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WALKER VAN EV 1919 USA |
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![]() MATCHBOX Y29 1/51 80㎜
実車諸元 画像参照
ウォーカー バン 電気自動車 アメリカ 1919
ウォーカー モータービークル社(WALKER MOTOR VIHICLE COMPANY)はアメリカのシカゴで創立され1907年に電動トラックの生産を始めました。同社はいくつかの異なる会社に買収されましたが、1942年までさまざまな電気自動車(商用バン/トラック)を製造しました。これらの電気自動車は定格電圧66-88Vの電池(40Ah)を搭載し、電動モーター(3.5HP)で車両を駆動していました。最高速度は16-20km/hほどで、満充電で走行できる距離は約60-90㎞でした。ウォーカーの電気自動車はアメリカ全土とイギリスやニュージーランドでも販売されました。
画像のミニカーは1919年式のウォーカー電気自動車で、イギリス ロンドンの老舗デパート ハロッズ(HARRODS)で商品配送用に使用されていた電動バンをモデル化しています。ハロッズはこの電動バンを60台保有していました。当時配送業務にはまだ馬車が使われていましたが、馬は飼育に手間がかかる上に路上で排泄するので非衛生でした。その点電動バンは配達完了後に充電機に接続するだけでよかったので、配送業務用として重宝されたようです。なお当時の内燃機関(ガソリン)自動車はエンジン始動/変速機操作など運転が難しかったのですが、電気自動車は前後進のレバー操作だけで簡単に運転できたようです。
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ミニカーは1985年に発売されたマッチボックス製です。最近レストアされたと思われる実車の写真がWEB上にありましたが、フロントに表示されたナンバー「LW6737」がミニカーと同じですので、この実車をモデル化しているようです。(実車画像→ ウォーカー バン 1919) 実車写真と見比べてみると、ミニカーはカラーリングやハロッズのロゴまでかなりリアルに実車を再現してありとても良く出来ています。ハロッズのコーポレートカラーであるオリーブのカラーリングはややくすんでいますが、レストア前はこんな感じだったのではないかと思います。なおウォーカーの量産ミニカーはこれしか無いようです。 以下はフロント/サイドの拡大画像と運転席周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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MACK AC TANK TRUCK 1920 USA |
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![]() MATCHBOX YYM38044 1/60 115㎜
実車諸元 画像参照
マック AC タンク トラック アメリカ 1920
アメリカのトラック専業メーカーのマック トラック社は1902年にマック ブラザーズ社(THE MACK BROTHERS COMPANY)として起業しました。最初はバスを製造し、1907年に最初のトラックを製造しました。同社は全ての部品を自社開発して品質管理を徹底することで、信頼性と耐久性を確保していました。その為1914年に登場したAB型トラックは故障が少ないことでヒットしました。
1916年に登場したAC型は、マックの名前を有名にした優れたトラックでした。AC型の最大の特徴はラジエーターをエンジンとキャビンの間に配置したことでした。この配置は当時のルノーも採用していましたが、跳ね石などによるラジエータの破損を防ぐことができました。またデフユニットをフレーム内に内蔵し後輪をチェーン駆動しています。この方式は過大な負荷がかかった時にチェーンが破損することで、それ以上の破損を防ぐことができました。当時のトラックはオフロードなど過酷な環境で使われており、故障の少ないマック トラックは頑丈であるという定評を築きました。AC型は1938年まで長く生産されました。
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1922年にマック トラック社となり、ブルドッグが同社のシンボルとなりました。1930年代になると大型のBシリーズとFシリーズ(キャブオーバー)と中型のEシリーズが主流となり、市場で高く評価されました。1938年に大型ディーゼルエンジン(6気筒8.5L)を自社開発しています。1940年にはLシリーズが登場し、1950年代までマックの代表的なトラックとなりました。 |
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ミニカーはマッチボックスのマニア向けYESTERYEARシリーズで、2000年頃に発売されました。AC型のTEXACO タンク トラック(タンクローリー)をモデル化しています。実車の雰囲気が良く再現されていて、黒と赤のカラーリングがきれいです。キャブ手前の金色の部分がラジエータで、後輪のチェーン駆動部分も塗装でそれらしく仕上げてあります。マッチボックスはAC型の消防車やパネル バンなど約10種類をモデル化しています。古いマック トラックはフランクリン ミントやヤトミンでもモデル化されています。 | |
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AHRENS FOX R-K-4 FIRE ENGINE 1924 USA |
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![]() DELPRADO WORLD FIRE ENGINES No.7 1/64 104mm (梯子も含めると125㎜)
実車諸元 画像参照
アーレンス フォックス R-K-4 消防車 アメリカ 1924
アーレンス フォックス社はアメリカのオハイオ州を拠点とする消防車メーカーでした。同社は1910年にジョン P.アーレンス(John P.Ahrens)とチャールズ H.フォックス(Charles H.Fox)によって設立され、1911年に最初のエンジン付き消防車を製造しました。その翌年には馬が引く馬車式消防車の生産が終了し、その後1970年代までに1500台以上の消防車が製造されました。アーレンス フォックス社の消防車は消防車のロールス ロイスと呼ばれて信頼されてきました。同社は2020年現在もHME アーレンス フォックス社として消防車を製作しています。(参照サイト→ HME アーレンス フォックス社 ホームページ)
画像のミニカーは1920年代に製作されたR-K-4 消防車をモデル化しています。1920年代のアメリカでは既に高層ビルが建築されていました。その為消防車には高所まで放水できることが要求され、アーレンス フォックス社の消防車は他社よりこの能力が優れていたそうです。ボンネットの前に付いているのが2気筒の送水ポンプ(毎分2270Lの送水量)で、その上にあるメッキされた球体は送水ポンプの圧力変動を滑らかにする為のエアチャンバーです。当時の消防車は送水ポンプを車体中央/後部に装備している場合がほとんどだったので、ボンネットの前に装備された送水ポンプとその上のエアチャンバー(球体)はアーレンス フォックス社の消防車の特徴でした。4気筒11L(130HP)ガソリンエンジンで後輪を駆動し、このエンジンで送水ポンプも駆動しました。後部には水タンク、消防用ホース、はしごを装備しています。
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ミニカーは2003年に発売されたデルプラド製の「世界の消防車」の1台です。実車が大きいので縮尺1/64でモデル化されています。メーカーは明記されていませんが、アメリカのAMERCOM-HOBBYというメーカーの消防車シリーズに同じ物がありますので、それを流用しているようです。安価な雑誌付きミニカーでサイズが小さいので、あまり細かいところまでは再現されていませんが、R-K-4 消防車の特徴である送水ポンプやエアチャンバーはきちんと再現されています。はしごや消防用ホースもサイズが小さいですがそれなりに再現されています。当時の定価は2000円以下でしたから、値段を考えると良く作ってあると思います。これ以外のアーレンス フォックス 消防車のミニカーはヤトミンの1/24、シグネチャーの1/43、マッチボックスの1/43、フランクリン ミントの1/32などがあります。 以下はフロント/リアなど各部の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下は1993年に発売されたフランクリン ミント製のアーレンス フォックス R-K-4 消防車 1922 (1/32 型番TL77)の画像です。上記と同じ消防車をモデル化していますが、こちらは1/32ですので全長205㎜(後方に伸びたはしごも含めると250㎜)と大きなサイズになっています。フランクリン ミントの標準的な縮尺は1/24なのですが、1/24だとサイズが大きくなりすぎるので1/32としたようです。サイズが大きいので細かいところまで再現されていて、かなりレベルの高い出来ばえです。ダッシュボード(スカットル)や床に張られたパネルにはプラスチックではなく本物の木が使われています。このように量産ミニカーに本物の木を使っているのは、私の知る限りではフランクリン ミントぐらいしかありません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はフロント/リアの拡大画像です。送水ポンプ周りのバルブやメーターなどは実にリアルにできています。ボディ側面についている黒い消防ホースは取り外しが可能で、本物のような柔らかい樹脂でできているので曲げることもできます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はボンネットを開いたエンジンルームと俯瞰/床下部分の画像です。ボンネットを開くと4気筒エンジンがリアルに再現されています。 床下の構造も良く再現されていて、前輪はステリングホイールで操舵できるギミック付きです。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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FORD LINCOLN MODEL L SPORT PHAETON 1928 USA |
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![]() RIO 50 1/43 132㎜
実車諸元 画像参照
フォード リンカーン モデル L スポーツ フェートン アメリカ 1928
精密機械エンジニアのヘンリー リーランドはこの当時のアメリカ製高級車(キャディラックとリンカーン)の成立に深く関わっていた人物でした。彼は1902年にキャディラック社が創立された際の技術責任者で、彼がキャディラック社の高品質な車造りを推進しました。そのキャディラック社が1909年にGM傘下となった後も、技術責任者としてキャディラックをGMの最高級車に育て上げました。しかしその後GM首脳と対立してGMを辞職し、1917年に「リンカーン モータ」社を設立しました。
最初のリンカーン モデル LはV型8気筒5.9L(90HP)エンジンを搭載した高級車で1921年に登場しました。(リンカーン 1921年式 実車画像) この車はV型8気筒エンジンを搭載したキャディラックより高性能で高品質な車として脚光を浴びましたが、デザインが良くなくてあまり売れませんでした。(リーランドはデザインには無頓着でした) その為業績不振だったリンカーン社は1923年にフォード社に買収されました。ヘンリー フォードは高級車リンカーンの買収にあまり賛成ではなかったそうですが、息子のエドセル フォードがリンカーンをフォードの最高級車に育て上げることになりました。
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モデル Lは、エドセルが有名なコーチビルダーにボディを架装させるようになり、1928年には排気量を6.3L(90HP)に拡大しました。1930年には新型のV型8気筒6.3L(125HP)エンジンを搭載したモデル Kにモデルチェンジしました。(リンカーン モデル K 実車画像) GM キャディラックは1930年には世界初のV型16気筒7.4Lエンジンを搭載したモデル 452を登場させました。この車に対抗してリンカーンも1931年にV型12気筒7.3Lエンジン(150HP)を積んだモデル KBを登場させました。この当時のリンカーンは大衆車メーカー フォード社の車ということで、高級車としてはまだキャディラックにかなわなかったようです。 |
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![]() ![]() 以下は上記のバリエーションで幌を畳んだリンカーン スポーツ フェートン (1/43 型番51)の画像です。畳んだ幌以外の違いはなく、基本的には色違いです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は1990年頃に発売されたフランクリン ミント製のリンカーン ツーリング 1927 (1/43 型番PT93)の画像です。フランクリン ミントの「The World`s Great Classic Cars」というシリーズの1つで、このシリーズは戦前の高級車を12種類モデル化していますが、いずれも良い出来ばえでした。このリンカーンも実に良い出来ばえで、ドアが開閉し、ボンネットを外すとV型8気筒エンジンが再現されています。精密に出来ていながらも、ビンテージ ミニカーの味わいを感じさせてくれるフランクリン ミントの1/43は私の好きなミニカーです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はボンネットを取り外したエンジンルームの画像と室内の画像です (1/43 型番PT93)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はダイヤペットのリンカーン ロードスター 1927 (1/25 型番G123)の画像です。ダイヤペット製のクラシックカーシリーズ(1/30)の1つで、1979年に3種類が発売されました。これ以外にロールス ロイス ファントム I 1927、デューセンバーグ J 1930がありました。フランクリンミント製の大スケールのクラシックカーと比べると出来ばえはやや見劣りしますが、ダイヤペットとしてはかなりリアルに仕上げてあり、結構良く出来ています。なおこのシリーズは全て運転席のレバー操作でライトが点灯するというギミックもついていました。(単3電池2本を使用します) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はヘッドライト点灯/ボンネットを外したエンジンルーム画像と室内の画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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FORD A COUPE 1928 USA |
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![]() MINICHAMPS 400082102 1/43 93mm
実車諸元 画像参照
フォード A型 クーペ アメリカ 1928
1908年から20年間基本設計を変えずに1500万台も作られてきたT型 フォードも、パワフルなエンジンや新しい機能を次々に追加して追い上げてくるGM シボレーに対抗して、ついにモデルチェンジしました。1927年に発表されたA型はT型と共通する部品がない全くの新型で、エンジンは4気筒3285cc(40HP)にパワーアップして最高速は105km/hとなり、4輪ブレーキを採用していました。遊星ギアを用いた特殊な半自動変速機は、一般的な3段の手動変速機に変わりました。
T型同様にクーペ、ロードスター、フェートン、カブリオレ、4ドアセダンなど様々なボディ形式がありました。また実用一点張りだったT型の安っぽいイメージを払拭する為、エドセル フォードの肝いりで上述した上級車リンカーンをイメージさせるようなデザインが採用されました。大恐慌前の好景気でA型は大ヒットしましたが、ライバルのシボレーも好調だったので、販売台数ではシボレーに及びませんでした。6気筒エンジン搭載のシボレーに対して、4気筒エンジン搭載のA型は販売戦略的にハンディがありました。そこで1932年にA型は改良された4気筒3.3L(50HP)エンジン搭載のB型とV型8気筒 3.6L(65HP)エンジンを搭載したモデル 18(通称V8)にモデルチェンジしました。A型の総生産台数は約480万台でした。
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ミニカーは2004年に発売されたミニチャンプス製です。フォード100周年記念12台セットの一つとして発売され、後に2009年に単体でも発売されました。洒落れたデザインの2ドア クーペをモデル化しています。ミニチャンプスらしいそつのない良い出来ばえです。T型の実用車的なデザインからセンスの良いデザインに変わってるのがミニカーでもわかります。これ以外のA型のミニカーは、マッチボックスのクーペと商用バン、フランクリン ミントの2ドア セダン 1/24、ブッシュの商用車 AA型 1/87などがあります。A型の後継車であるV8のミニカーは結構あるのですが、商用車以外のA型のミニカーは少ないです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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