘッドライトが灯火管制の為ひさしの付いたブラックアウトタイプに変更され、ジープのようなアウトドア用のタイヤを履いてます。軍用車として変更された部分が実車に忠実に再現されていて良く出来ていました。リオはこのほかにも迷彩を施したKdF軍用車を数種類モデル化していました。リオ以外のKdF軍用車のミニカーは軍用車をモデル化しているホビーマスターの1/48、ビテスのタイプ 83 荷台付トラックなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLKSWAGEN COMMANDER 1
VOLKSWAGEN COMMANDER 2

 以下は2002年頃に発売された同じリオ製の限定品でフォルクスワーゲン タイプ 87 (KdF) 軍用車 アフリカ戦線 1941 (1/43 型番MM RIO AK41)の画像です。タイプ 87 (KdF)は4輪駆動方式を採用したセダン型軍用車で、アフリカ戦線(AFRIKA KORPS)で使われた指揮官車をモデル化しています。上記のタイプ 82E 指揮官車とほとんど同じですが、こちらには前輪左フェンダーの上にノテック(NOTEK) ライトという特殊な灯火管制灯が追加されています。これは上空から目立たないように前方を照らすための灯火で、ドイツ軍の軍用車によく付いている装備です。良く出来たドイツ軍将校のフィギュアが付いていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN COMMANDER 3
VOLKSWAGEN COMMANDER 4

 以下は2003年頃に発売されたUAN製のフォルクスワーゲン タイプ 87 (KdF) ドイツ防衛軍 冬仕様 1941 (1/43 型番UAN205)の画像です。UAN(U.A.N.)はARTモデルやリオなどのミニカーを使いフィギュアーを付けた特別モデルを製作しているイタリアのメーカーです。これは上記と同じリオのタイプ 87を使った限定品で、当時の価格は12500円とずいぶん高価でした。たぶんソ連との東部戦線で使われた指揮官車をモデル化しているのでしょう。これにもドイツ軍将校のフィギュアが付いていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN COMMANDER 5
VOLKSWAGEN COMMANDER 6

 以下は2001年頃に発売された同じリオ製のバリエーションでフォルクスワーゲン KdF 大島駐独大使 1939 (1/43 型番142)の画像です。これは軍用車ではなく当時の日本大使館で使われていた政府の公用車をモデル化しているようです。日独伊三国同盟締結の立役者で当時は駐独大使であった大島浩氏のフィギュアが付いています。リオはこのような歴史的事実に基づいたミニカーを何点かモデル化していますが、このようなミニカーは単なる車の模型とはちがう意味での面白さがあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN KdF 7
VOLKSWAGEN KdF 8

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VOLKSWAGEN TYPE 166 SCHWIMMWAGEN 1944 GERMANY

VOLKSWAGEN  TYPE 166 SCHWIMMWAGEN
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN  TYPE 166 SCHWIMMWAGEN


VITTES VICTORIA RMV99001 1/43 全長93㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約 エンジン 変速機: 空冷 4気筒 1131cc 24HP 4段変速 パートタイム4WD
性能: 最高速80km/h 水上10km/h 4輪駆動 データーベースでシュビムワーゲンのミニカー検索

フォルクスワーゲン タイプ 166 シュビムワーゲン ドイツ 1944年

 

 シュビムワーゲンはフォルクスワーゲン KdFをベースにした水陸両用軍用車で、前述したキューベルワーゲンの発展型でした。独語のシュビメン(SCHWIMMEN)は英語のSWIMで泳ぐという意味なので、シュビムワーゲンは泳ぐ車という意味です。車台がバスタブのような構造になっているので、船のように水に浮きます。車体後部にはエンジンによって駆動される3枚羽のスクリュウ式推進装置を備え、それを使って水上では10km/hで走行できました。スクリュウ式推進装置は使わないときは駆動軸とのカップリングを外して、上に跳ね上げておくことができました。

 

 KdFの空冷4気筒エンジンは985㏄から1131cc(24.5HP)に強化され、水上から陸に上がる際などの悪路走破性を高める為に4輪駆動方式(パートタイム式)が採用されました。1941年にタイプ 128 シュビムワーゲンが完成し、1942年からはホイールベースを短縮して悪路走破性を向上させた改良型のタイプ 166に変わりました。構造が複雑でしたのでキューベルワーゲンほど多くは生産されておらず、高い機動性が必要な部隊に配備されました。1944年まで生産され総生産台数は約15000台でした。

 

 

 ミニカーはビテス グループのブランドで軍用車をモデル化していたビクトリア(VICTORIA)製で1998年に発売されました。プロポーションが良く、水上で使われる手漕ぎ用オールやスコップなどの細かな備品がプラスチック製パーツで再現されていてとても良く出来ていました。水上走行で使われるスクリュウ式推進装置を実車同様に跳ね上げることもできます。同じ仕様で幌付のバリエーションもありました。見た目が面白いユニークな車ですので、軍用車マニアでなくても欲しくなるミニカーだと思います。これ以外のシュビムワーゲンのミニカーはミリタリー物をモデル化しているホビー マスターの1/48、童友社の1/43、シュコーの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とリアのスクリュウ式推進装置を上下する動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLKSWAGEN SCHWIMMWAGEN 1
VOLKSWAGEN SCHWIMMWAGEN 2

 以下は俯瞰画像と車体床下部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN SCHWIMMWAGEN 4

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