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アルファ ロメオ カラボ ベルトーネ イタリア 1968年
アルファ ロメオ カラボは1968年のパリ サロンで公開されたデザイン コンセプトカーでした。直線的で鋭くとがったウエッジシェイプを基調にした極めて前衛的なデザインはベルトーネのM.ガンディーニによるものでした。シャーシはアルファ ロメオ ティーポ 33で、V型8気筒エンジンをミドシップ搭載していました。前方に跳ね上がるドアの開閉方式(シザードア)はこの車で初めて採用された目新しいものでした。ボディ後方はエンジンの排熱の為ルーバーで覆われていて、後方視界はそのルーバーの隙間から見るようです。このルーバーのモチーフはフロントノーズやボディ前後の下部にも反復されています。
特徴的な前方に跳ね上がるドアというと真っ先にランボルギーニ カウンタックが思い浮かびます。このシザードアはカラボが公開された3年後の1971年に発表されたランボルギーニ カウンタックに市販車として始めて採用されました。(カウンタックのデザインはカラボと同じM.ガンディーニでした) なおカラボという名前は昆虫のオサムシ(CARABIDAE)に由来していて、ボディカラーの緑とオレンジもその虫の色にあわせたようです。
ミニカーは1969年に発売されたソリド製の当時物です。ソリドらしいシャープな造形でカラーリングも含めて実車を忠実に再現したソリドの傑作でした。俯瞰した画像ではボディ全体が上から見てもウエッジシェイプになっていることが分かります。また跳ね上げ式のドア(シザーズドア)が開閉するギミック付きで、その動作はスムーズかつ開閉部の隙間も最小でソリドの鋳造技術の高さを示していました。(1960-1970年代のソリドやメルクリン等の可動部のあるダイキャスト製ミニカーの鋳造技術は、現在の可動部のないミニカーよりレベルが高かったと思います) ソリド以外の当時物ミニカーではディンキー(仏)、ポリトーイの1/25、マーキュリー、マッチボックスなどがモデル化しており、当時の実車の人気の高さを反映していました。エンジンなども再現しているポリトーイの1/25やディンキー(仏)の1/43も結構良い出来ばえでした。当時物以外ではスパーク(レジン製)とTOPMARQUES(レジン製 1/43と1/18)でもモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ 1750 ベルリーナ イタリア 1968年
アルファ ロメオ 2600の後継車として、1967年に1750 ベルリーナが登場しました。ジュリアのホイールベースを延長して室内を拡大し、ジュリアのエンジンを1779cc(122HP)に拡大したエンジンを搭載し最高速176km/hの性能でした。エンジン排気量が1779ccなのに名前が1750というのは、戦前の名車6C 1750に因んだものでした。ボディはジュリアをシンプルにしたようなスタイルで、ベルトーネのデザインだったそうです。
なお1750 シリーズには2ドアクーペのGTV、2シーター オープン仕様のスパイダーもありましたが、それらはジュリア シリーズのボディを流用していました。1971年にはエンジンを2L(132HP)に拡大した2000 ベルリーナ/GTV/スパイダーが追加され、ベルリーナはアルファ ロメオの最上級車として1977年まで生産されました。1750シリーズの後継車として1972年にアルフェッタが登場しました。アルフェッタの内外装を豪華にして2Lエンジンを搭載した高級仕様のアルフェッタ 2000が1976年に追加され2000 ベルリーナの後継車となりました。
ミニカーは2009年頃に発売されたスターライン製です。スターライン(STARLINE MODELS)は2005年に設立されたドイツのメーカーです。主に1950-1980年代のアルファ ロメオやフィアットなどのイタリア車のダイキャスト製ミニカーをモデル化しています。(2019年以降は新製品を出していないようですが) プロポーションが良く室内などの細部も結構リアルに出来ていたのですが、ヘッドライトが小さめなので肝心のフロントグリルの顔つきがいまひとつ似ていないのが残念でした。1750 ベルリーナのミニカーはこのスターライン製しかないようです。2ドアクーペの2000 GTVはソリド、ノレブ、プロゲットKなどがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フェラーリ 365 GTB/4 デイトナ イタリア 1968年
12気筒エンジンをフロントに搭載した後輪駆動車というフェラーリ創立以来の伝統を突きつめた究極の車がフェラーリ 365 GTB/4でした。ピニンファリーナによる空力を考慮したクーペ スタイルは、古典的なスポーツカーの粋を極めた美しさでした。また初期の透明カバーで覆った4灯式ヘッドライトのフロントグリルは独特の魅力がありました。このヘッドライトはアメリカの安全基準に合わせる為、1970年にリトラクタブル式に変更されました。DOHC V型12気筒4.4L(352HP)エンジンを搭載し5段変速で最高速280km/hの性能でした。
この車の愛称「デイトナ」とは1967年のデイトナ 24hでフェラーリ 330 P4が1-2-3フィニッシュを果たしたことから、同じ頃にデビューしたこの車がそう呼ばれるようになったそうです。365 GTB/4も1972年から1974年までルマンのGTクラスで3年連続クラス優勝するなど、レースで活躍していました。1973年まで生産され総生産台数は約1400台、そのなかの120台ほどがオープンのスパイダーでした。1973年に後継車の365 GT4 BBが登場しました。
ミニカーは1969年に発売されたソリド製の当時物です。初期型のデイトナをモデル化しています。プロポーションが正確で実車の雰囲気がうまく再現されていて、デイトナのミニカーとして当時としてはトップレベルの出来ばえでした。ボンネットとドアが開閉するギミック付きです。デイトナのミニカーはたくさんあります。これ以外の当時物ミニカーではリオがスパイダーを含めて約10種類ほどをモデル化していて、当時物以外では京商の1/18、1/43、1/64や、ディテールカー、イクソ、レッドライン(レジン製)などがあります。フェラーリ デイトナは私の一番好きなフェラーリでしたので、フロントや室内をよりそれらしくしたくて、このソリドのミニカーを何台か購入して改造を行いました。透明カバー内へのヘッドライトの追加やメーターパネルの自作まで行ったのですが、満足できるものができず中途半端で諦めました。結局そのような細かい部分はかなりリアルに作らないとかえって見ばえが悪くなることが分かりました。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
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フェラーリ 250 P5 (ベルリネッタ スペチアーレ) ピニンファリーナ イタリア 1968年
フェラーリ 250 P5は1968年のジュネーブ ショーで公開されたコンセプトカーで、330 P4のシャーシを使って12気筒エンジンをミドシップ搭載したGTカーを提案したものでした。レースカーのP3/P4のパワフルな造形をピニンファリーナ流の繊細なデザインに落とし込んだものでした。ただそれでもボディはダイナミックで、水平のベーンで覆ったリアは迫力があります。ドアはガルウイング式でノーズ先端のヘッドライトは7個の角形ライトを一体化したものでした。
P5登場から数か月後の1968年秋のトリノ ショーでは、フェラーリ P5の後継のフェラーリ P6が登場しました。(実車画像→ フェラーリ P6) フェラーリ P6はP5のデザインを現実的に発展させたもので、1971年に登場した365GT BBのベースとなリました。P6はP5に比べて直線的な面処理が目立ちますが、1969年に登場したコンセプトカー512Sではさらにこの傾向が進み、その後はウェッジシェイプのデザインが主流になっていきました。
なお1969年のパリ サロンで公開されたアルファ ロメオのコンセプトカー アルファ ロメオ 33/2 スペチアーレはP5とほぼ同じデザインでした。(実車画像→ アルファ ロメオ 33/2 スペチアーレ) アルファ ロメオのエンブレムを付けてヘッドライトを格納式に変更しリアの水平ベーンを取り外してありますが、基本的には同じデザインでした。P5を気にいったアルファ ロメオがピニンファリーナに依頼して、P5のボディをアルファ ロメオ 33のシャーシに載せ変えたものだったようです。なおアルファ ロメオはその前年の1968年には極めて直線的なデザインのコンセプトカー カラボ ベルトーネを公開していました。アルファ ロメオ 33/2は古典的な流線形デザインに別れを告げるべく、最後を飾る流線形デザイン車としてショーに送り出されたのだと思います。
ミニカーは1969年に発売されたポリトーイ製の当時物です。当時のポリトーイの廉価版であったEXPORTシリーズでしたが、プロポーションが良く個性的なフロント/リアがうまく再現されていました。またガルウイング式ドアが開閉し、リアには簡単ですがエンジンも再現され、メタル製ホイール(初期型)も結構リアルでした。なおこれはドア下部を着色してありますが、本来のオリジナルは無塗装(透明)でした。これ以外の当時物ミニカーとしては、このポリトーイをコピーしたオートピレン(ドアをリファインした物がある)、ディンキー(英)がありました。最近の物ではレッドラインやテクノモデルのレジン製があります。なおアルファ ロメオ 33/2 スペチアーレはマーキューリー、ナコラル(マーキューリーのコピー)、スパークがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランボルギーニ エスパーダ イタリア 1968年
ランボルギーニ ミウラに次いで1968年に登場したエスパーダは、ミウラと同じV型12気筒エンジンをフロントに搭載した4シーターのGTでした。エスパーダという名前はスペイン語で剣の意味で、これもミウラ同様にランボルギーニのロゴである闘牛に関連する名前でした。ボディ デザインはミウラと同じマルチェロ ガンディーニで、デザイン コンセプトカーのマルツァルのコンセプトを具現化した車でした。V型12気筒3.9L(350HP)エンジンを搭載し最高速260km/hの性能でした。
ミウラと違って見た目が地味なのであまり知られていない車ですが、1978年までに約1200台が生産されました。(当時のランボルギーニとしては売れ筋のモデルでした) 1970年にパワーステアリング、1974年にオートマチックが採用され、豪華で居住性の高い高性能GTでした。ランボルギーニ社の創設者フェルッチオ ランボルギーニはこのような居住性の良い高性能車を作りたかったそうで、実際に彼はエスパーダを愛用していました。(個人的な見解ですが、シンプルなデザインのエスパーダはランボルギーニの中で一番好きな車です)
ミニカーは1969年に発売されたポリトーイ製の当時物です。プロポーションが正確でフロントグリルや室内などの細部がよく再現されていて、当時のミニカーとしては実に素晴らしい出来ばえでした。ドア/ボンネット/リアハッチが開閉するギミック付きで、エンジンルームにはV型12気筒エンジンが再現され、室内には居住性の良さそうな独立した4座シートが再現されていました。以下で紹介している2004年に発売されたミニチャンプス製のエスパーダと見比べてみれば、この当時物が優れた出来ばえであったことが良く分かると思います。ただ実車があまり知られていなかったので、ポリトーイ初期のMシリーズのなかでもあまり人気がなかったモデルでした。これ以外の当時物ミニカーではジク(SIKU)とナコラル(NACORAL)がありました。当時物以外では、ミニチャンプス、オートアートの1/18、ルックスマート(レジン製)、京商の1/64などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア(ガラスハッチ開閉)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)