ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

GM CADILLAC 90 FLEETWOOD LIMOUSINE (V18?) 1939 USA

GM CADILLAC 90 FLEETWOOD LIMOUSINE (V18?)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM CADILLAC 90 FLEETWOOD LIMOUSINE (V18?)


ALTAYA VOITURES CLASSIQUES No.46 1/43 全長137mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.76m 全幅約2m エンジン 変速機: V型16気筒 7L 185HP 3段変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでキャディラック 戦前のミニカー検索

GM キャディラック 90 フリートウッド リムジン (V18?) アメリカ 1939年

 

 1938年にモデルチェンジしたキャディラックは次の1940年代への先駆けとなる斬新なデザインとなりました。当時流行した流線型を取り入れつつ、リアフェンダーやトランクの形状が近代的な3ボックス スタイルに変わろうとしていました。1938年式にはサイドバルブ式を採用した新しいV型16気筒エンジンが登場しました。このエンジンはVバンク角を従来のOHV方式90°から135°に広げ、従来の半分の部品で構成されていました。排気量は7Lと少し小さくなりましたが、185HPに性能は向上していました。このエンジンは高さが低くなったので、ボンネットを下げたボディデザインが可能となり重心が下がったことで操縦性が良くなりました。このエンジン搭載車は1940年まで生産されました。

 

 このミニカーがモデル化しているフォーマルなリムジンは用途が限られるので、実車は極めて希少な車でした。当時の特注仕様のキャディラックはGM傘下となったコーチビルダーのフリートウッドがボディを架装していましたが、この頃になるとかなり近代的なデザインになっていました。オプション装備にはラジオ(約70$ 現在の貨幣価値で約35万円)やヒーター(約30$)がありました。当時のラジオはかなり高価だったようです。

 

 

 ミニカーはフランスのミニカー付雑誌「VOITURES CLASSIQUES」シリーズのNO.46でメーカーはALTAYA(イクソ)です。全体的なプロポーション、クロームメッキの大きなフロントグリル、クロームモール処理、室内などよく出来ています。この時代の重厚なアメリカ製最高級車を見事に再現した魅力的なミニカーに仕上がっています。 なおこのミニカーは車名がV18と表記されています。V型18気筒エンジンのキャディラックなど無かったはずですから単なる間違いと思うのですが、それにしても底板にまでしっかりと明記されているので何か意味があるのかもしれません。そう思って散々調べましたが、結局該当する情報はなかったので、やはり間違いなのでしょう。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GM CADILLAC 90 FLEEDWOOD (V18?) LIMOUSINE 1
GM CADILLAC 90 FLEEDWOOD (V18?) LIMOUSINE 2

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FORD LINCOLN ZEPHYR CONVERTIBLE 1939 USA

FORD LINCOLN ZEPHYR CONVERTIBLE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN ZEPHYR CONVERTIBLE


SIGNATURE 32333B 1/32 全長160mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.2m エンジン 変速機: V型12気筒 4.4L 110HP 3段変速
性能: 最高速145km/h  データーベースでリンカーン ゼファーのミニカー検索

フォード リンカーン ゼファー コンバーチブル アメリカ 1939年

 

 GMの中級車(ビュイックやオールズモービルなど)に対抗してフォードは1935年にリンカーンの廉価版リンカーン ゼファー(V型12気筒4.4Lエンジン)、1938年に新ブランドのマーキュリー(V型8気 4Lエンジン)を発売しました。リンカーン ゼファーはフェンダーに埋め込まれたヘッドライトなど空気力学に基づいてデザインされた流線形ボディを備えた先進的な車でした。4ドアセダン/コンバーチブル、2ドアセダン/クーペ/コンバーチブルのボディ形式がありました。8気筒エンジンを搭載していたライバルのキャディラックやパッカードの廉価版に対して、V型12気筒エンジンを搭載していたのは優位でした。

 

 ゼファーは初年度に約15000台が販売され、リンカーン ブランドの販売台数の大半を占め、大ヒットしました。1941年以降は全てのリンカーンはゼファーをベースにしたモデルになりました。その為ゼファーという名前は戦前に使われただけで、戦後はリンカーンに統合され使われなくなりました。リンカーン ゼファーは「アメリカで最初に成功した流線型デザイン」といわれ、同時期に流線型を打ち出して失敗したクライスラーエアフローとは違い傑作車として高く評価されています。

 

 

 ミニカーはシグネチャー製のクラシックカーシリーズで、2007年頃に購入しました。フロントグリルが大幅に変更された1939年式のリンカーン ゼファー コンバーチブル クーペをモデル化しています。このクラシックカーシリーズは1/32と中途半端な縮尺ですが、そのサイズを生かしてドア/ボンネット開閉などのギミック付きで室内やエンジンもそこそこ再現してありました。このゼファーもプロポーションが良く、実車の流線形ボディがうまく再現されています。室内やエンジンなどの細かいところもきちんと作ってあり、さらに前輪の操舵ギミック(ステアリングホイールとは連動しない)まで付いています。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD LINCOLN ZEPHYR 1
FORD LINCOLN ZEPHYR 2

 以下は前輪操舵ギミック動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN ZEPHYR 3

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GRAHAM PAIGE MODEL 97 ROADSTER 1939 USA

GRAHAM PAIGE MODEL 97 ROADSTER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GRAHAM PAIGE MODEL 97 ROADSTER


VOITURES CLASSIQUES (IXO ALTAYA) 13 1/43 全長123㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.2m 全幅約1.9m エンジン 変速機: 6気筒 3.6L スーパーチャージャー 116HP 3段変速
性能: 最高速 不明  データーベースでグラハムのミニカー検索

グラハム ペイジ モデル 97 ロードスター アメリカ 1939年

 

 アメリカでトラックを生産していたグラハム社が乗用車を生産する為に、乗用車メーカー ペイジ社を買収しグラハム ペイジ社が1927年に設立されました。グラハム ペイジ社は主として6気筒エンジン搭載車を生産していました。1932年に8気筒エンジン搭載のブルーストリーク(BLUESTREAK)などを登場させますが、この車は売れず1936年に8気筒エンジン車がなくなりました。その頃に戦前の日産自動車がこの会社の旧型の生産設備を買い取り、その設備でをダットサン 70型を生産しており、日本ではこの件で同社の名前が知られています。(実車画像→ グラハム ペイジ ブルーストリーク 1932)

 

 1938年に「Spirit of motion」と称するフロントグリルやフェンダーを前方に突き出したデザインの車が登場しました。このデザインは「シャークノーズ(SHARK NOSE:鮫の鼻)」とあだ名され、インパクトがある外観の為、同社の代表車種として知られています。このデザインのモデル 97は6気筒3.6Lスーパーチャージャー付(116HP)エンジンを搭載していました。ただこの「シャークノーズ」デザインは不評でほとんど売れなかったそうです。その後1940年にハリウッドという名前の車が登場しました。この車は倒産したコード 810のボディなど他社の部品を寄せ集めたもので、これも売れず同社最後のモデルとなりました。1941年に生産を停止し、1947年にカイザー フレーザー社に吸収合併されました。(実車画像→ グラハム ペイジ ハリウッド 1941)

 

 

 ミニカーはフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」のNo.13として作られた物でイクソ製です。1938年に発表されたグラハム ペイジ モデル 97 ロードスターをモデル化しています。当方はオークションで入手しましたが、同じ型でカラーリングなどを変更して2008年にイクソの型番MUS013でも発売されました。ミニカーの出来ばえとしては「VOITURES CLASSIQUES」シリーズの標準的なもので、特徴的な突き出したノーズやフェンダー上に組み込まれたヘッドライトなどがうまく再現されています。室内もインパネの中央に当時のラジオらしき物?が再現されているなど良く出来ています。これ以外のグラハムのミニカーとしてはBROOKLIN(ホワイトメタル製)、NEO(レジン製)などがありました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GRAHAM PAIGE MODEL 97 ROADSTER 1
GRAHAM PAIGE MODEL 97 ROADSTER 2

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FORD WOODY WAGON  1940 USA

FORD WOODY WAGON
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD WOODY WAGON


ERTL 2517 1/43 全長117mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m 全幅約1.7m エンジン 変速機: V型8気筒 3.6L 90HP 3段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでフォード ウッディのミニカー検索

フォード ウッディ ワゴン アメリカ 1940年

 

 ステーション ワゴンとは車体が2ボックスで室内には座席とそれに連続する荷室を備えている車体形式を示します。ワゴンの前にステーション(駅)が付いている理由は、当初この形式の車が列車で駅に到着した人と荷物を最終的な目的地まで運ぶ役割をしていたからだそうです。この形式の車両は商用車として扱われていましたが、それを乗用車的に使うことを最初に提唱し積極的に進めたのはアメリカのフォードでした。1910年代にフォードがT型に初めてステーションワゴン的なモデルを製作しましたが、当時の車体はまだ手作業による木製でしたのでこの車は「ウッディ(Woody)」と呼ばれていました。

 

 その後鋼鉄製ボディがあたりまえの時代になると、製作に手間がかかる木製ボディは高級な仕様となって行きました。少し前までステーションワゴンの後部に木製パネル(又はそれに似せた化粧パネル)が使われていたのはその名残りです。このウッディ ワゴンはV型8気筒3.6Lエンジンを搭載した1940年式フォードのステーションワゴンです。ウッディ ワゴンという名前のとおり荷室部分に本物の木材が使用されていました。1940年頃にはボディは既に鋼鉄製となっていたので、手間がかかる本物の木材を使ったこのワゴンは高級な乗用車でした。

 

 

 ミニカーは1987年に発売されたアーテル(ERTL)製です。初期のアメリカ車をモデル化したアーテルの「VINTAGE VEHICLES」シリーズの1台です。ドアに「WHISPERING PINES LODGE」とロゴが付いていますが、「WHISPERING PINES LODGE」とはコテージタイプの宿泊施設(ホテル)の名前のようですから、これはホテルの送迎車だと思われます。1940年式フォードの特徴である突き出したノーズ/フロントグリルやフェンダーに埋め込まれたヘッドライトが良く再現されています。後部の木材風の仕上げもそこそこリアルで当時のミニカーとして良く出来ていました。同時期のフォード ウッディ ワゴンのミニカーはダンバリーミントの1/24、ヤトミン、ミニチャンプス、ホットホイールの1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD WOODY WAGON 1940 1
FORD WOODY WAGON 1940 2

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PACKARD 180 DARRIN CONVERTIBLE 1941 USA

PACKARD 180 DARRIN CONVERTIBLE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PACKARD 180 DARRIN CONVERTIBLE


SIGNATURE 32398 1/32 全長169mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.4m 全幅約1.95m エンジン 変速機: 8気筒 5.8L 160HP 3段変速
性能: 最高速136km/h?  データーベースでパッカードのミニカー検索

パッカード 180 ダリン コンバーチブル アメリカ 1941年

 

 アメリカのの自動車デザイナー ハワード ダリン(Howard A. Darrin)は、友人のトーマス ヒバード(Thomas L. Hibbard)と共同で、コーチビルダー ヒバード&ダリン社を1923年にフランスのパリで創立しました。ヒバード&ダリン社はヨーロッパに住むアメリカ人向けに高級車のカスタムデザインを架装していました。1937年に彼はアメリカに戻り、「パリのダリン(Darrin Of Paris)」という名前の会社でハリウッドの有名人(クラーク ゲーブルやアル ジョルソンなど)向けにカスタムデザイン車を約20台ほど架装しました。これらの車のほとんどはパッカードがベースでした。

 

 ハリウッドの著名人の車ということで、ダリンのパッカードは有名になっていきました。そこで1939年にパッカードはダリンと契約し、1940年のカタログにパッカード ダリン モデルが設定されました。1941年にはダリンのデザインした新型車クリッパーが発表されました。1941年末に太平洋戦争が勃発し、民間乗用車の生産が禁止されたので、パッカードも乗用車の生産を停止しました。パッカード ダリン モデルは1942年までに約50台ほどが生産されたようです。(半数はこのようなカブリオレだったようです) (実車画像→ パッカード クリッパー 1941)

 

 

 ミニカーは2008年頃に購入したシグネチャー製のクラシックカーシリーズです。このクラシックカーシリーズは縮尺1/32と中途半端なスケールでしたが、そのサイズを生かしてドア/ボンネット開閉などのギミック付きで室内やエンジンもそこそこ良く再現してありました。ただし1/18ほど精密ではなかったので、その分値段は控えめ(約3500円)で、財布の軽い私のお気に入りのシリーズでした。このパッカード ダリンもプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。また細かいところも値段以上にきちんと作ってありました。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きで、エンジンや室内も良く再現されていました。さらにステアリングホイールと連動しませんが、前輪操舵ギミックも付いていました。これ以外のパッカード ダリンのミニカーはフランクリン ミントの1/24、ウエスタンモデル(ホワイトメタル製)、最近のMATRIX(レジン製)などがあります。 以下はフロント(ペリカン マスコット拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランクを開いた画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PACKARD 180 SUPER EIGHT FORMAL DARRIN 1
PACKARD 180 SUPER EIGHT FORMAL DARRIN 2

 以下は前輪操舵ギミック動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PACKARD 180 SUPER EIGHT FORMAL DARRIN 3

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