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フェラーリ 250 MM クーペ イタリア 1952年
前述したフェラーリ 225Sを改良した250Sが1952年に登場しました。初期のフェラーリにおいてレースカーとロードーカー共に大成功した250シリーズの最初のモデルがフェラーリ 250Sでした。250Sは225Sの基本的な構造はそのままで、エンジンがV型12気筒3L(230HP)にパワーアップされていました。250Sは初戦の1952年ミッレ ミリアとその後のペスカーラ 12hで優勝しました。同年のルマンにも参戦し結果はリタイヤでしたが、最速のラップタイムを記録しています。(実車画像→ フェラーリ 250S)
250Sはレース用のプロトタイプでしたが、そのロードカー仕様として250 MMが登場しました。新開発されたシャーシに240HPにパワーアップしたエンジンを搭載していました。(MMはミッレ ミリア優勝を記念して付けられたモデル名) 250 MMのボディはピニンファリーナによるクーペとヴィニャーレによるスパイダーがあり、クーペは独特の先進的なデザインでした。(このデザインはその後の250シリーズの基本となりました) 250 MMは1953年のアメリカのSCCAスポーツカーレースで優勝し、同年のポルトガル GPで優勝するなど国内外のレースで活躍しました。その後の250シリーズには250 テスタロッサ、250 GTO、250 LM、250 GTがあり、いずれも成功しました。(実車画像→ フェラーリ 250 MM)
ミニカーは1988年に発売されたプロゲット カッパー(PROGETTO K)製です。プロゲット カッパーはイタリアのミニカーメーカーで1977年から2011年まで、主にイタリア車を1/43のダイキャスト/レジン製でモデル化していました。これは250 MM初期のクーペをモデル化しています。初期型なので250Sと同じようなデザインで、その後の250 MMとはリアウィンドー形状などが違っています。実車諸元の参照画像は1952年ルマン参戦車(250S)ですが、それと見比べると実車の雰囲気がうまく再現されていることが分かります。室内も簡単ですがそこそこ再現されていました。プロゲット カッパーはバリエーションでそのルマン参戦車仕様もモデル化しています。これ以外の250 MMのミニカーはジョリーモデル(JOLLY MODEL)、トップ モデル(レジン製)、テクノ モデル(レジン製)などがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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マセラティ A6G 2000 スパイダー フルア イタリア 1952年
マセラティ社はイタリアのマセラティ兄弟によって1914年に設立されました。当初はエンジンのチューニングが専門で、ディアット(DIATTO)社でレースカーの製作を始め1926年にマセラティのブランドを立ち上げました。マセラティの第1号車 ティーポ 26は1926年のタルガ フロリオでクラス優勝し、その後も1930年に登場した8C 2500などが当時のGPレースで活躍しました。戦前のマセラティは競争力のあるレーシングカーを開発し、そのレプリカを販売するといった商売をやっていました。(実車画像→ マセラティ ティーポ 26 1926)
戦後の1947年になって初めて一般向けのスポーツカーが市販されました。ピニンファリーナなどのカロッツェリアが架装する特注ボディに、直列6気筒1.5L(65HP)エンジンを搭載したA6 1500は、4段変速で最高速150km/hの性能でした。1951年には2L(100HP)にエンジンを強化したA6G 2000が追加され、1954年にはエンジンをDOHC化して150HPにパワーアップし最高速210km/hのA6GCS/54に発展しました。
ミニカーはマセラティ創立90周年記念として2015年頃にイタリアの出版社が企画した「La MASERATI modelli che hanno fatta la storia(マセラティの歴史的なモデル)」というミニカー付雑誌シリーズでモデル化されたものでした。カロッツェリア フルア(FRUA)製のA6G 2000 スパイダーをモデル化しています。(実車は5台しか製作されなかったそうです) 製造元はイタリアのLEO MODELSで中国製のようです。 雑誌付の安価なミニカーながら、特徴的なフロントグリルなど実車の雰囲気がうまく再現されていて、結構良く出来ていました。室内もそこそこ良く再現されていました。これ以外のA6のミニカーはディンキー(仏)製の当時物、イタリアのバン(BANG)の10数種類、ホワイトボックス、TOPモデル(レジン製)などかあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オースチン A135 プリンセス イギリス 1952年
小型車オースチン セブンで成功したオースチン社は、戦前のイギリスでは最大の自動車メーカーでした。戦後の1952年にライバルのモーリス社と合併してBMC(British Motor Corporation)社が誕生しました。オースチンが高級車シアライン(SHEERLINE)をベースにして開発した最上級車がプリンセスで、1947年に最初のオースチン プリンセス A120が登場しました。プリンセスは子会社であったコーチビルダー バンデン プラが重厚なセダン/リムジーンボディを架装しており、主に冠婚葬祭などに使われ、バンデン プラのブランド名でも販売されました。(リムジンはDM、サルーンはDSと呼ぶようです) 1952年にはより長いボディと 7座席を備えた全長5.4mのロング ホイールベース版が追加されました。
プリンセスは6気筒3.5L/4L(130HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速140km/hの性能でした。MK I(A120)、MK II(A135)、MK IIIとバージョンアップして1956年まで生産されました。1956年にはMK IVが登場し、エンジンが150HPにパワーアップしGM製の自動変速機が装備されました。外観もフロントグリルやヘッドライトのデザインが変更されていました。MK IVは1959年に生産中止となり、後継車として大幅に小型化されたバンデン プラ プリンセスが登場しました。(実車画像→ オースチン プリンセス MK IV)
ミニカーは2010年に発売されたオックスフォード製です。オースチン A135 プリンセスのロングホイールベース版のリムジンをモデル化しています。実車がでかいので、このミニカーも全長126mmの大きなサイズで迫力があります。ロールスロイスなどイギリスの古い高級車に見られる、トランクが張り出した独特のリムジーン スタイルが良く再現されています。フロント グリル周りはA135型の雰囲気がよく再現されていると思います。特に先端についているマスコットは多少ずんぐりしていますが、ベントレーのマスコットに似た形状までよく再現されています。室内はリムジーンの3列シートで、メーターパネルは茶色ですが、黒一色の内装の仕上げはやや芸がないです。ボディカラーはこの黒以外に赤もありましたが、やはりこの車は黒がおすすめです。この車が量産品ミニカーとしてモデル化されたのは、これが最初だと思いますので、イギリスのビンテージカーのファンにはたまらないミニカーだと思います。以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランドローバー シリーズ I 消防車 イギリス 1952年
1878年に創業したイギリスのローバー社の前身スターレイ&サットン(Starley & Sutton Co)社は自転車を製作していました。1890年代にはエンジン付きのオートバイを製作しました。さらにガソリンエンジンの小型自動車を開発し、1904年にローバー 8として発売しました。(実車画像→ ローバー 8 1905) 1911年に発表したローバー トゥエルブ(12)は4気筒2.3Lエンジンを搭載した中型車で、安価ながら優れた品質でヒットしました。(実車画像→ ローバー トゥエルブ) その後空冷2気筒1Lエンジン搭載の小型車から6気筒2.5Lエンジン搭載の中型車までラインアップを広げましたが、業績は振るいませんでした。そこで1933年に車種を削減して生産合理化を行い、品質の向上をはかりました。その結果ローバーは高品質の中型車としての名声を確立していきました。第2次世界大戦中は軍用車のエンジン生産に専念しました。
戦後ローバー社が戦時中のジープにヒントを得て、小型の多目的車として開発したのがランドローバーで、1948年に登場しました。乗用車のローバー 60(P3)をベースにしており、当初は4気筒1.6L(50HP)エンジンを搭載し、4段変速機に2段のトランスファー(前後軸動力分配機)を追加し、後輪駆動と全輪駆動を切り換えられました。ラダーフレームの頑丈なシャーシにアルミ製ボディを載せ、最高速は90km/hほどでした。この車は発売されるとすぐに評判となり、軍用や民間用として世界中で大ヒットしました。戦後の復旧などでこの様な多目的車の需要があったのと頑丈で信頼性が高かったのが理由でしょう。ともあれこの車の大ヒットはローバー社の業績に大いに貢献しました。(実車画像→ ローバー 60(P3))
1952年に4気筒2L(52HP)エンジン、1957年に4気筒2L(55HP)ディーゼルエンジンが追加されました。当初はホイールベースが80インチ(2.03m)でしたが、1954年に86インチ(2.18m)に変更され、1954年には107インチ(2.72m)のステーションワゴン仕様が追加されました。1956年には86と107インチはそれぞれ2インチ伸ばされて、88インチ(2.24m)と109インチ(2.77m)に変わりました。1958年にシリーズ IIにモデルチェンジしました。
ミニカーはマッチボックスのYシリーズで、1994年頃に発売されました。ランドローバー シリーズ Iの消防車仕様のモデル化で、備品を収納したトレーラーを牽引しています。80インチの短いホイールベース(1/43換算で47㎜)で、ヘッドライトが中央に並んでいる初期型のランドローバーをうまく再現しています。屋根上のはしごや荷台のホースリール/ポンプなどの消防用備品もリアルに再現され、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。このYシリーズのYFEという型番はマニア向けの消防車シリーズの型番で、約20種類ほどのクラシックな消防車がモデル化されていました。(いずれも良い出来栄えで、デルプラドの世界の消防車シリーズにも流用されていました)
ランドローバー シリーズ Iの当時物ミニカーとしては、コーギー、マッチボックス、ディンキーのビンテージ物がありました。当時物以外ではバンガーズ、ミニチャンプス、オックスフォード、シュコーなどでたくさんモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 682N フルトレーラー カートランスポーター イタリア 1952?年
フィアット初期のトラックに関しては、エドワード期のフィアット 18BLの欄に記載しました。その後のフィアット商用車の歴史を簡単に記載します。1925年代に4気筒2.3Lエンジンを搭載する小型トラック 603が登場しました。6で始まる3桁の型式で表記される600シリーズは、トラック/バスの型式として長く続きました。代表的なモデルとして小型トラックでは615、625、大型トラックでは619、640、670、680、690などがあり、Nが付くのはディーゼルエンジン仕様でした。1955年からバスの型式として300/400シリーズが登場しました。
フィアットは1938年にイタリアの商用車メーカー OMを買収し、1966年にフランスのユニック(UNIC)を傘下に収めました。1975年にフィアットの大型商用車を中心にして、ランチアの商用車、ドイツのマギラスが合併してイベコ(IVECO) グループが設立されました。現在イベコは小型商用バンから大型トラック/バス、産業用車両、鉄道車両などを製造しています。
1952年に登場した大型トラック682は1988年まで生産されたロングセラーのトラックでした。エンジンは6気筒11.5L(180HP)ディーゼルで、積載量は16-40t、トラック、トラクター(T)、バス(RN)などがありました。1970年に最終仕様682N4が登場し、1970年代後半以降はアフリカ諸国への輸出が主力となり、アフリカのナイジェリアで製造されたアフリカ仕様の682N4は「King of Africa」と呼ばれていたようです。
データーベースでイベコのミニカー検索
ミニカーは約65年前の1957年頃に発売されたマーキュリー製の当時物です。(入手したのは1969年で私はまだ学生でした) 当時のフィアット社で実際に使われていたと思われる682N カートランスポーターをモデル化しています。フルトレーラーとして連結すると全長約45㎝となり、同時期のフィアット車をフル積載すると見ばえがします。マーキュリーは自動車部品を製造するメーカーで、ミニカーは本業ではなかったのですが、自動車関連会社らしいマニアックな造りのミニカーを発売していました。このカートランスポーターも当時のミニカーとしてはリアルな作風でかなり良い出来ばえでした。トラクター本体、底板、枠柱などはダイキャスト製ですが、トレーラーの車を乗せる床は板金加工品で枠柱とリベット止めで組立てられています。トラクターとトレーラーの連結は、トラクター後部のフックにトレーラーの連結レバーを引っかけるようになっています。 以下はトラクター単体とフィアット 500(ブルム製)を積載した状態の画像です。(画像のマウスオーバーやタップで動画がスタートします)
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