ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

BMW 501 1952 GERMANY

BMW 501
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 501


SCHOCO 02013 1/43 111mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.8m エンジン 変速機: 6気筒 2L 65HP 4段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでBMW 501/502のミニカー検索

BMW 501 ドイツ 1952年

 

 第ニ次大戦の敗戦で一部の工場を東ドイツ側に接収されてしまったBMW社はなかなか再建ができませんでした。他社との合併も検討されましたがうまくいかず、大量生産の目処が立たないBMWは高級車の少量生産という方針を立てました。こうして戦前の326の直列6気筒2Lエンジンを搭載した新型の501が登場したのは1952年でした。当初の6気筒エンジンはパワー不足でしたが、1958年に後述する502用のV型8気筒2.6L(100HP)エンジンに変更され、性能が向上しました。この車は技術的には認められましたが、このような高級車が敗戦直後のドイツで売れるはずもなく商業的には失敗でした。

 

 BMWが再建に苦しんでいる時に、東ドイツが接収したBMWのアイゼンナッハ工場では戦前の321のコピーが生産されていました。さらにこの車はBMW 340という名前で、西側に輸出されていました。BMWはこの会社を告訴し車名をBMWからEMW(アイゼンナッハ モータ 製造会社)に変更させています。EMWという車がBMWにそっくりなのはそういう経緯です。この偽BMWのEMW 340のミニカーをイクソの系列ブランドISTが2008年にモデル化しています。

 

 

 ミニカーは1995年に発売されたシュコー製です。シュコーは1970年代に一度倒産しその後1990年代に再起していますが、これはその再起したころに作られたものです。少しレトロな作風ですが、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されています。ボンネット、トランク、ドアが開閉できるギミックも付いてます。以下はフロント/リアの拡大画像と室内/ボンネットを開板エンジン部の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 501 1
BMW 501 2

 以下は同じシュコーのバリエーションで502 カブリオレ(1/43 型番02022)の画像です。これは4ドアのカブリオレ(フェートン)ですが、実車では2ドアクーペ/カブリオレのほうが一般的でした。いかにもそれらしい感じの赤い内装が似合っていて、良い出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 501 CABRIOLET 1
BMW 501 CABRIOLET 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=488

BMW 502 1954 GERMANY

BMW 502
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502


SCHOCO 2015 1/43 109㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.8m エンジン 変速機: V型8気筒 2.6L 100HP 4段変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでBMW 501/502のミニカー検索

BMW 502 ドイツ 1954年

 

 1952年に登場した501には高級車に見合う新型のV型8気筒エンジンを搭載する予定でしたが、開発が遅れていました。1954年にV型8気筒2.6L(100HP)が完成しそれを搭載した502が追加されました。502は戦後初のV型8気筒エンジン搭載の高級車で、メルセデス ベンツのV型8気筒エンジン搭載車600より9年も早かったのでした。ボディは501と同じですが、クロームメッキの装飾トリムが多くフォグランプが標準装備されていました。なお1958年には501にもV型8気筒エンジンが搭載されましたので、501は502の廉価版という扱いになりました。

 

 502の最高速は160㎞/hで、これはメルセデス ベンツの同じクラスのセダンよりも早く、当時のドイツでは最速の4ドアセダンでした。最終モデルはV型8気筒3.2L(160HP)エンジンを搭載し、最高速は190Km/hに向上していました。502はBMWのイメージ再興に寄与しました。しかし前述したように敗戦直後のドイツではこのクラスの高級車の需要は限られていましたので、実績のあるメルセデス ベンツにはかないませんでした。501/502は1964年まで生産され、総生産台数は6気筒エンジン車が約9000台、V型8気筒エンジン車が約5500台でした。

 

 

 ミニカーは501と同じシュコー製で、1995年頃に発売されました。シュコーは1970年代に一度倒産しその後1990年代に再起していますが、これはその再起したころに作られたものです。前述した501と同じように見えますが型が変更されていて、フロントグリルや室内がよりリアルに再現されています。ただしギミックが全て削除されているのに501とほぼ同じ値段だったのはなんとなく損したような気がしました。(ギミック削除はコストダウンですから) これ以外の501/502のミニカーは、ジク(SIKU)の当時物、ミニチャンプス、ディテールカー、オートアートの1/18などがあります。 以下はシュコーのフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 502 1
BMW 502 2

 以下は1996年に発売されたミニチャンプスの502(1/43 型番430022400)の画像です。キャビン部分がやや小さめで、プロポーション的にはいまひとつの感じがします。ミニチャンプスは501もモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 5
BMW 502 6

 以下は1995年に発売されたディテールカーの502 クーペ(1/43 型番245)の画像です。ディテールカーはイタリアのCDCグループのブランドで、1992年頃から主に1/43のダイキャスト製ミニカーを作っていました。ディテールカーはその名のとおりディテールにこだわった良い出来ばえのミニカーが多く、当時の他社ブランド(コーギーやソリドなど)でも販売されました。この502 クーペもクーペボディが良く再現され、ツートンカラーのカラーリングも綺麗で、当時としてはかなり良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 COUPE 1
BMW 502 COUPE 2

 以下は1995年に発売されたディテールカーの502 カブリオレ(1/43 型番242)の画像です。上記のクーペのバリエーションで、これもツートンカラーのカラーリングが綺麗で良く出来ています。オープンカーなので、そこそこ良く再現された室内を見ることができます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 CABRIOLET 1
BMW 502 CABRIOLET 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=490

BMW ISETTA 250 1955 GERMANY

BMW ISETTA 250
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW ISETTA 250


SCHUCO 02302 1/43 54㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.3m 全幅約1.4m エンジン 変速機: 空冷単気筒 250cc 12HP 4段変速
性能: 最高速84km/h  データーベースでBMW イセッタのミニカー検索

BMW イセッタ 250 ドイツ 1955年

 

 戦後のBMWが続けた高級車路線は、敗戦直後のドイツでは成立しませんでした。そこでBMWは高級車路線を転換して、小型大衆車の生産を始めました。量産に適した車種としてBMWがライセンス契約を結んだのはイタリアのイソ社の超小型車イセッタでした。おそらくBMWのモータサイクルのエンジンが流用できるので、イセッタが選択されたと思います。ただ高級車メーカーがこのような小型車に切り替えたのですから、よほど財政的に苦しかったのでしょう。

 

 リアに搭載する2サイクル単気筒エンジンの騒音振動対策としてエンジンを自社の4サイクル強制空冷単気筒250cc/300ccエンジンに切り替えて、1955年に発表したイセッタ 250/300は大成功を収めました。この車は2人乗りで、前面にあるドアはステアリングホイールやメーターパネルもろとも前方に開く独特の構造です。なお3輪車のように見えますが、後輪はデファレンシャルギヤを省略した狭いトレッドの2輪となっているので、4輪車です。この車をコピーした車がイギリスではハインケル トロージャンとして販売されましたが、そちらは税制上優遇される3輪車でした。

 

 

 ミニカーはシュコー製で、1996年に発売されました。全長54㎜の小さいミニカーながら、灯火類などの細かいところも良く再現されていて非常に良くできてます。特に最大の特長であるステアリング ホイールとともに前方に開くドアが、実際に開閉できるのはとても面白いギミックです。(ドアを開けるのには少しコツがありますが) シュコーは荷台の付いた商用車仕様や1/64や1/87もモデル化しています。イセッタは見た目が面白いので、ミニカーがたくさんあります。プレミアム クラシックスの1/12、BUBの1/87、ホンウェルの1/43と1/72、イクソの1/43などがあります。 以下はシュコーのフロント/リアの拡大画像と俯瞰/ドアの開閉ギミックの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW ISETTA 250 1
BMW ISETTA 250 2

 以下はキャンバストップを開いたバリエーション(型番02092)の画像です。大きさを比較するために、軽自動車(HI-STORY製 ワゴン R)と並べてみました。昔の車ですからずいぶん小さいですが、このデザインは魅力的です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW ISETTA 250 1
BMW ISETTA 250 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=494

BMW ISETTA 250 LIEFERWAGEN 1955 GERMANY

BMW ISETTA 250 LIEFERWAGEN
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW ISETTA 250 LIEFERWAGEN


SCHUCO 02411 1/43 54㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.3m 全幅約1.4m エンジン 変速機: 空冷単気筒 250cc 12HP 4段変速
性能: 最高速84km/h  データーベースでBMW イセッタのミニカー検索

BMW イセッタ 250 商用車 ドイツ 1955年

 

 戦後のBMWが続けた高級車路線は、敗戦直後のドイツでは成立しませんでした。そこでBMWは高級車路線を転換して、小型大衆車の生産を始めました。量産に適した車種としてBMWがライセンス契約を結んだのはイタリアのイソ社の超小型車イセッタでした。おそらくBMWのモータサイクルのエンジンが流用できるので、イセッタが選択されたと思います。ただ高級車メーカーがこのような小型車に切り替えたのですから、よほど財政的に苦しかったのでしょう。

 

 リアに搭載する2サイクル単気筒エンジンの騒音振動対策としてエンジンを自社の4サイクル強制空冷単気筒250cc/300ccエンジンに切り替えて、1955年に発表したイセッタ 250/300は大成功を収めました。この車は2人乗りで、前面にあるドアはステアリングホイールやメーターパネルもろとも前方に開く独特の構造です。なお3輪車のように見えますが、後輪はデファレンシャルギヤを省略した狭いトレッドの2輪となっているので、4輪車です。全長2.4mの非常に小さな車ですが、ライトやワイパーもちゃんとついていて最高速度も84km/hという立派な自動車でした。またこの画像のように荷物台を付けて商用車としても使ったようです。

 

 

 ミニカーはシュコー製で前述した型番02302のバリエーションで、荷物台の付いた商用車仕様です。型番02302より製作時期が少し新しいので、豆のように小さなワイパーやドアミラーが追加されて仕上げがリファインされています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。フロントの拡大画像で小さなワイパーと左側Aピラーに付いた小さなドアミラーがあるのがわかります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW ISETTA 250 LIEFERWAGEN 1
BMW ISETTA 250 LIEFERWAGEN 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=495

BMW 503 1956 GERMANY

BMW 503
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 503


DETAIL CARS 253 1/43 109mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.7m エンジン 変速機: V型8気筒 3.2L 140HP 4段変速
性能: 最高速190km/h  データーベースでBMW 503のミニカー検索

BMW 503 ドイツ 1956年

 

 戦後のBMWは高級車の少量生産という経営方針を立てました。その方針に従って6気筒/8気筒エンジンを搭載する高級車501/502が登場しました。さらにその延長としてよりスポーティな高級パーソナルカーも企画され、1955年に503と507が同時に発表されました。503は2+2シーターのクーペ/カブリオレで、507は2シーターのロードスターでした。見た目が派手な507はかなり有名ですが、ややおとなしい503はあまり知られていません。

 

 503はドイツ系アメリカ人デザイナーがデザインした美しいクーペ/カブリオレボディに、502のV型8気筒3.2Lエンジンを搭載していました。当初はメルセデス ベンツ 300Sと同等のスポーティな高級車として大量生産で安価提供する予定だったようですが、開発に失敗し同時期のメルセデス ベンツ 300SLと同じぐらいの高価格車となってしまいました。その為たった400台ほどしか生産されず、商業的には大失敗でした。

 

 

 ミニカーはディテールカー製で、1995年に発売されました。ディテールカーはイタリアのCDCグループのブランドで、1992年頃から主に1/43のダイキャスト製ミニカーを作っていました。ディテールカーはその名のとおりディテールにこだわった良い出来ばえのミニカーが多く、当時の他社ブランド(コーギーやソリドなど)でも販売されました。2000年頃に破産しフランクリン ミントに売却されたようです。この503のミニカーも当時としてはかなり良い出来ばえで、503が2+2シーターのクーペとしてやや大柄な車だったことがミニカーから分かります。これ以外の503のミニカーは、シュコーのクーペ/カブリオレ、ユニバーサルホビーのクーペ、JADIのクーペ/カブリオレ(1/18)、ブレキナのクーペ(1/87)などがあります。 以下はディテールカーのフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 503 1
BMW 503 2

 以下はディテールカーのバリエーションで幌を立てた503 カブリオレ(型番256)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 503 3
BMW 503 4

 以下は1995年頃に発売されたシュコーの503 カブリオレ(型番02243)の画像です。ディテールカーと同等の良い出来ばえですが、車高が低すぎて実車のイメージから外れています。(経年変化でサスペンションがへたった訳ではなく、最初からこの設定だったようです)(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 503 5
BMW 503 6

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=492

 

サラブレッド期 ← ページ 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10   次へ »

 

 

 

当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2024 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.