ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

SUBARU 360 1963 JAPAN

SUBARU 360
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SUBARU 360


EBBRO 43075 1/43 71mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3m 全幅約1.3m エンジン 変速機: 空冷2ストローク2気筒 360cc 18HP 3段変速
性能: 最高速90km/h  データーベースでスバル 360のミニカー検索

スバル 360 日本 1963年

 

 戦前に軍用機やそのエンジンを開発していた航空機メーカー「中島飛行機」は、戦後航空機開発が禁止されたことから、「富士産業」と名前を変えて民生品開発を始めました。進駐軍が使用していたスクーターを国産化し、1947年に「ラビット スクーター」と名付けて発売、このスクーターは使いやすかったことから人気を博しました。また航空機製造の技術を生かしてバスボディの架装を始め、1949年に日本初のモノコックボディのリアエンジンバス「ふじ号」を完成させています。その後富士産業は財閥解体の対象となり分社化されますが、1955年に中島飛行機系の6社が合併して、富士重工業株式会社が発足しました。富士重工業のシンボル「スバルの六連星」は、この6社合併を意味しています。

 

 富士重工業株式会社は普通乗用車の開発に着手し、1.5Lの4ドア車「スバル1500」の試作車を完成させましたが、採算面などの問題で市販化を断念しています。その後大人が4人乗れる軽乗用車開発に方針を変更し、1958年に市販されたのがスバル 360でした。 スバル 360は大人4人を乗せて最高速80km/hを出すという当時としては高いレベルを目指していたので、かなり高度な設計がなされていました。非力な空冷2ストローク2気筒360cc(16HP)エンジンで速度80km/hを達成するには、車体の徹底的な軽量化が必要でした。それを可能にしたのが特徴的な丸っこいモノコックボディで、元航空機メーカーとしての軽量化技術が生かされたのでした。

 

 

 強度を得る為にボディ全体が丸みを帯びており、強度の不要な屋根はFRP製、リアウインドーはアクリル製と徹底的な軽量化がされていました。(車重は385kgと非常に軽い) 駆動方式は前輪駆動も検討したようですが、技術的に時期尚早ということで、ドライブシャフトが不要なリアエンジン後輪駆動方式を採用しました。サスペンションは横置きトーションバーとコイルスプリングを組み合わせた、コンパクトで軽量な4輪独立懸架を採用していました。ステアリングはラック&ピニオン方式、タイヤは新規開発された10インチタイヤなどそこここに新規技術が採用されていました。

  1958年から販売された360は4人乗りで、3段変速、最高速度83km/hの性能でした。価格は約36万円で、軽量化と低コスト化の為、室内は簡素で最低限度の物しか装備されていませんでした。実用的な自動車として大ヒットし、360をベースにして1961年に発売した商用車サンバーも大ヒットし、スバルは自動車メーカーとしての基礎を固めました。その後コンバーチブル、商用バンなどが追加され、性能や装備を充実させて軽自動車のベストセラーを長く維持しました。1968年には36HPにパワーアップしたスポーツ仕様のヤングSSが登場しましたが、さすがに時代遅れとなり1970年に生産中止となりました。後継車はスバル R-2でした。この安価で本格的な軽自動車の登場で庶民には無縁の物と思われていた自動車が身近な物となりました。実際に私が中学生だったころ(1965年頃)、学校の先生がスバル360で通勤されていました。またその車が溝にはまった時に、大人が数人で持ち上げていたほど軽量でした。

 ミニカーは1999年に発売されたエブロ製で、1963年式をモデル化しています。開閉ギミック付ではないのですがフロント/リアパネルを別パーツとしているなど凝った造りで、細部も良く再現された良い出来ばえです。エブロはヤングSS、カスタム(バン)、サンバーもモデル化していて、さらに1/12の非常に良く出来た大スケールミニカーもありました。スバル 360の当時物ミニカーとしては1960年頃のミクロペットとモデルペットがありましたが、どちらも極めてレアなお宝です。当時物以外では1980年代にトミカでモデル化され、ダイヤペットからもアンチモニー製の限定生産品が作られました。その後エブロから上述の物が発売され、小スケールではコナミの1/64、トミカ リミッテドのセダン、カスタム、ヤングSS、レース仕様などが発売されました。最近では国産名車コレクション(ノレブ製)でモデル化され、その型を流用してノレブのルミノ ブランドからは珍しい初期型(1958年式 通称デメキン)と後期型(1967年式)が発売されているなど、たくさんのミニカーがあります。 以下はエブロ製のフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SUBARU 360 1
SUBARU 360 2

 以下は2006年に発売されたアシェト 国産名車コレクション製のスバル 360 (1/43 No.1)の画像です。メーカーはノレブで、雑誌付きミニカーながら上記のエブロ製とほとんど同じレベルの良い出来ばえです。ただフェンダーミラーの支柱部分が太すぎて異様に見えます。たぶん折れない為の補強でしょうが、すこしやり過ぎです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SUBARU 360 3
SUBARU 360 4

 以下はフロント/リアの拡大画像と、この国産名車コレクションの型を流用したノレブ製のスバル 360 初期型(1958年式 通称デメキン 1/43 型番800032)の画像です。(画像はNOREV WEBサイトから拝借)(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SUBARU 360 3
SUBARU 360 4

 以下は1988年に発売されたダイヤペット製のスバル 360 (1/40 型番1710)の画像です。タイヤも含めて全体がアンチモニー製でミニカーというよりも置物のようなものですが、細かいところまで結構再現されています。元々はスバル 360の発売30周年記念モデルとして作られたミニカーショップ イケダさんのオリジナル商品だったそうで、富士重工が広報誌上で販売したそうです。これはそれをダイヤペットがコレクションクラブ向けの限定生産品として一般市販したものです。これは無塗装ですが、イケダさんのオリジナルには青や白で塗装された物もありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SUBARU 360 3
SUBARU 360 4

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SUBARU 1000 1966 JAPAN

SUBARU 1000
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SUBARU 1000


JAPANESE CAR COLLECTION 20 1/43 92㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.93m 全幅約1.48m エンジン 変速機: 水平対向 4気筒 1.1L 55HP 4段変速
性能: 最高速130km/h  データーベースでスバル 1000/ff-1のミニカー検索

スバル 1000 日本 1966年

 

 スバル 360の成功を追い風にして小型車市場に進出する為に開発されたのが1000で、1966年に登場しました。360開発の際に時期尚早として見送った前輪駆動方式を採用したのが最大の特長でした。これには前輪を駆動する必須パーツである等速ジョイントが必要でしたが、東洋ベアリング(現:NTN)と共同で開発しています。エンジンは現在でもスバルの特徴である水平対向4気筒1.1L(55HP)で、これをフロントに縦置きに配置していました。4段変速、最高速度130km/hの性能でした。

 

 サスペンションは360と同じトーションバーを使った4輪独立懸架で、インボード ブレーキを採用するなど、独創性のある設計がされていました。前輪駆動方式のメリットで室内が広く、ボディのデザインもシンプルで開放的な良いデザインでした。 1967年に2ドアとバンが追加され、68HPにパワーアップして前輪ディスクブレーキを採用した高性能仕様のスポーツも追加されました。1969年にエンジンを1.1Lに拡大し、名前をff-1に変更しました。トヨタ カローラ日産 サニーとは一味違った小型車としてスバル車ファンを獲得し、小型車市場でスバルの基盤を固めました。1000は前輪駆動小型車の先駆けとして、アルファ ロメオのアルファスッドなどの欧州車がお手本としたほど技術的に優れた車でした。

 

 

 ミニカーは2006年に発売されたアシェット 国産名車コレクション製で、メーカーはノレブです。リアルなフロントの造形など実車の雰囲気がうまく再現されていて、室内などの細部もそこそこ良く再現されていて雑誌付ミニカーながらかなり良い出来ばえです。スバル 1000の当時物ミニカーはダイヤペットのアンチモニー製しかありませんでした。そのダイヤペット製の1000はff-1の登場後にフロントグリルを変更してff-1として再発売されていますが、ff-1の当時物ミニカーもそれだけでした。最近になって、コナミから2ドア、トミカ リミッテドからは2ドアと4ドアが発売され、エブロからは1000ではなくff-1のスポーツが発売されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SUBARU 1000 1
SUBARU 1000 2

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SUBARU R-2 1969 JAPAN

SUBARU R-2
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SUBARU R-2


DIAPET 195 1/40 77㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3m 全幅約1.3m エンジン 変速機: 空冷2ストローク2気筒 360cc 30HP 4段変速
性能: 最高速115km/h  データーベースでスバル R-2のミニカー検索

スバル R-2 日本 1969年

 

 1967年に登場したホンダ N360の大ヒットに続き、スズキ フロンテやダイハツ フェローなどが登場しスバル 360は時代遅れになり、後継として1969年に登場したのがR-2でした。360の基本構造を継承しながら、ホイールベースを120mm延長し居住性を向上させ、フロントにトランクスペースを追加していました。ボディは全鋼製のモノコックで、360のイメージを近代的にしたセンスの良いデザインでした。エンジンは360のシリンダーをアルミ合金製に変更して30HPにパワーアップしていました。4段変速、最高速度115km/hの性能でした。

 

 1970年に36HPにチューンしたエンジンを搭載したスポーツ仕様のSSが追加されました。1971年のマイナーチェンジでは標準エンジンが32HPにパワーアップされ、さらにエンジンを水冷化したLシリーズや、豪華で高性能なGSSが追加されました。発売当初のR-2は結構売れたものの新車効果がなくなると販売が鈍り、エンジンのパワーアップや水冷化で盛り返そうとしたようですが、効果はあまりなかったそうです。そんな訳でR-2は3年間生産されただけで、1972年に水冷エンジンの後継車レックスに切り替わりました。

 

 

 ミニカーは1970年に発売されたダイヤペットの当時物です。プロポーションが良いので実車のイメージがうまく再現されていて、当時のミニカーとしてかなり良い出来ばえです。ドア開閉ギミックが付いています。その他の当時物ミニカーとしてはトミカもありました。当時物以外では、京商のポリストーン製 1/43、エブロなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SUBARU R2 1
SUBARU R2 2

 スバル R-2の後継車のレックスも含めて、1970-1972年に発売された当時の軽自動車をダイヤペットが廉価版チェリカ100シリーズ(1/30)でモデル化していたので、それらの画像を以下にまとめてみました。(ダイハツ フェローはミニカーが無いので、実車の画像です)  現在の軽自動車とは隔世の感がありますが、 当時の軽自動車はいずれも実に個性的で、非常に懐かく思い出しました。
SUBARU REX 1972

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SUBARU LEONE COUPE 1971 JAPAN

SUBARU LEONE COUPE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SUBARU LEONE COUPE


DIAPET CHERICA 100-1 1/40 101mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 水平対向4気筒 1.4L 93HP 4段変速 3段自動変速
性能: 最高速170km/h  データーベースでスバル レオーネのミニカー検索

スバル レオーネ クーペ 日本 1971年

 

 スバル 1000(ff-1)の後継車として1971年に登場したレオーネは、技術的に高度だったff-1を一般受けするように仕様を見直した車でした。水平対向エンジンによる前輪駆動という基本は同じでしたが、特長的だったインボードブレーキや前輪ウイッシュボーンサスペンションが一般的な形式に変えられました。ボディもロングノーズのクーペといった見た目重視のデザインに代わりました。水平対向4気筒1.4L(93HP)エンジンで、4段MT/3段AT変速、最高速度170km/hの性能でした。

 

 当初は2ドアクーペだけでしたが、2/4ドアセダン、2ドアハードトップが追加されました。1972年には商用車のエステートバンに4WD仕様が追加され、この車は世界初のジープではない乗用車タイプの4WD車で、その後のスバル 4WD車の始まりとなりました。1975年のマイナーチェンジで1.2Lエンジンが追加され、世界初の乗用車セダンの4WD仕様が設定されました。その後エンジンは1.4/1.6Lに拡大されました。1977年の大幅なマイナーチェンジでボディが拡大され、前後の意匠が変更されました。1979年にレオーネ 2代目にモデルチェンジしました。

 

 

 ミニカーは1973年に発売されたダイヤペットの当時物で、初期型のクーペをモデル化しています。これはダイヤペットの通常のシリーズではなく、廉価版として製作されたチェリカ100シリーズのものです。フロントグリル/バンパー/底板を一体化した構造でコストダウンしていますので、安っぽい作りですが、フロントグリルやサイドビューなどはなんとかそれらしく出来ています。ドア開閉ギミック付きです。レオーネ 初代のミニカーは最近までこれしか無かったので、その点では貴重なミニカーでした。2019年になって国産名車コレクション1/24でレオーネ 初代 エステートバン 4WDがモデル化されました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SUBARU LEONE 1
SUBARU LEONE 2

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SUBARU LEONE HARDTOP 1979 JAPAN

SUBARU LEONE HARDTOP
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SUBARU LEONE HARDTOP


DIAPET 1524 (G128) 1/40 108mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.98m 全幅約1.62m エンジン 変速機: 水平対向4気筒 1.8L 100HP 5段変速 3段自動変速
性能: 最高速170km/h  データーベースでスバル レオーネのミニカー検索

スバル レオーネ ハードトップ 日本 1979年

 

 1979年にスバル レオーネ 2代目が登場しました。シンプルなデザインでボディはひとまわり大きくなり、6ライトウインドーの4ドアセダン、2ドアハードトップ、エステートバン、ホイールベースを短縮した3ドアハッチバックのスイングバックが設定されました。スバル得意の4WD仕様はハードトップ以外に設定されていました。水平対向4気筒エンジンは1.4Lがなくなり、1.6Lと1.8L(100HP)が搭載され、5段MT/3段AT変速で、最高速度170km/hの性能でした。最上級の1800GTSにはスバル初のパワーステアリング/パワーウインドウ/オートエアコンが装備されていました。

 

 1981年のマイナーチェンジで、大型の角型2灯式ヘッドライトが角型4灯式に変更されるなど外観が変更されました。同じ年にその後のレオーネで売れ筋となるスポーティなツーリングワゴンが追加されました。1982年には4WD仕様に1.8Lターボエンジン(120HP)を追加し、その後もハードトップの4WD仕様化、4WDに油圧式車高調整機能の追加など、4WD車の車種拡大/機能追加が行われ、レオーネは4WD車がメインとなっていきました。1984年にレオーネ 3代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ スバル レオーネ 1984)

 

 

 ミニカーは1979年に発売されたダイヤペットの当時物で、2代目初期の角型2灯式ヘッドライトの2ドアハードトップをモデル化しています。初期型のやや癖のあるフロントグリルがうまく再現されているなど、当時のミニカーとして全体的に良い出来ばえでした。ただし車軸位置が低すぎて車高が少し高くなっているのが残念です。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。レオーネ 2代目のミニカーは最近までこれしかありませんでしたので、その点で貴重なミニカーでした。2019年になってスパーク(レジン製)が4ドアセダン 前期型、スイングバック 前期型、2ドアハードトップ 後期型、をモデル化しました。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SUBARU LEONE 1
SUBARU LEONE 2

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