ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MITSUBISHI COLT 1000 1963 JAPAN

MITSUBISHI COLT 1000
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MITSUBISHI COLT 1000


MODELPET 24 1/42 全長 90㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.82m 全幅約1.49m エンジン 変速機: 4気筒 1L 51HP 4段変速
性能: 最高速80km/h  データーベースで三菱 コルトのミニカー検索

三菱 コルト 1000 日本 1963年

 

 前述した三菱 コルト 600がモデルチェンジして、1963年にコルト 1000が登場しました。三菱初の4ドア小型乗用車で、良く言えばシンプルな(悪く言うと何の特徴もない真四角の)セダン スタイルをしていました。水冷4サイクル4気筒1L(51HP)エンジンをフロントに搭載し、4段変速で最高速80km/hの性能でした。2/4ドアセダンとバンの設定がありました。"

 

 1965年に1.5L(70HP)エンジンを搭載してボディを拡大し丸型4灯式ヘッドライトを採用したコルト 1500が追加されました。(実車画像→コルト 1500) 1966年に1Lエンジンが1.1L(58HP)エンジンに変更され、1000のボディに1.5Lエンジンを搭載し全輪ディスクブレーキを採用した1500 スポーツセダン(最高速145km/h)も登場しました。1968年のマイナーチェンジでセダンは角形ヘッドライトとなり、1.1Lエンジンが1.2Lに変更され、コルト 1200となりました。1969年に後継車のコルト ギャランが登場しました。

 

 

 ミニカーは1965年に発売されたモデルペット製の当時物です。1960年代のミニカーですから素朴な作りですが、シンプルな見た目の実車の雰囲気がうまく再現されていて、当時のミニカーとしては良く出来ていました。ボンネットが開閉するギミックが付いていましたが、当方のこれはボンネットのヒンジが折損してしまったので、ボンネット後端が少し沈み込んでいます。これ以外のコルト1000の当時物としては、ミクロペットのセダンとそのレース仕様がありました。この当時物ミニカーは三菱車としては初めてモデル化された物でしたので、当時のコルト1000はそこそこ人気があったのでしょう。なお2023年現在でも当時物以外のミニカーは作られていません。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MITSUBISHI COLT 1000 1
MITSUBISHI COLT 1000 2

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HONDA S500 1963 JAPAN

HONDA S500
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HONDA S500


JAPANESE CAR COLLECTION (NOREV HACHETTE) 90 1/43 全長 78㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.3m 全幅約1.43m エンジン 変速機: DOHC4気筒 531cc 44HP 4段変速
性能: 最高速130km/h  データーベースでホンダ S500/S600/S800のミニカー検索

ホンダ S500 日本 1963年

 

 技術者の本田宗一郎氏が1946年に静岡県浜松市に創立した本田技術研究所が自動車メーカー ホンダ(本田技研工業株式会社)の前身でした。本田技研は陸軍の無線用小型エンジンを改良した2サイクルエンジン(50cc)を自転車に取り付けて原動機付自転車を開発し、その製造/販売を始めました。 1947年にはA型エンジンを独自開発し、それを搭載した原動付自転車を完成させました。

 

 1948年に本田技研工業株式会社を設立し、翌1949年には初の自社設計2輪車「ドリーム D型」(98cc)の生産を開始しました。1952年には原動機付自転車「カブ F型」(50cc)を発売、1958年にはベストセラーとなった2輪車「スーパーカブ C100」が発売されました。モータースポーツでは1959年にイギリスのマン島TTレースに初参加し、1961年には125/250ccクラスで5位までを独占する優勝を果たしました。その翌年の1962年には、三重県鈴鹿市に鈴鹿サーキットを開設しました。

 

 

 ホンダは1962年の自動車ショーにS360、S500、T360を展示し、4輪車への進出を表明しました。翌年の1963年に発売されたのが、小型スポーツカーのS500でした。高回転型のDOHC水冷4気筒531cc(44HP)エンジン搭載で、チェーンを使った後輪駆動といった2輪車のような設計がされていました。乗車定員は2名で、4段変速で最高速130km/hの性能でした。イギリスのMG ミジェットを参考にして自社でデザインしたという、全長3.3mの小さなボディはなかなか魅力的なスタイルに仕上がっていました。当時の価格は45.9万円と安価で、生産台数は500台ほどでした。ホンダ S500発売の5ヶ月後(1964年)に、エンジンを606cc(57HP)に拡大したS600が登場しました。1965年には密閉されたキャビンを持つクーペが追加されました。

 ミニカーは2009年に発売されたアシェット製 国産名車コレクションです。メーカーはノレブで、全長78㎜ほどの小さなミニカーですが、実車の雰囲気がうまく再現されていました。フロントグリルや室内などの細部も良く仕上げてあり、安価な(定価1790円)雑誌付きミニカーながら値段相応以上の良い出来ばえでした。ホンダ S600やS800のミニカーはたくさんあるのですが、S500のミニカーは最近までこれしかありませんでした。2015年になってMARK43がレジン製で、2017年にはエブロもレジン製でモデル化しました。(それ以前にもダイドーデミタスコーヒーのおまけの日本の名車シリーズや、実車販売のノベルティでホンダ純正品?があったようですが)  以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HONDA S500 1
HONDA S500 2

 以下は2007年に発売されたアシェット製 国産名車コレクションのホンダ S600 クーペ (1/43 No.29)の画像です。メーカーは上記のS500と同じノレブですので、作風や仕上げレベルは同じです。クーペボディがうまく再現されていて、こちらも良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HONDA S600  COUPE 1
HONDA S600 COUPE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。S500とS600はフロントグリルとそれに合わせたバンパー形状が違うのですが、その違いが良く再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HONDA S600 COUPE 3
HONDA S600 COUPE 4

 以下は2022年に発売された国産名車プレミアムコレクション製のホンダ S600 クーペ (1/43 No.22)の画像です。メーカーは中国のSUMS MODELで同社のオールモーストリアル(ALMOST REAL)ブランドでモデル化しています。上述した国産名車コレクション製と同等レベルの良い出来ばえになっていました。同じ車のモデル化ですから、当たり前ですが、国産名車コレクション製とほとんど同じように見えます。ただし良く見ると違っている点があります。まずはバックミラーですが、国産名車プレミアムコレクション製はバックミラー支柱がダッシュボードに付いていますが、国産名車コレクション製ではルーフに付いています。これはどちらが間違いという訳ではなさそうですが、実車の写真を見るとダッシュボードに付いているのが多いです。

 次にサイトウインドー上のドリップモールですが、実車の写真を見ると、ドリップモールの後端はこの国産名車プレミアムコレクション製のようにサイトウインドー後端部まで折れ曲がっているのが正しいようです。最後は室内の造形ですが、国産名車プレミアムコレクション製はインパネのメーターが綺麗に印刷されていますが、印刷なので平面的です。それに対して国産名車コレクション製はメーターが立体的に再現されていますが、印刷処理はされていません。この部分は好みの問題ですが、個人的には立体的に再現されている方が好きです。(このサイズでも立体的に成型したメーターの盤面に印刷処理するのは可能ですが、平面に印刷するより手間(コスト)が掛かります) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HONDA S600 COUPE 5
HONDA S600 COUPE 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HONDA S600 COUPE 7
HONDA S600 COUPE 8

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HONDA T360 1963 JAPAN

HONDA T360
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HONDA T360


JAPANESE CAR COLLECTION 101 1/43 全長 72mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3m 全幅約1.3m エンジン 変速機: DOHC4気筒 354cc 30HP 4段変速
性能: 最高速100km/h  データーベースでホンダ T360/TN360のミニカー検索

ホンダ T360 日本 1963年

 

 前述したスポーツカーホンダ S500の発売より2ヶ月ほど早く、ホンダ初の4輪車として登場したのがT360でした。当時の日本では自動車メーカー認可を抑制する方針が出されていたので、ホンダは自動車メーカーとして4輪車発売を急ぐ必要があったのでした。その為スポーツカー用としても使えるように開発していたエンジンを使用したことで、DOHCエンジンを搭載した初の国産車がこの軽トラックとなりました。さらにはエンジンはシートの下にあったので、ミドシップ式エンジン搭載ということにもなりました。

 

 水冷4気筒4連キャブレター354cc(30HP)の高性能エンジンは他社の軽自動車用エンジンの約2倍の出力で、4段変速で最高速100km/hの性能でした。「スポーツトラック」と呼ばれたこの車は、あまりに精密すぎたエンジンのトラブルや値段が高かったことなどから、あまり売れなかったようです。1964年にS500のエンジンを搭載し荷台を拡大したT500が追加され、1967年に軽自動車N360のエンジンとパワートレーンを流用した改良型のTN360が登場したことでT360は生産中止となりました。TN360は1970年にTN-III、1972年にTN-V、1975年にTN-7に発展し、1977年まで生産されました。(実車画像→ ホンダ TN360 1967)

 

 

 ミニカーは2009年に発売されたアシェット製 国産名車コレクションです。メーカーは表示されていませんがイクソだと思われます。実車の雰囲気がうまく再現されていて、室内などの細部もリアルで良く出来ていました。また車体底板部分にもミドシップ搭載されたエンジンやリアデフなどがそこそこ再現されていました。2017年に同じ型を使った色違いがFIRST43から発売されました。これ以外のT360/TN360のミニカーはエブロのT360とTN360とTN360クローラタイプ、トミカのTN360(TN-III)、トミカ リミッテドのT360、MODEL LINE(ホワイトメタル製)のノーマルとクローラタイプ、タルガ タッカーの昭和おもひで軽トラシリーズ(1/52)などがあります。また2020年に刊行されたミニカー付雑誌「懐かしの商用車コレクション」でもモデル化されました。なおこの国産名車コレクション製のT360は全体的な造形がエブロ製と非常によく似ていますので、エブロ製をお手本にしていると思われます。 以下はフロント/リアの拡大画像と床下の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HONDA T360 1
HONDA T360 2

 以下は2000年頃に発売されたホンダ ダイレクト マーケッテング製のホンダ T360 (1/43 型番LM92)の画像です。ホンダ ダイレクト マーケッテングはホンダ車のグッズを販売している会社で、ミニカーも発売しています。これはポリストーン樹脂を使ったコールド キャスト製の少量生産ミニカーで、室内の再現はなくウィンドーは黒で塗装されています。全体的な雰囲気はまずまずの出来ばえでしたが、2000年頃に作られたミニカーとしてはやや物足りない出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HONDA T360 3
HONDA T360 4

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SUBARU 360 1963 JAPAN

SUBARU 360
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SUBARU 360


EBBRO 43075 1/43 全長 71mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3m 全幅約1.3m エンジン 変速機: 空冷2ストローク2気筒 360cc 18HP 3段変速
性能: 最高速90km/h  データーベースでスバル 360のミニカー検索

スバル 360 日本 1963年

 

 戦前に軍用機やそのエンジンを開発していた航空機メーカー「中島飛行機」は、戦後航空機開発が禁止されたことから、「富士産業」と名前を変えて民生品開発を始めました。進駐軍が使用していたスクーターを国産化し、1947年に「ラビット スクーター」と名付けて発売、このスクーターは使いやすかったことから人気を博しました。また航空機製造の技術を生かしてバスボディの架装を始め、1949年に日本初のモノコックボディのリアエンジンバス「ふじ号」を完成させています。その後富士産業は財閥解体の対象となり分社化されましたが、1955年に中島飛行機系の6社が合併して、富士重工業株式会社が発足しました。富士重工業のシンボル「スバルの六連星」は、この6社合併を意味しています。

 

 富士重工業株式会社は普通乗用車の開発に着手し、1.5Lの4ドア車「スバル1500」の試作車を完成させましたが、採算面などの問題で市販化を断念しています。その後大人が4人乗れる軽乗用車開発に方針を変更し、1958年に市販されたのがスバル 360でした。 スバル 360は大人4人を乗せて最高速80km/hを出すという当時としては高いレベルを目指していたので、かなり高度な設計がなされていました。非力な空冷2ストローク2気筒360cc(16HP)エンジンで速度80km/hを達成するには、車体の徹底的な軽量化が必要でした。それを可能にしたのが特徴的な丸っこいモノコックボディで、元航空機メーカーとしての軽量化技術が生かされたのでした。

 

 

 強度を得る為にボディ全体が丸みを帯びており、強度の不要な屋根はFRP製、リアウインドーはアクリル製と徹底的な軽量化がされていました。(車重は385kgと非常に軽い) 駆動方式は前輪駆動も検討したようですが、技術的に時期尚早ということで、ドライブシャフトが不要なリアエンジン後輪駆動方式を採用しました。サスペンションは横置きトーションバーとコイルスプリングを組み合わせた、コンパクトで軽量な4輪独立懸架を採用していました。ステアリングはラック&ピニオン方式、タイヤは新規開発された10インチタイヤなどそこここに新規技術が採用されていました。

  1958年から販売された360は4人乗りで、3段変速、最高速度83km/hの性能でした。価格は約36万円で、軽量化と低コスト化の為、室内は簡素で最低限度の物しか装備されていませんでした。実用的な自動車として大ヒットし、360をベースにして1961年に発売した商用車サンバーも大ヒットし、スバルは自動車メーカーとしての基礎を固めました。その後コンバーチブル、商用バンなどが追加され、性能や装備を充実させて軽自動車のベストセラーを長く維持しました。1968年には36HPにパワーアップしたスポーツ仕様のヤングSSが登場しましたが、さすがに時代遅れとなり1970年に生産中止となりました。後継車はスバル R-2でした。この安価で本格的な軽自動車の登場で庶民には無縁の物と思われていた自動車が身近な物となりました。実際に私が中学生だったころ(1965年頃)、学校の先生がスバル360で通勤されていました。またその車が溝にはまった時に、大人が数人で持ち上げていたほど軽量でした。

 ミニカーは1999年に発売されたエブロ製で、1963年式をモデル化しています。開閉ギミック付ではないのですがフロント/リアパネルを別パーツとしているなど凝った造りで、細部も良く再現された良い出来ばえでした。エブロはヤングSS、カスタム(バン)、サンバーもモデル化していて、さらに1/12の非常に良く出来た大スケールミニカーもありました。スバル 360の当時物ミニカーとしては1960年頃のミクロペットとモデルペットがありましたが、どちらも極めてレアなお宝です。当時物以外では1980年代にトミカでモデル化され、ダイヤペットからもアンチモニー製の限定生産品が作られました。その後エブロから上述の物が発売され、小スケールではコナミの1/64、トミカ リミッテドのセダン、カスタム、ヤングSS、レース仕様などが発売されました。最近では国産名車コレクション(ノレブ製)でモデル化され、その型を流用してノレブのルミノ ブランドからは珍しい初期型(1958年式 通称デメキン)と後期型(1967年式)が発売されているなど、たくさんのミニカーがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SUBARU 360 1
SUBARU 360 2

 以下は2006年に発売されたアシェット製 国産名車コレクションのスバル 360 (1/43 No.1)の画像です。メーカーはノレブで、安価な雑誌付きミニカーながら上記のエブロ製とほとんど同じレベルの良い出来ばえでした。ただフェンダーミラーの支柱部分が太すぎて異様に見えます。たぶん折れない為の補強でしょうが、すこしやり過ぎです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SUBARU 360 3
SUBARU 360 4

 以下はフロント/リアの拡大画像と、この国産名車コレクションの型を流用したノレブ製のスバル 360 初期型(1958年式 通称デメキン 1/43  型番800032)の画像です。(画像はNOREV WEBサイトから拝借しました) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SUBARU 360 3
SUBARU 360 4

 以下は1988年に発売されたダイヤペット製のスバル 360 (1/40 型番1710)の画像です。タイヤも含めて全体がアンチモニー製でミニカーというよりも置物のようなものですが、細かいところまで結構再現されていました。元々はスバル 360の発売30周年記念モデルとして作られたミニカーショップ イケダさんのオリジナル商品だったそうで、富士重工が広報誌上で販売したそうです。これはそれをダイヤペットがコレクションクラブ向けの限定生産品として一般市販したものでした。これは無塗装ですが、イケダさんのオリジナルには青や白で塗装された物もありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SUBARU 360 3
SUBARU 360 4

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SAVIEM STEAL STOCK TRANSPORTER 1963? FRANCE

SAVIEM STEAL STOCK TRANSPORTER
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SAVIEM STEAL STOCK TRANSPORTER


DINKY(FR) 885 1/43 全長 217mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約9.4m 全幅約2.5m エンジン 変速機: 6気筒 6.8L ディーゼル 手動変速
性能: 最高速 不詳   データーベースでサビエムのミニカー検索

サビエム 鋼材運搬 トラック フランス 1963?年

 

 戦後のルノーは財政難で大型商用車の生産ができず、戦前のような商用車市場のリーダーではなくなっていました。そこでルノーは戦前からの商用車メーカーであったソミュア(SOMUA)とラティル(LATIL)を買収して、自社の商用車部門と統合して子会社のサビエムを1955年にを設立しました。サビエムには大型トラック/バスから小型商用バンまで幅広いモデルがありました。代表的なモデルは、1965年に登場した小型商用車のSG2(Super Go?lette)、小型/中型トラックのSG4/5(Super Galion)とその中型後継車で1975年登場のJ、1977年に登場した中型/大型トラックのH、バスのSC(SAVIEM-CHAUSSON)などがありました。サビエムは1978年にシトロエン傘下のトラックメーカー ベルリエと統合されてルノー トラックスとなりました。

 

 画像のミニカーは鋼材を運搬する専用仕様のサビエム トラックをモデル化しています。フランス語で「Porte-Fer(英訳でHolder Iron)」と呼ばれる長尺の鋼材を運搬するのに特化したトラックで、「Porte-Fer TRUCK」でGoogleで画像検索すると同じようなスタイルのトラックがたくさんあることが分かります。このサビエム トラックはMANの6気筒エンジンを積んだJMシリーズと思いますので、年式や諸元はJMシリーズとして記載していますが、確証はありません。

 

 

 ミニカーはディンキー(仏)製の当時物で、1966年に発売されました。実車が大きいのでミニカーも全長約22cmと大きなサイズで、ダイキャスト製なのでずっしりと重いです。ディンキー(仏)らしいスケールモデル的なリアルな造形で、特殊な形状のボディが良く再現されていました。(多分トラックの形状が面白いのでモデル化されたと思います) 積載している鋼材は本物の鉄で、それを固定する部分に磁石を使うといったちょっとした仕掛けが付いていました。サビエムのミニカーはSG2、SG4、H875など、ソリド、ノレブ、ブレキナなどでたくさんモデル化されています。(ソリドのサビエム カートランスポーター) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SAVIEM STEAL STOCK TRANSPORTER 1
SAVIEM STEAL STOCK TRANSPORTER 2

 当時のディンキーでトラックなどの大柄なミニカーは、厚手の紙でできた立派な箱に入っていました。箱にはミニカーのイラスト(箱絵)が書かれていて、そのミニカー専用の箱でした。(1970年代後半にはブリスターパッケージなどの味気ない物に変わってしまいましたが) 現在のミニカーの箱は標準化された台座付きプラスチックケースがほとんどですので、箱にあまり価値はありませんが、昔の箱絵付きの紙箱はそれだけでも結構価値があります。したがってビンテージ物のミニカーはオリジナルの箱の有無で価値が大きく変わります。ビンテージ物のミニカーをオークションなどで入手する際に気をつけたいのは、昔の箱を再現したリプロ箱をオリジナルの箱のように見せかけている場合があることです。ビンテージ物のミニカーで、箱だけがやたらときれいなのはほとんどがリプロ箱ですので、騙されないでください。 以下はこのミニカーの紙箱の画像です。
SAVIEM STEAL STOCK TRANSPORTER BOX

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