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DKW (デー カー ヴェー) 750 ジュニア ドイツ 1959年
前述したDKW F91の後継車として下級グレードはDKW 750 ジュニア、上級グレードはアウトウニオン 1000がありました。1959年に登場した750 ジュニアのボディはフェンダーとボディが一体化しテールフィンが付いた戦後型の斬新なデザインでした。デザインは一新されましたが、中身は2サイクル3気筒(741cc 34HP)エンジンを横置き搭載した前輪駆動車で、DKW F91の構成をそのまま継承していました。2ドアセダンに加えて2ドアカブリオレが限定生産されました。デザインが良かったせいでしょうか、この車は商業的にかなり成功しました。
1961年に排気量を796ccに拡大したジュニア デラックスが追加され、ジュニアが置き換えられていきました。1963年にジュニア デラックスは排気量889cc(40HP)に拡大したF12に発展しましたが、外観はほとんど同じでした。また元の796ccエンジンを搭載したF11も設定されました。1963年には上級車アウトウニオン 1000の後継車とし3気筒1.2Lエンジンを搭載したF102が登場しました。その後1965年にアウトウニオン社がフォルクスワーゲン グループのNSU傘下となった時点でDKWブランドは消滅しました。 (実車画像→ DKW F102 1963)
ミニカーは1961年に発売されたテクノ製の当時物です。初期のDKW 750 ジュニアをモデル化しています。1950-1970年代に北欧デンマークのテクノは他社があまりモデル化しない北欧車(ボルボ、サーブ)を主にモデル化していて、独得の雰囲気がある高品質なミニカーを作っていました。このDKWは北欧車ではないですが、プロポーションが正確で実車の雰囲気がうまく再現され、60年も前に作られたとは思えないほど良い出来ばえです。流行りのテールフィンがついた当時の最先端であったデザインがよく分かります。なお1/43サイズより少し大きめで、1/40ぐらいで出来ています。テクノのミニカーは1960年代後半から凝った構造の前輪操舵ギミックが付くようになったのですが、このDKWにも簡単な前輪操舵ギミックが付いています。これ以外のDKW ジュニアのミニカーはジク(SIKU)初期の当時物(プラスチック製) 1/60、ノレブ初期の当時物(プラスチック製)、ヘルパとブレキナの1/87、ビテス、ミニチャンプスなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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NSU (エヌ エス ウー) スポーツ プリンツ ドイツ 1959年
前述したNSU プリンツのスポーツ仕様として1959年に追加されたのが、スポーツ プリンツでした。アルファ ロメオ B.A.T.をデザインしたフランコ スカリオーネがデザインしたスタイリッシュなボディの2+2座クーペでした。エンジンはプリンツと同じですので、性能的には最高速120km/hとプリンツ セダンと大差ありませんが、見た目はかっこ良かったのだとと思います。
同時期に販売されていた同じような性格のフォルクスワーゲン カルマン ギア クーペの半額という低価格で人気があったようです。1967年の生産中止までに約2万台が販売されました。1964年にこの車をベースにして、世界初のロータリーエンジン搭載車であるNSU スパイダーが誕生しました。
ミニカーはコーギーの当時物で1963年に発売されてました。この当時のコーギーのミニカーはまだスプリング サスペンションのギミックしか付いておらず、室内も簡易な造形で素朴な出来ばえです。ただ老舗ブランドですので、プロポーションはしっかりしていて実車のイメージを良くとらえています。当時物ミニカーはこれしかないようで、最近の物ではヘルパの1/87、ミニチャンプスなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とキャビンの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オペル カピタン (カピテーン) P2 ドイツ 1960年
前述したように1958年にオペル レコード P1が登場し、レコードの上級車のカピタンも1958年に同じようなラップラウンド ウインドウを持つデザインに変更され、カピタン P1となりました。カピタン P1は全長約4.76mの大型車で6気筒2.5L(80HP)エンジンを搭載し4段変速で最高速は142km/hの性能でした。わずか1年ほど生産されただけで1959年にカピタン P2にモデルチェンジしました。総生産台数は約3.4万台でした。(実車画像→ オペル カピタン P1 1958)
1959年にカピタン P2が登場しました。ボディが大きくなり、フロントグリルが横幅全体に広がり、ルーフが角ばったデザインとなりました。エンジンは6気筒2.6L(90HP)に拡大され、4段変速で最高速は150km/hに向上しました。1960年にGM製3段自動変速機が設定されました。1964年に後継車のカピタン A/アドミラル Aが登場し、生産中止となりました。総生産台数は約14万台でこのクラスのオペル車としては大ヒットでした。
車名の読み方ですがカピタン(キャプテン:艦長の意)は現在ではカピテーンと表記するのが正しいようですが、私にはしっくりこないので当サイトでは昔流にカピタンと記載しています。
ミニカーは1961年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。公称スケールの1/43より少し小さめに出来ているようです。60年も昔に作られたミニカーですのでフロントグリルや灯火は銀色塗装処理の素朴な作りですが、プロポーションがしっかりしていて、カピタン P2の特徴であるフロントグリルや角張ったルーフがきちんと再現されています。当時のミニカーとしては素晴らしい出来ばえだったはずです。 これ以外のカピタン P2のミニカーはノレブ初期のプラスチック製当時物、ジク(SIKU)の当時物、ポリトーイ初期のプラスチック製、ミニチャンプス、ブレキナの1/87などがあります。カピタン P1のミニカーはブレキナの1/87、スターライン、NEO(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード タウナス 17M (P3) カブリオレ ドイツ 1960年
1960年にタウナス 17M (P3)が登場しました、(P3とは戦後3番目に開発されたモデルという意味です) 楕円をモチーフにしてデザインされたボディに楕円形のヘッドライト/バンパーを配したデザインは斬新でした。楕円のモチーフは室内のインパネデザインにも使われていました。この楕円のモチーフはバスタブ(浴槽)に見えたらしくバスタブ タウナスとのあだ名が付きました。このデザインはアメリカ車のコピーから脱却した点が評価されたとのことですが、私はこのデザインに同時期のフォード サンダーバード 1961年式の影響を感じます。
2/4ドアセダン、3ドアワゴンがあり、少数ですがコーチビルダーが改造した2ドアカブリオレもありました。このワゴンにはTURNIER (ターニア)というフォード独自の名前が付けられ、この名前はヨーロッパ フォードのワゴンには継続して使われています。エンジンやサスペンションは先代の15M/17Mを踏襲し、4気筒1.5L/1.7Lエンジンはそのままでした。(1.5Lエンジン搭載車も名前は17Mでした) 1961年に4気筒1.75Lエンジンが追加されました。17Mは先代を大幅に上回る総生産台数約67万台で成功し、1964年にタウナス 17M/20M (P5)にモデルチェンジしました。
ミニカーは1996年に発売されたディテールカー製です。ドイツのコーチビルダー カール ドイッチュ(Karl Deutsch)がカスタマイズした17M (P3) カブリオレをモデル化しています。ディテールカーはイタリアのCDC社のブランドで、主にスポーツカーをモデル化していて当時としては良い出来ばえでした。この17M (P3)も特徴的なフロント周りの造形がうまく再現され、灯火類や室内などの細部もそこそこリアルです。これはカブリオレですが、ハードトップもモデル化していました。これ以外の17M (P3)のミニカーはディンキーの当時物、テクノの当時物、ノレブの当時物(プラスチック製)、ポリトーイの当時物(プラスチック製) 1/41、このディテールカーのOEMであると思われるソリドのカブリオレ、ミニチャンプスなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ 220SE カブリオレ (W111) ドイツ 1961年
現在のSクラスに相当するメルセデス ベンツ 220S (W128)の後継車として、220SE(W111)が1959年に登場しました。ボディは一回り大きくなり縦型ヘッドライトが採用された直線的なデザインになりました。当時のアメリカ車の流行を取り入れてリアフェンダーに小さなテールフィンがついていましたので、俗に「羽ベンツ」と呼ばれました。当初は4ドアセダンだけで、1961年に2ドアクーペ/カブリオレが追加されました。
クーペ/カブリオレはホイールベースがセダン(W111)と同じだったので、後席もセダン同様の居住性がありました。またテールフィンがセダンよりかなり控えめでしたので、セダンより上品でした。内装は高級パーソナルカー300Sの後継でしたから、木材の削りだしのダッシュボード、本革の内張りなど現在の車では考えられない豪華さで、量産ラインとは別のラインで手作りで入念な仕上げがされていたそうです。
1968年にW111のセダンは生産中止となりましたが、クーペ/カブリオレは1965年に6気筒2.5L(150HP)エンジン搭載の250SEに、1967年に6気筒2.8L(160HP)エンジン搭載の280SE、1969年に6気筒3.5L(200HP)エンジン搭載の280SE 3.5となり1971年まで生産されました。W111 クーペ/カブリオレの総生産台数は約3.3万台(カブリオレは約7500台)でした。暫定的な後継車は1971年登場の350SL(C107)で、Sクラスとしての後継車は1981年登場のSクラスの2ドアクーペ(C126)でした。
ミニカーは1996年に発売されたドイツのファラー(FALLER)製です。ファラーは鉄道模型ジオラマ用のアクセサリーや建築物などのプラモデルで有名な老舗ブランドですが、「MEMORY CARS」という名前でメルセデス ベンツとフォルクスワーゲン ビートルの1/43のプラモデル完成品を販売していたことがありました。これは220SE カブリオレで他にも20種類ほどがあるようです。(これ以外のファラーのミニカー → 220S (W180)、 200D (W115)) プラモデル完成品なのでダイキャスト製に比べると軽いのですが、塗装されていないボディに艶があるのでプラスチック製の安っぽい感じはあまりなく、実車同様に重厚な感じがします。またボンネット/ドア/が開閉し、エンジンや室内の細かいところまで良く再現されていて、素晴らしい出来ばえです。プラスチックはABS樹脂を使っているようで、レジン樹脂のような変形等の問題はほとんどありません。実際にこのミニカーは購入後20年以上経過していますが、変形等の問題は全くありません。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)