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NEW MODEL 新製品情報 2012

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■新製品情報  2012/1~  2011年の情報  2010年の情報 2009年の情報 2008年の情報

以下は最近3ヶ月に発売された全ジャンルのミニカー一覧です。(最新の物が上に表示されます) 車名、メーカー名、縮尺で検索ができ、websearch(又は画像)をクリックすることで購入したいミニカーの情報が簡単に検索できます。 (2012年12月29日更新 32件追加)
それ以前のミニカーや昔の絶版品はこちらのデーターベースさらに詳しく検索できます。

 

メーカー
情報更新
概要
WEBリンク
アシェット コレクション 2012年12月

フェラーリ F1 コレクション 34号 F2008 F.マッサ (2008) 12/05 発売、35号 500 F2 K.アドルフ (1953) 12/19 発売

F1 COLLECTION WEB SITE
2012年12月

国産名車コレクション 181号 ホンダ インサイト (2009) 12/12 発売 182号 トヨタ iQ (2012) 12/26 発売 WEBサイトを見ると200号まで延長されてます。

JPCARS WEB SITE
       
ミニチャンプス 2012年第51週

BMW 700L、ポルシェ 924 カレラ、ポルシェ ケイマンS、ジャガー XKクーペ、ランボルギーニ カウンタックなど

PMA WEB SITE
       
トミカ 2012年12月

No.82 マツダ CX-5、No.107 レクサス IS F CCS-R、No.136 GM キャディラック エスカレード 12/15 発売 テコロジー TT-11 日産 リーフ 12月中旬 発売

TOMICA WEB SITE
トミカ リミテッド

2012年12月

TL0150 ハマー H2 12/22 発売、ランボルギーニ 2台セット 12月下旬 発売

TOMICA WEB SITE
トミカ リミテッド
ヴィンテージトミカラマ
2012年12月

LV-N75a/b 日産 セドリック 200E SGL エクストラ (茶/紺) 12月発売

TOMYTEC WEB SITE

LV-130a/b ダットサン フェアレディ 1500 (銀/水)、LV-41d/e トヨタ トヨエース 東芝名門号/日本通運 12月発売

TOMYTEC WEB SITE
2012年12月 LV-N43-01b 日産パラメディック ドクターカー(水戸市消防本部) 12月発売 TOMYTEC WEB SITE
       
京商 2012年12月 フロンティアート、BBR、ミニチャンプスなど KYOUSHO WEBSITE
       
エブロ 2012年12月

フジ キャビン、ダイハツ P5、ホンダ R1300、トヨタ 86など

EBBRO WEB SITE
       
イクソ 2012年10月

ベンツ 190E、ロータス エキシージ、シェルビー 350GT、ピアスアロー シルバーなど WEB_SITEで2012年のカタログがダウンロード出来ます

IXO WEB SITE

2012 CATALOG

       
ブルム 2012年10月

フェラーリ 250GTO、フィアット 127 など WEB_SITEで2012年のカタログがダウンロード出来ます

BRUMM WEBDSITE

 

 

■新製品レビュー

以下は10/02 作成

MINICHAMPS 400-144772 CHRYSLER DODGE MONACO 1974 1/43

 久しぶりにアメリカ車のミニカーを購入しましたので、レビューします。1台目はミニチャンプスのダッジ モナコで、このミニカーは2010年に型番400-144770(青メタリック)として登場し、2011年には型番 400-144771(緑メタリック)で、今回(2012年)は金メタリックでの発売です。全くの新製品ではなく目新しくはないのですが、後で紹介する他の新製品と比較する為に先に紹介します。
dodge monaco 1
ウスカーソルを画像上に載せると正面からの画像に変わります
クリックするとリアパネルの画像に変わります
 まずは実車の概要です。 ダッジはクライスラー社の大衆車ブランドで、 モナコ はダッジの上級クラスとして1965年から登場したフルサイズ車でした。1974年式は3代目で、ダッジとして一番大きなフルサイズ車(全長5.7m全幅2m)でした。エンジンはV型8気筒(5.9L-7.2L(220HP))で、3段自動変速機で、最高速190km/h(7.2L)の性能でした。セダン、ハードトップ、ワゴンの設定がありました。

 

この後の4代目(1977年)からは、 オイル・ショック の影響でボディが小型化されるので、その直前の一番大きかった年式をモデル化しています。アメリカ車はやはりこの時代のでかい車の人気が高いのです。モナコは1970年代のTVドラマなどでパトカーとして出てくることが多く、画像検索でもパトカーがかなりヒットします。パトカーはそこそこの性能があって値段がお買い得な車が選ばれることが多いので、モナコもそのような車だったと思われます。(もちろんブロアムという高級仕様も有るのですが)
 
ダッジ モナコ実車の画像
dodge monaco 2
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 ミニカーは4ドア セダンをモデル化しています。パトカーに使われているような安っぽいホイールなので、あまり高級なクラスではないようです。実車が大きいのでミニカーも13cm程と大きいです。基本的なプロポーションに破綻はなく、良い出来映えです。フロントやリアの造形もうまく再現されていて、実車の雰囲気が良く出ています。特にリア ライトの造形はミニチャンプスらしい凝った仕上げでリアリティがあります。

 

室内ではメーターの意匠やハンドルがきちんと彩色されていて、またその部分がよく見えるよう、ドライバー側ドアの窓は下ろされた状態になっています。また台座から外さないと分かりませんが、底板のサスペンションやエンジンもかなりリアルに造形されている点もミニチャンプスの美点です。(この辺はエブロなど国産メーカーに見習ってもらいたいです) 以上全般的な評価としては、特別に精密な訳ではありませんが、最近のミニカーとしては及第点の出来映えです。

 
 最後にお値段なのですが、これには問題があります。2010年の定価は5460円で、この値段ならそんなに高いとは思いません。その後2011年には7140円となり、今回は8190円でした。ボディ カラー以外の変更は無いと思いますが、この2年間で1.5倍になっています。この値段の上がりかたは尋常ではありません。原因は下請け先の中国メーカーのコストアップでしょうが、そのコストアップの大半を定価に反映させている(と思われる)ミニチャンプスは、たいした殿様商売です。この値段を続けるようではおごれる物久しからずになりそうな気がします。
以下は10/05 作成

MINICHAMPS 400-085200 FORD TORINO 1976 1/43

 前回のダッジ モナコに次いで、今年の8月に発売された新製品のフォード トリノのレビューです。
ford torino 1976
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クリックするとリアパネルの画像に変わります

 実車ですが、トリノはアメリカ フォードの中型乗用車で、初代のトリノは1968年にフェアレーンの上級車として設定され、その名前はイタリアのトリノ市にちなんだ物です。1976年式は3代目の最終モデルで、このころのトリノは大衆車ながら一部はハイパワーエンジンを搭載したマッスルカーとしても知られていました。エンジンはV型8気筒(5.8L-7.5L(202HP))で、3段自動変速機で、最高速186km/h(7.5L)の性能でした。2ドアハードトップ、4ドア セダン、ワゴンの設定がありました。

 

 1976年式はTVドラマ「刑事スタスキー&ハッチ」に登場した赤い車として有名ですので、この年式をモデル化したのでしょう。個人的にはクリント イーストウッド監督の映画「グラン トリノ」に登場した、個性的なグリルを持つ1972年式の方が好きです。ミニカーのフェンダーには「GRAN TORINO」のロゴがあるので、モデル化しているのはグラン トリノのハードトップです。グラン トリノとはトリノのやや高級な仕様で、最上級にはブロアムがありました。

フォード トリノ実車の画像
ford torino 1976 2
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クリックするとフロントフェンダー周りの拡大画像に変わります

 このミニカーも実車のサイズ全長5.43m全幅2m)を反映して、かなり大きなサイズです。オーバーハングが大きくやたらと長いこの車のプロポーションを、うまくとらえてあります。(ただタイヤがやや小さいような気もします) フロントやリアの造形はいつもながらのミニチャンプス流で、リアリティがある出来映えです。以前は大げさだったワイパーも目立たなくなりました。以上は評価できる点ですが、以下は良くない点です。

 

 まずこのくすんだ赤色はあまり良い色ではなく、実車に即しているのかもしれませんが、いまいちです。次にフロントフェンダーのウインカーを塗装だけで済ましていますが、これは明らかに手抜きです。さらに実車に即しているとは言え、室内が黒一色の無彩色で味気がありません。よく見るとメーターには最低限の彩色が施されていますが、窓が開いていないので、室内はほとんど見えません。窓が閉じられたのはドアトリムのメッキ部品の取付スペースが必要だったからでしょうか。

   
 なおフェンダーのトリムは従来どうりの塗装なのですが、この部分もそろそろ値段に見合ったメッキパーツを使うべきです。というのも、この次に紹介するイクソ製のミニカーでは、トリムモールの全てにメッキを施しているからです。フェンダーのトリムにメッキを施すと、リアリティが格段と向上します。(以下のレビューをご覧下さい)

 

 このミニカーの定価は上記モナコより少し安い7140円でした。モナコより仕上げのレベルが落ちている分安いのでしょうが、それでもかなり高いと思います。またこのモデルには従来は感じなかった仕上げに手を抜いた安っぽさが感じられますので、はっきり言うととても値段に見合ったミニカーとは言えません。ミニマックス社(スパーク)にレジン製モデルを丸投げ(多分)するなど、「売れればよい」といった粗製濫造的な姿勢が見える最近のミニチャンプスを代表するようなミニカーです。

以下は10/07 作成

IXO PREMIUMX PRD070 GM BUICK RIVIERA COUPE 1972 1/43

 8月に発売されたイクソ プレミアムXの新製品 GM ビュイック リビエラです。当初のプレミアムXシリーズはレジン製でしたが、このビュイック リビエラはダイキャスト製です。(同時発売のダッジ チャレンジ ャーはレジン製、フォード ブロンコ II はダイキャスト製です)

buick riviera1
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 ビュイック リビエラはフォードのサンダーバードに対抗する車として企画された高級パーソナルカーでした。1963年に登場した初代リビエラはエッジの効いた斬新なデザインの2ドア クーペで、実にかっこいい車でした。その後もリビエラには2ドア クーペの設定しかなく、まさにデザイン重視の豪華で高性能な車でした。1972年式は3代目で、「ボートテール」と呼ばれる独得のリア デザインを持つ極めて個性的なスタイルで有名な車でした。


フルサイズ(全長5.55m全幅2m)のボディに、V型8気筒7.5L(315HP?)エンジンを搭載し、3段自動変速機で最高速220km/hという性能でした。前後が派手に尖ったこのデザインはさすがに賛否両論で、この3世代目は販売が振るわなかったようです。この様な文字通りの「尖った」デザインが出来たのも、古き良き時代のアメリカ車ゆえのことでした。
ビュイック リビエラ実車の画像
buick riviera1
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クリックすると室内の拡大画像に変わります
  実車が特徴のある車なので、ミニカーにするのは比較的やりやすいと思いますが、このミニカーは実車のイメージにぴったりです。プロポーションが良いのはもちろんですが、エッジの効いたデザインをうまく再現しています。エッティングパーツで再現したごついフロントグリル、ホイールなど、細かい部分も良く出来ています。特に窓枠やフェンダーのクロームモールのメッキ処理(イクソお得意の手法で別パーツではなく特殊な塗装です)は、実にリアリティがあります。(上記のミニチャンプス製と比べてみて下さい)

 

白色のライトはクリア樹脂製ですが、リアライトやウインカーはメッキパーツへの塗装で済ましてあります。ミニチャンプスよりは簡素ですが、見た目はそれほど悪くありません。室内はウッドパネルやメーターが彩色され、中が見えるよう窓が開いた状態になっています。「WASHINGTON」と書かれたナンバープレートもしゃれてます。なお底板のサスペンションなどの表現は適当で、これはいつものイクソ流です。
 
 最後に値段ですが、このミニカーの定価は4725円です。ミニチャンプスの2/3程度ですが、出来映えを考慮するとこれぐらいのお金は払っても良いです。私はイクソ贔屓ですが、現時点の1/43のミニカーはこれぐらいのレベル(精密さと価格)のダイキャスト製が好ましいと思います。もちろん、もっと精密で高価なミニカーも結構なのですが、そのようなミニカーは気安く何台も買うことは出来ません。

 

イクソはあまり新製品を出しませんが、あまりたくさん新製品がでるのもコレクターにとっては迷惑でついていけません。また数がたくさん出ると言うことは、個々のモデルの質が落ちることにつながります。(これは食べ物などでも同じですが) かつて質の高いミニカーを登場させてコレクターを引きつけたブランドが、その人気に乗じてやたらとバリエーションを増やすようになり、そのあげくに在庫過剰(多分)で消えていった事例はいくつもあります。(例えば昔のビテスなど) コレクターの数とその財布はそんなに急に増えないのですから、これは当たり前のことです。その点イクソのやり方は私のような昔気質のコレクター向きで、比較的安価で少しずつ発売されるクラシックカーのシリーズはなんとかついていくことが出来てます。
   
以下は8/22 作成

KID BOX ENIF0001 TOYOTA CROWN EIGHT (VG10) 1964 1/43

 ミニカーショップ キッドボックスのオリジナル ブランド ENIF(エニフ)から昨年発売されたトヨタ クラウン エイトです。発売から半年ほど経ちましたが、最近になって入手しました。日本の高級車の草分けとして重要な車ながらこれまでモデル化されてこなかったこの車を選択したという点で、ENIFの車種選択は非常にセンスが良いです。
toyota crown 8
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 前回国産ダイキャスト製ミニカー待望論を書きましたので、最新の本格派ダイキャスト製ミニカーの出来映えをレビューしてみました。合わせて初めてモデル化されたクラウン エイトを既存のRS40型と比較しました。

 

まずクラウン エイトの概要ですが、1960年に2代目クラウン(RS40型)が登場、ボディはトヨタのTをイメージしたフロントグリルを特徴とする直線的なデザインでした。1964年にボディーを大型化し、新設計したアルミ製V型8気筒2.6L(115HP)VG型エンジンを搭載して追加されたのが、上級車のクラウン エイト(8)でした。(8は8気筒搭載の意) 特筆すべきはそのサイズで、 全長はRS40系より120mm長い4720mm、全幅は150mm広い1845mmとかなりの大型です。特に全幅は現行クラウンよりも広く、クラウン史上最大です。 パワーステアリング、パワーウィンドウ、オートドライブといった最新の豪華装備が採用されていました。1967年まで生産され、センチュリーに切り替わりました。
 

クラウン エイト 実車の画像

toyota crown 8
マウスカーソルを画像上に載せるとフロントガラス部分の画像に変わります

クリックすると運転席部分を拡大した画像に変わります
 さてミニカーですが、梱包箱を手にした時点で適度な重さが感じられ、ダイキャスト製のミニカーであることを実感させてくれます。ミニカーを固定してある台座が透明プラスチック製で、普通の台座に比べると高級な感じがします。最初に目に付くのがミニカーの車幅の広さで、通常のミニカーではあまりお目にかかれない大きさです。実際に測ってみると43mmと、実車の車幅を正確に1/43で再現してあります。

 

まずミニカーの出来映えで一番肝心なプロポーションは、問題ないレベルです。(多少キャビンの屋根が厚ぼったい気もしますが) この車は直線的なデザインで微妙な曲面がないので、実車の雰囲気が良く再現されています。前後のグリルやワイパーなどの細部もエッティング パーツが使用されており、かなり精密に出来ています。窓枠のクローム モールの表現も、きれいにメッキされたパーツが確実に固定されています。(レジン製ミニカーはこのような部分の固定がきちんと出来ていない物が多いです) 
 
 室内の細部の表現も、時計やコンライト(ライトの自動点灯装置)のセンサーがダッシュボード上にちゃんと付いているなど、このサイズとしては非常に凝っています。なお画像のミニカーは1964年式(前期型)ですが、前後のグリルが少し異なる1965年式(後期型)もモデル化されています。前期型と後期型の外観上の違いがきちんと作り分けてあり、室内もシートなどが作り分けてあります。(カラーバリエーションも含めて全部で6種類あります)

 

以上 このミニカーは最近のミニカーとして十分に高品質であると評価できます。またさまざまな細部の拘りにも好感が持てます。最後にお値段ですが、定価6930円(キッドボックス30周年記念は8400円)は安くはないですが、上述した内容を考えると良心的な値段であると思います。やたらとバリエーションが多いのは今ひとつですが、販売数量を上げるための方策でしかたないでしょう。なお発売後半年経ってもまだ購入できるというのは、ある程度以上の量産がされているダイキャスト製ミニカーゆえのことです。(売れ行きが悪いのではありませんよ) 予約だけで売り切れてしまうなどといった生産数量の少ないミニカーは個人的に好きではありません。(実物がどのような物かどうかを見極めてから買えるのが普通のはずです)

    
 ENIFのクラウン エイトを通常のクラウン(RS41型)のミニカーと比較してみました。2代目クラウンのミニカーはたくさんありますが、同じ1/43サイズということでエブロ製(1962年式)を比較対象にしました。以下が2台を並べてみた画像です。両方とも中国製で、作風が良く似ています。(製造元も同じ系列の製造メーカーかもしれません) 一見しただけで車幅の違いがはっきりと分かりますが、それ以外で違いが感じられるのはキャビン部分です。
crown compare
マウスカーソルを画像上に載せると正面からの画像に、クリックすると後方からの画像に変わります 
crown compare birdseye

 上述したようにクラウン エイトはキャビンの屋根が少し厚く、エブロの屋根とは違って見えます。実はエブロのキャビン部分はプラスチックの別部品で構成されていて、屋根が薄いのです。(エブロのミニカーによく見られるやり方です) その為、エブロのクラウンのフロント ウインドーの上下方向の長さがクラウン エイトより大きめに見えます。どちらが実車に近いかというと、両者の中間ぐらいがそれらしいのではないかと思います。

 

 正面から見ると、グリルの造形が違うこともあって、車幅の違いがさらに強調されます。車幅だけではなく、ボディの前後の絞り込みの状態が違っていることが、上から見た画像で分かります。クラウン エイトは絞り込みが少ない角のある長方形をしていますが、クラウンは前後の絞り込み部分が大きく側面がわずかに弧を描いています。多分エイトの方が実車に近く、エブロの絞り込みはややオーバーな表現であると思います。

   

 リアのテール ライトはクラウンはバックアップランプを下に組み込んだ涙滴型をしていますが、エイトはバックアップランプがリア パネル上に分離されています。このバックアップランプはパネルにモールドされていますが、正面からは今ひとつはっきり分かりません。(一番上の後方からの画像で見ると分かりますが、ここまで凝るのなら、透明プラ材のレンズを組み込んで欲しかったですね) 最後にやや気になった点ですが、リア ウインドーのクロームモール(上側)は少し太すぎます。

以上

 
以下は7/11 作成

SPARK S2706 VOISIN C27 AEROSPORT 1934 1/43

voisin c27

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 スパークの新製品ヴォアザン C27 アエロスポールです。技術者ガブリエル ヴォアザンはフランスにおける航空機開発のパイオニアで、彼が興したヴォアザン飛行機会社の軍用機は第一次世界大戦で活躍しました。戦後は自動車メーカーに転身し、独創的な技術を取り入れた高級車を製造していました。1930年代末に自動車生産から撤退しています。

 

 C27はヴォアザン後期の代表的なモデルで、直列6気筒3L(104HP)スリーブ バルブ式エンジンを搭載し、4段変速で最高速150km/hの性能でした。ヴォアザンの特徴は奇抜なデザインのボディで、空力を考慮された流線型と角張ったシルエットが同居する一風変わったものです。このモデルも5角形のサイド ウインドーに円弧を描いたキャノピーの組み合わせなど独得の雰囲気を持っています。なお屋根は円弧に沿って後方にスライドして、オープントップ状態になります。(その際に屋根の小窓はリアウインドーに変わります) 

 またラジエータグリルの上についたマスコット(「Cocotte」と呼ばれる鳥のオブジェ)もヴォアザンの最大の特徴です。マスコットから左右に伸びているステーのような物は、前フェンダーを昔の複葉機の翼に見立てた飾りです。

ヴォアザン C27 アエロスポール 実車の画像
voisin c27
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 レジン製のミニカーには問題が多いので、私はスパークのミニカーをほとんど買いません。ただこのモデルだけはヴォアザンのマスコットの魅力に負けて手を出してしまいました。そこで、最新のレジン製ミニカーということで、その出来映えなどを評価してみました。

 

 まず予想外だったのはあまり軽くないことです。これは底板の材質にダイキャストを使っているようで、私がいつも書いている軽いが故の安っぽい感じが少し改善されてます。

 

 次に基本的なプロポーションですが、これは実車の画像と見比べてみるとわかるようにかなり良いレベルだと思います。ただフロント グリル部分などの曲面的な形状にダイナミックな美しさが欠ける気がしますが。。。この辺は少しデフォルメした方が良いのかもしれません。

 

 

 最後は細かい部分の再現ですが、ボディ下部全周に付いているモールや、マスコット部分などはこのサイズのミニカーとしては非常によく再現していると思います。ただしモールはきちんと接着されておらず、少し触っただけで剥がれてきました。またマスコットは小さ過ぎて目視ではよく見えませんが、拡大してみるとエンブレムまで付いていることが分かりました。(多分手作業なのでばらつきが大きいと思いますが、この個体は結構うまくできてる)

 

 このような小さなパーツを手作業で組み付けることは非常に大変な作業で、これを量産ミニカーの1.5から2倍程度の価格で販売していることはある意味では画期的です。ただこれは生産する工場の作業工賃が安いと言うだけのことで、いつまでもこの状況は続かないでしょう。また実際の組付け作業は作業者の器用さに頼っている面があり(上記のように稚拙な点もある)、基本的な組付け設計が量産品レベルではありません。(少量生産品だから許されますが、量産できる構造ではありません) このような少量生産による特異性を売り物にしたミニカーばかりになると、入手出来る人が限られることと高価なことで、これを集めようとするミニカーコレクターは確実に減っていくはずです。(コアなコレクターは残るでしょうが)

 

 そんなわけで、Jコレクションに代表される国産ダイキャスト製ミニカーにもっとがんばって頂きたいとおもいます。工業製品はiPadのように大量生産するからこそ、様々な工夫がされて素晴らしい物が出来るのです。芸術品ではない中途半端なハンドメイドで作られる少量生産品がこれ以上増えることは、ミニカーのコレクターやメーカー(販売店)にとってあまり好ましいことではないと思います。(大量生産しても今は何十万台も売れる時代ではないので、少量生産品が増えるのは仕方ない部分もありますが。。。。それでも品質の安定した安価なダイキャスト製の方が結果的には売れるはず)

 
以下は2/17 作成

IXO MUS038 SALMSON S4E 1938 1/43

salmson s4e 1938  イクソの新製品サルムソン S4Eです。フランスの航空機エンジンのメーカーであったサルムソン航空エンジン社は自動車のライセンス生産に進出し、1921年には自社製の自動車を開発しました。DOHCエンジンを搭載したその車はレースで大活躍し、1923年には世界初の量産DOHC車を市販しています。その後も主にDOHCエンジンを搭載した小型の高性能車を手がけていましたが、経営不振から1957年に自動車生産から撤退しています。(現在はポンプのメーカーとして健在)

 

 S4Eは1937年に登場したやや高級な中型車で、4気筒2.3L(85HP)DOHCエンジンを搭載し、4段変速で最高速135km/hと当時としては高性能でした。サルムソンはあまり知られていない自動車メーカーで、ミニカーも量産品では初めてのモデル化だと思われます。(1950年代のモデルなどで少量生産のミニカーはありますが) スポーティなコンバーチブルをモデル化しており、戦前のフランス製高級スポーツカーは花があるので、これもうまい車種選択です。

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サルムソン S4Eの実車の画像(ページの下の方にあり)
salmson s4e 1938

 このミニカーも上記と同じくミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」向けに作られた物で、雑誌の物より細かい点で仕上げが良くなっています。雑誌の物は白と黒のツートンカラーですが、この青緑メタリックのカラーリングの方がゴージャスな実車のイメージに良く合っていると思います。実車の画像と見比べると、プロポーションは良くできていますし、グリル上のマスコット、装飾で(無駄に)湾曲したバンパー、ボディサイドのカーブを描いたモールライン、墨入れされたボンネットのルーバーなど細かいところも良く再現されています。

 

 室内もあっさりですが、そこそこ再現されています。(倒してあるウインドスクリーンの左側に付いている取っ手のような物は?です) ただあまり好ましくない点もあります。それはボディ全体をプラスチックで成形していることです。軽いので安っぽい感じがして、後々に変形する可能性があるのが心配です。イクソはこのようにボディ全体をプラスチックで成形することがたまにあります。(曲面的なフェンダーを持つボディの場合が多いので、ダイキャストでは成形しにくいのかもしれません)

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クリックするとコクピット部分の拡大画像に変わります
   
 今回発売されたミュージアムシリーズ6点は全てミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」向けに作られた物でした。紹介した2点以外のモデルはイクソでの発売前にオークションで購入しました。それぞれは既にレビューとして紹介済みですので、カラーリングや細部の仕上げは違っていますが、おおよそは同じですので詳細は以下のリンクを見て下さい。
MUS039 ラゴンダ、MUS040 ディムラー ダブル シックス 、MUS041 ヴォアザン C28、MUS042 ミネルバ  AL
   
以下は2/15 作成  

IXO MUS037 AUBURN BOAT TAIL ROADSTER 1933 1/43

auburn boat tail 1933

 イクソの新製品オーバン ボートテールです。インディアナ州オーバーン市で馬車を製造していたエッカート兄弟が、1900年にオーバーン自動車会社を創立しました。1920年頃まで平凡ながら信頼性の高い車を生産していましたが、経営不振に陥ります。自動車ディーラーの経営者エレット ローバン コードがこの会社を立て直し、後のオーバーン、コード、デューセンバーグを有する企業グループ「コード帝国」の前身としました。コード帝国でオーバーンは大衆向けの高性能車でした。

 

 オーバンというとコクピットとボディ後部がボートの形状になっているボートテールが定番のスタイルです。(4ドア セダンなども有るのですが、地味です) 今回モデル化されたのは年式からみて、12-160というモデルです。V型12気筒6.4L(160HP)エンジンを搭載し、最高速160km/hの性能でした。なお1935年に登場した8気筒4.6L(150HP)スーパーチャージャー付エンジンを搭載した851がオーバンでは一番有名です。851のモデルは既に(マッチボックスやウエスタンモデルなど)あるので、あえてこの12-160をモデル化したのでしょう。(851と同じ派手なスタイルで、うまい車種選択です)

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オーバン 12-160 実車の画像

auburn boat tail 1933  このミニカーは元々はフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」向けに数年前に作られた物です。雑誌の物はカラーが白で緑色のラインが入っていますが、こちらは黒で銀色のラインに変えてあり、個人的にはこのカラーリングの方が好きです。1/43としては良く出来たワイヤースポークホイールの造形、エッティングパーツのワイパーなど雑誌の物より仕上げが良くなっています。この辺のクオリティは最近のもっと値段の張るミニカーよりきちんと作ってあり、量産で安定した品質のミニカーを作るという点でイクソは他社より優れています。

 

 サイドビューを見るとボンネット部分がやや高くなっているように感じますが、正面から見た時の迫力を増す為のデフォルメだと思います。(マスコットが無いのは少し残念) 銀色のラインが収束して黒/銀で塗り分けられたリアエンドのスタイルは、実車に忠実に出来ていて魅力的です。またオープンカーですので、室内もある程度再現されています。オーバンの1/43モデルとして、値段も含めて合格点以上の出来映えです。

マウスカーソルを画像上に載せると後方からの画像に変わります
クリックするとボディ後部の拡大画像に変わります
 
   
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