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フィアット 500 FIAT 500 その2 戦後型

フィアット 500 関連ページ → その1 フィアット 500 戦前型   その3 アバルト アウトビアンキ シュタイア プフ 500 最新型など派生車

概要

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 イタリアの自動車会社フィアットはアルファロメオ、フェラーリ、ランチアなどをグループに持つ巨大な企業です。最近のフィアット車といえばパンダ(PANDA)やプント(PUNTO)などがありますが、日本ではあまり知られていないように思います。少し古くなりますがフィアットブランドで一番親しまれている車は500になると思います。名前だけでは分からない人もおられると思いますが、漫画のルパン3世でルパンが乗っている小さな車といえば知っておられる方が多いのではないでしょうか。


 フィアット 500(伊語読みでチンクェチェント)は1960年代のイタリアを代表する小型車でした。FIAT 500には戦前型と戦後型の2世代があります。ルパンの車として一般に良く知られているのは戦後型のほうです。ここではその2世代のフィアット 500についてミニカーで紹介致します。

 
 

FIAT NUOVA 500 (フィアット ヌォーヴァ 500)

 1955年にフィアット 600が発表されトポリーノは生産が中止されます。フィアット 600も大ヒットしたのですが、ユーザーが600よりもさらに小さく安い車を望んでいるということから開発され 1957年に発表されたのがフィアット NUOVA 500です。トポリーノと区別する為にNUOVA(ヌォーヴァ:伊語で新型の意)と呼ばれました。NUOVA 500は600をひと回り小型化したもので大きさは全長2970×全幅1320×全高1325mm 車重425kgで幅こそトポリーノより大きくなっていますが、長さは短く重さは軽くなっています。これはモノコック構造を取り入れリアエンジンとしたことによるスペース効率の向上によるもので、乗車定員も4人となっています。エンジンは空冷2気筒479cc 15HPで4段変速機を介して最高速度90km/hがでました。(このページを作成するために車両緒元などを調べましたが、思っていたより小さいことなどに改めて感心しました)この車はトポリーノ以上の大ヒットになり、これ以後の小型車のお手本になっています。発表してから10年以上経った1970年にも年間40万台以上生産されていたのですからその人気は推して知るべしです。


 NUOVA 500のボディ形式には屋根の半分だけがキャンバストップのものと、屋根全体がキャンバストップのものの2タイプがあり開口部のない全閉式の仕様はありませんでした。空冷2気筒エンジンの騒音が問題で完全な密閉式には出来なかったとのことです。日本では考えられないですが当時のイタリアならではといったところでしょうか。屋根の形式以外にもそれぞれにエコノミカとノルマーレの2タイプがありました。ノルマーレはいわゆるデラックス仕様です。以下のBRUMM(ブルム)社のミニカーにはご丁寧なことにこれらのタイプが全てそろっています。また色も各タイプ毎に6色も作られていましてお好みのタイプのミニカーが選べます。(全部でいくつあるのやら?)

 
BRUMM R340 1/43
ブルム製 500 エコノミカのキャンバストップの開いたタイプ。
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ドアは前開き式です
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この角度から見ると有名な軽自動車が思い浮かびます
 
BRUMM R342 1/43
500 ノルマーレのキャンバストップの開いたタイプ 緑で統一された色使いが良い感じです。
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上記の画像をみてエコノミカとノルマーレの違いが分かりましたか? 違っているところは3点あります。

2点は分かり易いと思います。メッキされたホイールキャップと側面のモールディングの有無が違っています。あと1点は簡単には分かりませんので右側の画像を見てください。分かり易いように濃い色の車で比較しました。

 

よく見ないと分かりませんがヘッドライトのひさし(マツゲ)の有無です。ノルマーレにはひさしがありますがエコノミカにはありません。

ノルマーレbrumm500nsuper
エコノミカbrumm500nnormal
 
BRUMM R341 1/43
エコノミカのキャンバストップの閉じたタイプ 
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BRUMM R343 1/43
ノルマーレのキャンバストップの閉じたタイプ 
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ヒゲが曲がっているのはご愛嬌
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BRUMM R365 1/43
ノルマーレのキャンバストップ(屋根の半分だけ)の閉じたタイプ 
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BRUMM R364 1/43
ノルマーレのキャンバストップ(屋根の半分だけ)の開いたタイプ 
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シンプルなメータも再現されています
マウスカーソルを画像の上に載せてください
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ひげが傾いているのが多いです
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大きめのウインカーが付いています
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小さなマフラーも再現されています
BRUMM R404 1/43
これは1960年にエンジンを499cc(17.5HP)にパワーアップされた500Dのモデルで、2007年の新製品です。上記の500から変更された箇所が分かるように上記にも画像を追加しましたので比べて見てください。なお1965年からドアが後ろ開きに変わりましたが、これはまだ前開きのタイプですのでブルムのバリエーション追加はまだまだ続くことと思います。実車ではNUOVA 500のイメージを復活させた新しい500が発表されていますが、不思議な魅力のあるこの車のミニカーはまだまだたくさん出てきそうです。(ブルムの新製品としてはワゴンタイプのジャルディニエラがもうじき輸入されるはずです)
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上の画像とあまり変わっていないようですが
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分かりにくいですが室内のシートバックに
白いカバーが追加されています
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ヘッドライトの下にウインカーが追加されています
マウスカーソルを画像の上に載せてください
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ウインカーが小さくなっています
マウスカーソルを画像の上に載せてください
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リアライトが少し大きくなっています
マウスカーソルを画像の上に載せてください
BRUMM R454 1/43
1965年からドアが後ろ開きに変えられた500Fのモデル、2007年末に発売された新製品です。上記500Dの欄でバリエーションが追加されるであろうと書きましたが、そのとうりにちゃんと出してくれました。(今回はカラーが一色だけでしたが、後でバリエーションがたくさんでてくるかも?) 500Dとの違いはドア ノブの位置が変わっているのと、そのドア ノブの位置にあるモールディングが無くなっていることです。
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ドアが後ろ開きになりドア ノブの位置が変更された
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モールディングが無くなっています
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フロントは500Dから変更無し
マウスカーソルを画像の上に載せてください
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ウインカー等の変更も無し
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リアも500Dから変更無し
マウスカーソルを画像の上に載せてください
 
BRUMM R464 1/43
1968年から追加された500Lのモデル、500Fと同時にに発売された新製品です。Lとは「Lusso:英語のluxury」のことで500Fの豪華仕様でした。外観的にはバンパーにオーバーライダが追加され、フロントとリヤのエンブレム、ロゴが変わっています。室内はダッシュ ボードが樹脂でカバーされ、シートがビニールレザー張りになり、メータパネルが燃料計付きの高級なものになっています。ミニカーも外観だけではなく、室内もダッシュ ボード、メータ、シートがちゃんと変えられています。
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バンパーにオーバーライドが付いてます
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ルーフにドリップモールディングが付いています
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リアバンパーにもオーバーライドが付いてます
 
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エンブレムが変わっています
マウスカーソルを画像の上に載せてください
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ダッシュボード、メータも変わっています
マウスカーソルを画像の上に載せてください
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車名表示のロゴが変わっています
マウスカーソルを画像の上に載せてください
 
BRUMM R474 1/43
1972年から登場した最終型500Rのモデル、500Fと同時に発売された新製品です。500Rは同じ年に登場した後継車の126の廉価版として1975年まで販売されていました。大きな変更として126と同じ594cc(23HP)エンジンが採用され、ホイールも126と同じものが使われています。またフロントとリヤのロゴが新しいものに変わっています。もちろんミニカーもそれらの変更がちゃんと再現されています。これで500のバリエーションが全てモデル化されたことになりますが、ここまでバリエーションが造られたミニカーはまずないでしょう。ブルムさんもよくやったものです。(それにつきあった私も好きものですが)
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シンプルなフロント グリル
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ホイールが変わっています
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FIATのロゴが変わっています
マウスカーソルを画像の上に載せてください
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メータは初期型と同じ速度計のみ
マウスカーソルを画像の上に載せてください
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車名表示のロゴが変わっています
マウスカーソルを画像の上に載せてください
BRUMM R424-07 1/43
1960年に500Dをベースにして造られたワゴン タイプのジャルディニエラ(GIARDINIERA)のモデル 2008年の新製品です。ジャルディニエラはリアエンジンでありながらもエンジンを右側に横倒しにすることでリアにフラットな荷物スペースを設けています。ミニカーは全長が変わっているので、型が大幅に変更されています。通常の500Dと並べてみると、違いが良く分かって面白いです。
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左側にだけサイド ミラーが付いています
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ドアは前開きです
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リアの扉は左をヒンジにして横に開きます
 
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フロントは500Dと同じ
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リアが少し伸ばされています
マウスカーソルを画像の上に載せてください
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リアライトが少し細くなっています
エンジンとマフラーも変わっています
 
 
ジャルディニエラの全長はリアが伸びた分だけ、2970mmから3180mmへと長くなっています。ミニカーで較べてみてもこのように違いが分かります。

 また底板のエンジン周りの表現もちゃんと変えられています。左側がジャルディニエラです。画像の下側にあるマフラーの側にエンジンが倒されて配置されていました。

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BRUMM R425-04 1/43
上記のキャンバス トップを閉じたバリエーションです。ブルムお得意のカラーバリエーションはR424、R425のどちらも8色あります。ジャルディニエラはフィアットの一部門となったアウトビアンキに1968年に移管され、ビアンキーナ ジャルディニエラとして1976年まで生産されました。このアウトビアンキ版もブルムがモデル化しています。(このページの下の「AUTOBIANCHI」の欄で紹介しています)
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キャンバス トップを閉じたバリエーションです
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BRUMM R376 R377 1/43
対米輸出用として発表されたタイプ 実際には輸出したかどうかは不明ですが ヘッドライト、テールライト、バンパーが米国仕様に変えられておりカリフォルニア州のライセンスプレートまで付いています。
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ヘッドライトの取り付け位置を上げていますので
よりユーモラスに見えます
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バンパーにオーバーライダーが付いてます
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トップを閉じたバリエーションもある
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カリフォルニア州のプレートが付いてます
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テールライトが赤一色に変わっています
(昔の米車はウインカーも赤でした)
 
BRUMM R347 1/43
モータースポーツなどでもっとパワーが欲しい人の為のスポルト仕様 排気量を499.5ccに拡大し圧縮比を上げて馬力を21HPに強化 最高速度105km/h 赤いアクセントラインが入っていて見た目ですぐ分かります。
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BRUMM R361 1/43
レースなどでの安全性を考慮して屋根を密閉式にしたモデル 多分耳栓無しでは乗れなかったのではないかと思います。(チューンした空冷エンジンがすぐ後ろにありますので)
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SPOTON 185 1/42
1963年頃に発売されたイギリスのスポットオン社のミニカー これはドアが前開きですがハンドルが右側についていて英国仕様の車がモデルです。他のミニカーに比べると少し大きめに出来ています。
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小さなフェンダーミラーがついています
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MEBETOYS A36 1/43
1970年頃に販売されたイタリアのメーベトイ社のミニカー ドアが後ろ開きになっているので1965年以降の車がモデルです。他のミニカーに比べると少し小さめに出来ています。
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フロントはあっさりと作られています
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リアカウルを開くとエンジンが再現されてます
 
MERCURY 17 1/43
1970年頃に販売されたイタリアのマーキュリー社のミニカー こちらは底板に500L(1969年発表のデラックス仕様)と記載されています。
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バンパーがデラックス仕様になっています
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フロントフードを開くとスペアタイヤがあります
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VITESSE 500 501 1/43
1990年頃に発売されたビテス製のミニカー このモデルはドアが前開きのタイプです。同時代のベスパ(VESPA)のスクーターがセットで付いています。(ベスパも映画“ローマの休日”にでてきます)
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キャンバストップの閉じたバリエーション
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DELPRADO 1/43
デル プラド カーコレクションシリーズにて発売されたもの ドアは後ろ開きのタイプ
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窓が小さくキャビン部が寸詰まりな感じ
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SOLIDO 4560 1/43  2007/01追加
フランスのソリドが最近発売したモデル ドアが前開きのタイプ 全体的なプロポーションはまずまず ただ窓枠が太めでその分窓が少し小さくまたホワイトリボンタイヤのためかタイヤが大きすぎるような感じがします。(かつてのソリドのシャープさがあまり感じられないですね)
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ホワイトリボンタイヤはあまり似合わない?
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以上でフィアット 500のミニカーは終わりですが、関連する車のミニカーも紹介します。まずはフィアット NOUVA 500の兄貴分のフィアット 600です。こちらもBRUMMからたくさんのモデルがでていますが代表的なモデルを紹介します。
 

FIAT 600 フィアット 600

BRUMM R249 R365 1/43
1955年にフィアット 600が発表され、NOUVA 500は600をサイズダウンさせたものです。どの程度小さかったのか並べてみました。
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エンジン 馬力
600:633cc 24.5HP
500:479cc 15HP  
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外形寸法 重量
600:3215×1345×1405mm 560kg
500:2970×1320×1325mm 455kg
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BRUMM R249 1/43
1955年発表当時の600 キャンバストップとバンパーのオーバーライダーの付いたデラックス仕様です。
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ヘッドライト上にあるのはウインカー
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窓は引き戸式に開けます
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fiat 600d 8

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これもナンバープレートが傾いてます


 
BRUMM R318 1/43
1961年にはエンジンが767cc 25HPに強化され 600Dとなり1964年にはドアが後ろ開きになるなどリファインされています。これはドアが後ろ開きになっているモデルです。600Dは1970年に生産中止となりました。
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フロント部分のヒゲが1本になって ウインカーがヘッドライト下に移動してます
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窓は巻き上げ式にリファインされてます
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バンパーのオーバーライダーにゴムカバーが付いてます
 
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