Sorry Japanese Only
日産 ダットサン ブルーバード 312型 日本 1962年
ダットサン 211型の後継車の310型は、ブルーバードという名前で1959年に登場しました。(名前はメーテルリンクの童話「青い鳥」にちなんだものでした) 信頼性の高いトラックの低床式ラダーフレームにセミモノコックボディを載せた構成で、前輪独立懸架を採用したことで、乗用車としての乗り心地や操縦性を向上させていました。エンジンは211型を踏襲した4気筒988cc(34HP)/1.2L(43HP)が搭載され、3段変速で最高速111km/h(1.2L)の性能でした。
1960年のマイナーチェンジで311型となり、日本初のフルシンクロメッシュ変速機が採用され、日本初の5ドアエステートワゴンが追加されました。1961年のマイナーチェンジで312型となり、日本初の女性仕様車「ファンシーデラックス」(ウインカー作動時に鳴るオルゴール、サンバイザー組込みのバニティーミラー、傘立てなどを装備していた)が追加されました。1963年にブルーバード 410型にモデルチェンジしました。310型の総生産台数は約21万台でした。
ミニカーは1962年に発売されたモデルペットの当時物です。フロントグリルの形状から後期型312型をモデル化しているようです。60年以上も前のミニカーなので、ライトやフロントグリルが塗装処理された素朴な作りですが、プロポーションが良くシンプルな310型のスタイルをうまく再現していて当時のミニカーとしては良く出来ていました。当時物ではミクロペットもありましたが、滅多に見ることができないレア物です。当時物以外のミニカーとしてはトミカ リミッテドで1Lと1.2Lの2タイプがモデル化されており、国産/日産名車コレクション(ノレブ製)の1.2Lもあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=911
トヨタ トヨペット トヨエース PK20型 日本 1962年
1954年に4気筒1L(30HP)エンジンをシート下に配置するセミキャブオーバー方式の小型トラック トヨペット ライトトラック (SKB型)が登場しました。(実車画像→トヨペット ライトトラック) この小型トラックは1956年に公募により名称がトヨペット トヨエースとなりました。トヨエースは1950年代に主流となっていた3輪トラック(オート3輪)に対して操縦性や居住性が優れていたので、瞬く間に3輪トラックを駆逐して大成功を収めました。
1959年にトヨエース 2代目(SK20)が登場しました。エンジン搭載位置を下げてコラムシフトを採用しベンチシートの3人乗りとなりました。運転席全体が前方に傾いて開く整備性の良いチルトキャブを採用していました。当初のエンジンはS型4気筒1L(33HP)でしたが、1959年にP型4気筒1L(45HP)に変わりました。そのS型エンジンを1.2Lに拡大した1.25t積み、1963年にR型1.5L(70HP)エンジンに変更した1.5t積みが追加されました。マイナーチェンジの度にフロントの意匠が変更され、最終型は丸型4灯式ヘッドライトが採用されました。1971年にトヨエース 3代目(Y10)にモデルチェンジしました。
ミニカーは1962年に発売されたモデルペット製の当時物です。60年以上も昔に作られたミニカーですが、かなり良い保存状態だったものを2000年頃にオークションで入手しました。モデルペットは朝日玩具が1959年から始めたブランドで、国産初のダイキャスト製ミニカーでした。モデルペットはいずれも出来が良く、このトヨエースも当時物としてはリアルな作風で良い出来ばえになっていました。型番101で幌無しの1959年式が作られていて、この幌が付いた型番102は1962年式でフロントグリルが変更されていました。ドア開閉などのギミックはありませんが、幌を外すことができます。トヨエース 初代のミニカーはプラモデルメーカーのナガノが「MODEL LINE」というブランドでホワイトメタル製少量生産品を発売していました。トヨエース 2代目のミニカーはトミカ リミッテドの1/64、トミーテックの1/150、エブロなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1661
マツダ キャロル 日本 1962年
前述したR360 クーペでスバル 360の牙城を崩すことが出来なかったマツダは、新たに開発した軽自動車キャロルを1962年に登場させました。キャロルの特徴は軽自動車ながら、ボンネット、キャビン、トランクの分離した3ボックス スタイルと豪華な内外装でした。(リアエンジンですので荷物スペースはフロントですが) これを可能にしたのはクリフカットというリアウインドーを垂直に立てたキャビンで、これはイギリスのフォード アングリアで有名になったスタイルですが、国産車では珍しいものでした。
水冷4気筒360cc(18HP)OHVアルミ合金製という高度なエンジンをリアに搭載するRR駆動方式で、4段変速で最高速94km/hの性能でした。当初は2ドアだけでしたが、1963年には軽初の4ドアも追加されました。4ドアの3ボックススタイルが売りでしたが、このサイズでの4人乗車は寸法的に厳しく、また構造的に車重が重くなることから動力性能面でも不利でした。(当時はこのスペースになんとか4人乗ったようです)
当初はスバル 360を脅かしたようでしたが、動力性能の低さが販売上のネックとなりました。その後軽自動車市場にはダイハツのフェロー(1966年)やホンダのN360(1967年)といった高性能な新型車が登場し、キャロルは見劣りするようになりました。当時のマツダは小型車とロータリーエンジン開発に注力していた為、キャロルのモデルチェンジは行われず、1966年のマイナーチェンジを経て1970年に生産中止となりました。総生産台数は約26万台でした。初期の軽自動車として、非常にユニークな存在でした。
ミニカーはエブロ製で2003年に発売されました。前期型4ドアをモデル化しています。プロポーションが良く実車のフロント/リアの雰囲気がうまく再現されていてとても良い出来ばえでした。室内も彩色されたシートやインパネなどがリアルに再現されています。キャロルはいまひとつ人気が無かったのか? 当時物のミニカーはありませんでした。当時物以外では京商のポリストーン製の後期型4ドア(1/43)、トミカ リミテッドの前期型4ドア、コナミの前期型2ドア(1/64)、国産名車コレクションの1/43と1/24などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1011
三菱 ミニカ 日本 1962年
1961年に三菱初の軽自動車として商用バン/ピックアップの三菱 360が登場しました。(実車画像→三菱 360) 軽3輪車レオの経験を生かして開発された360は、通常のフロントエンジン搭載のFR方式を採用し、サスペンションもリーフスプリング方式の保守的なもので、ボディもごくオーソドックスなデザインでした。空冷2サイクル2気筒359cc(17HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速80km/hの性能でした。保守的な設計が良かったのか、360は商業的に成功し1972年まで生産されました。"
三菱 360をベースにして軽乗用車ミニカが1962年に登場しました。車体後部をノッチバックにして、4人乗りに仕立ていました。エンジンなど性能は商用車の360とほぼ同じでした。当時の軽は後輪駆動のRR車が一般的であったのでFR方式は異色な存在で、当時の軽ではトランクが一番広かったそうです。ただ同時代のライバルであったスバル 360やマツダ R360クーペに比べると、乗用車としてはデザインが保守的で地味でした。1969年にミニカ 2代目のミニカ 70にモデルチェンジしました。(実車画像→三菱 ミニカ 70 1969)"
ミニカーは2006年に発売されたアシェット製 国産名車コレクションです。メーカーはノレブで、ミニカの初期型をモデル化しています。プロポーションが良く実車がうまく再現されていました。灯火類や室内などの細部もそこそこリアルでかなり良い出来ばえになっていました。ノレブは自社のカタログモデルとしても型番800187で発売していました。これ以前に三菱 ミニカのミニカーはありませんでしたので、国産車初期の軽自動車のミニカーとして貴重でした。(こんな具合に初期の国産名車コレクションの半分ほどは、あまりモデル化されていなかった車種をモデル化していました) 2017年にアシェット製 国産名車コレクション 1/24でもモデル化されました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1030
イスズ ベレル 日本 1962年
前述したヒルマン ミンクスのノックダウン生産でノウハウを蓄積したイスズは、初の自社開発乗用車としてベレルを1962年に発売しました。当時の主たる需要であったタクシー用の中型セダンで、トヨタ クラウン/日産 セドリックがライバルでした。ヒルマン ミンクスを踏襲した前輪独立/後輪固定サスペンションを持つオーソドックスな構造でした。ボディは欧州風のシンプルなデザインで、三角形のテールライトが特徴でした。4気筒2Lディーゼル、4気筒1.5/2L(85HP)エンジンを搭載し、3段変速、最高速度136km/h(2L)の性能でした。
発売初期の製造不良やライバル車(トヨタ クラウン/日産 セドリック)より古臭くみえるデザインのため、ベレルの販売は芳しくありませんでした。1965年には、縦型2灯式のヘッドライトを採用するなどしてデザインを一新しましたが、装備や性能で見劣りするベレルに勝ち目はなく、1967年に一代限りで生産中止となりました。(実車画像→イスズ べレル 1967)
ミニカーは2008年に発売されたアシェット製 国産名車コレクションでメーカーはノレブです。プロポーションが良く、実車に即したカラーリングで実車の雰囲気がうまく再現されていました。フロントグリルやボンネット上のマスコットなど細部の仕上げも丁寧でした。初期の国産名車コレクションのノレブ製ミニカーはこのベレルのように今までモデル化されていなかった車種が選択され、従来の雑誌付きミニカーよりレベルの高い出来ばえの物が多くありました。ベレルの当時物ミニカーはモデルペットと大盛屋のミクロペットがありましたが、これらはめったにお目にかかれないレア物です。1980年代にカドー玩具がそのミクロペットのべレルの復刻版ミニカーを発売していました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)