ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MASERATI QUATTROPORTE 1966 ITALY

MASERATI QUATTROPORTE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI QUATTROPORTE


POLITOYS 541 1/43 114mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.98m 全幅約1.73m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 4.7L 290HP 5段変速
性能: 最高速230km/h  データーベースでマセラティ クワトロポルテのミニカー検索

マセラティ クワトロポルテ イタリア 1966年

 

 マセラティの最上級車5000GTの後継車として、1963年にクワトロポルテが登場しました。クワトロポルテとはイタリア語で「4ドア」という意味で、まさしくその名前どうりの4ドアセダンで、ピエトロ フルアのデザインでした。DOHC V型8気筒4.1L(260HP)エンジンを搭載し、4輪ディスクブレーキ、5段変速で最高速210km/hの性能でした。 内装は豪華で、パワステ、パワーウィンドー、エアコンが標準装備され、ジャガーなどに匹敵する高性能サルーンでした。1966年のマイナーチェンジで、ヘッドライトが角形2灯から丸型4灯に変わりました。1968年に排気量を4.7Lに拡大し、1971年までに約700台が生産されました。

 

 1966年にマセラティはシトロエンと業務提携し、1968年に経営難でシトロエン傘下となりました。シトロエン傘下の1974年にクワトロポルテ 2代目が登場しました。クワトロポルテ 2代目はシトロエン SMをベースにしていたので駆動系はSMと同じ前輪駆動方式で、SMのV型6気筒2.7L(173HP)エンジンを3L(210HP)に拡大して最高速200km/hの性能でした。またSMの特徴であった油圧式サスペンションや角形ヘッドライトまで同じでしたので、SMの4ドアセダンのような車でした。(デザインはベルトーネでした) 従来のマセラティとは全く毛色の違う車となったので評判は悪く、製作されたのはたったの13台でした。なお経営難が続いていたマセラティは1975年にはデ トマソの傘下となりました。 (実車画像→ マセラティ クワトロポルテ II)

 

 

 ミニカーは1968年に発売されたポリトーイの当時物です。ヘッドライトが角形2灯から丸型4灯に変わった後期型をモデル化しています。フロント周りの造形は悪くないのですが、4ドア開閉ギミックを付けた為かキャビン周りの出来が良くありません。またボディ全体のプロポーションもトランク部分が大きすぎるなど実車に似てないので、あまり出来は良くないです。実車画像を見てもらえれば、本物はもっと優雅なデザインであったことが分かります。 これ以外のクワトロポルテ 初代のミニカーはミニチャンプス、ホワイトボックスなどがあります。クワトロポルテ 2代目のミニカーはレジン製でKESS MODELとBOSS MODELSがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MASERATI QUATTROPORTE 1
MASERATI QUATTROPORTE 2

 以下は4ドア開閉ギミックと室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI QUATTROPORTE 3
MASERATI QUATTROPORTE 4

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MASERATI GHIBLI 1966 ITALY

MASERATI GHIBLI
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI GHIBLI


AUTOPILEN 507 1/43 102mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.59m 全幅約1.8m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 4.7L 330HP 5段変速
性能: 最高速265km/h  データーベースでマセラティ ギブリのミニカー検索

マセラティ ギブリ イタリア 1966年

 

 マセラティ セブリング/ミストラルの上級車として、1966年にメキシコ/ギブリが登場しました。マセラティ メキシコは元々は5000GTにミケロッティのデザインでヴィニャーレ製の2+2シータのクーペボディを架装したプロトタイプでしたが、この車の評判が良かったので量産化されることになりました。最初の車がメキシコの大統領に売られたのでメキシコという名前になったそうです。DOHC V型8気筒4.7L(290hp)エンジンを搭載し、最高速240km/hの性能でした。内装は豪華でエアコン、パワーウインドウが標準装備で、ラジオ、自動変速機などがオプション設定されました。1969年にV型8気筒4.2Lエンジンが追加され1972年まで生産されました。総生産台数は約480台でした。(実車画像→ マセラティ メキシコ 1966)

 

 マセラティ ギブリはメキシコと同じ構造ながら、ホイールベースが短い2シーターのクーペでした。デザインはカロッツェリア ギアのG.ジウジアーロによるもので、リトラクタブルヘッドライトを採用した直線基調のスタイルとなっていました。V型8気筒4.7Lエンジンは330HPにチューンされ、最高速265km/hの性能は当時のフェラーリ デイトナと張り合う高性能でした。1969年にオープン仕様のギブリ スパイダーが設定され、1970年には排気量を4.9L(335HP)に拡大したギブリ SSに発展しました。1973年まで生産され、総生産台数は約1200台でした。後継車はカムシンでした。(実車画像→ マセラティ カムシン 1974)

 

 

 ミニカーは1975年に発売されたオートピレン製です。オートピレンは他社のミニカーのコピーが多いのですが、これも基本的なボディの造形はポリトーイ製のギブリをベースにしているので、実車の雰囲気はポリトーイ流でうまく再現されています。ただし単なるデッドコピーではなく、メタル製ホイールと室内の造形はオートピレンのオリジナルに変更しています。またオートピレンがよく使うこの赤いメタリックカラーもこの車には良く似合っています。これ以外のギブリのミニカーはベースとなったポリトーイの当時物、ノレブの当時物、ミニチャンプスのクーペ/スパイダー、イクソのクーペ/スパイダーなどがあります。メキシコのミニカーはレジン製でNEOとMATRIXがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MASERATI GHIBLI 1
MASERATI GHIBLI 2

 以下は1969年に発売されたポリトーイ製の当時物 マセラティ ギブリ (1/43 型番591)の画像です。上記のオートピレン製のベースとなったミニカーです。これはエキスポート シリーズと称する廉価版ミニカーでしたので、フロントグリル/バンパーと底板を一体成型するなどコストダウンを図っていて、安っぽいフリーホイールが付いています。ただ全体的なプロポーションはポリトーイらしいかっこいい出来ばえですので、オートピレンがコピーしたのでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI GHIBLI 3
MASERATI GHIBLI 4

 以下は1971年に発売されたノレブ製の当時物 マセラティ ギブリ (1/43 型番820)の画像です。ノレブの当時物はプラスチック製とダイキャスト製があって、これはJETCARシリーズのダイキャスト製です。JETCARシリーズもどちらかというと廉価版ミニカーの類でしたが、ノレブも基本的なプロポーションは良く出来ているので、上記のポリトーイ製よりも良い出来ばえかもしれません。ただしノレブ初期のミニカーに起こるプラスチック製パーツの変形がウィンドー部分に発生していて、ウィンドー全体がボディから外れています。ボンネット/ドア/トランクの開閉ギミック付です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI GHIBLI 5
MASERATI GHIBLI 6

マセラティ メキシコのミニカー→ データーベースでマセラティ メキシコのミニカー検索
マセラティ カムシンのミニカー→ データーベースでマセラティ カムシンのミニカー検索"

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MASERATI INDY 1969 ITALY

MASERATI INDY
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI INDY


SOLIDO 185 1/43 110mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.74m 全幅約1.76m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 4.2L 260HP 5段変速/3段自動変速
性能: 最高速250km/h  データーベースでマセラティ インディのミニカー検索

マセラティ インディ イタリア 1969年

 

 マセラティ メキシコ/ギブリの上級車としてインディが1969年に登場しました。ギブリのようなクーペ スタイルで大人4人が乗れるというのがインディの特徴でした。名前のインディはマセラティがインディ 500を1939年から2連覇したことにちなんだものでした。大容量のラゲッジスペース、パワーステアリング、総革張りの豪華な内装など、居住性に配慮した高級なGTカーに仕上げられていました。ギブリに似たクーペ スタイルながら落ちついた雰囲気も感じられるのは、当時カロッツェリア ヴィニャーレに所属していたミケロッティのデザインだからでしょうか。

 

 当初はDOHC V型8気筒4.2L(260HP)エンジンを搭載し、5段変速で最高速250km/hの性能でした。1970年にV型8気筒4.7L(290HP)エンジンが追加されました。1973年にはV型8気筒4.9L(330HP)エンジンに変わり最高速は280km/hに向上しました。同時に内装などが変更され、当時の親会社であったシトロエンの油圧制御式ブレーキシステムが採用されました。1975年まで生産され総生産台数は約1100台でした。

 

 

 ミニカーは1971年に発売されたソリド製の当時物です。ソリドらしいシャープな造形で実車のイメージが良く再現され、当時のミニカーとしては素晴らしい出来ばえでした。現在のミニカーに比べるとワイパーやミラーなど細かなパーツが付いていないですが、そのような細かいパーツがないシンプルな作りも悪くないと思います。ドアとハッチバックの開閉ギミック付です。これ以外のインディのミニカーはガマの当時物、ミニチャンプス、イクソ(廉価版のホワイト ボックス)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とハッチバック開閉/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MASERATI INDY 1
MASERATI INDY 2

 以下は1971年に発売されたガマ製の当時物 マセラティ インディ (1/46 型番9840)の画像です。底板に縮尺1/46と銘記されていますが、実際には1/43とほとんど同じサイズになっています。サイドビューのプロポーションは悪くないのですが、車幅が広めにデフォルメされています。当時のガマによく使われたフリーホイールがこの車には似合っていません。リトラクタブルヘッドライト開閉、ボンネット/ドア/ハッチバックの開閉ギミック付です。(ドアは後端の太いピラーを省略しています) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI INDY 3
MASERATI INDY 4

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとリア/ハッチバックを開いた画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI INDY 5
MASERATI INDY 6

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MASERATI BORA 1971 ITALY

MASERATI BORA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI BORA


DIAPET 120-1421 1/40 110㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.33m 全幅約1.77m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 4.7L 310HP 5段変速
性能: 最高速280km/h  データーベースでマセラティ ボーラのミニカー検索

マセラティ ボーラ イタリア 1971年

 

 マセラティは1968年にシトロエン傘下となりました。シトロエンの意向でマセラティは同社初のミドシップエンジンの2シータースポーツカーを開発し、1971年にボーラとして発表しました。デザインはギブリと同じイタルデザインのG.ジュージアーロで、ギブリのイメージをミドシップエンジン車として進化させたスタイルでステンレス製のルーフが特徴でした。ギブリ用のV型8気筒4.7L(310HP)エンジンを搭載し、マセラティ市販車初の全輪独立懸架サスペンションを採用し、シトロエンのハイドロニューマティック方式油圧システムがブレーキ制御/ヘッドライト開閉などに使われていました。

 

 1973年にアメリカ排ガス規制対策で、アメリカ向けはエンジンが4.9Lに変更されました。この際にフロントフードにグリルが追加され、1976年には4.9L(320HP)が標準になりました。フェラーリのミドシップスポーツカーは12気筒エンジンを搭載しており、8気筒エンジンのボーラは性能的に見劣りがしました。また外観的にも派手さが足りなかったのかボーラの販売は芳しくなく1978年に生産中止となりました。総生産台数は約500台でした。

 

 

 ミニカーは1977年に発売されたダイヤペットの当時物です。1970年代後半の日本はスーパーカーブームの真っ只中で、これはそのブームに乗じて作られました。現在的な見方ではちゃちに見えますが、当時の国産品ミニカーとしてはそこそこの良い出来ばえでした。プロポーションはそんなに悪くないのですが、車高が高いので不格好に見えます。ボディを少し押し下げてやると見ばえが良くなります。リトラクタブルヘッドライト開閉、フロントトランク/ドア/リアエンジンカバー開閉のギミック付です。これ以外の国産当時物ミニカーではトミカ ダンディ、サクラのスーパーカーシリーズ、エーダイのグリップ(1/28)などがありました。国産品以外の当時物ではマッチボックスやメーベトイなどがありました。当時物以外ではミニチャンプスやイクソなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。なお室内の助手席の前に見える赤い球の付いたレバーは、手前に押し込むとフロントのトランクが開くようになっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MASERATI BORA 1
MASERATI BORA 2

 以下は1973年に発売されたメーベトイ製の当時物 マセラティ ボーラ (1/43 型番A72)の画像です。メーベトイとしては後期の物で廉価版ミニカーの類ですので、灯火類の塗装処理などが省略されています。プロポーションは良く実車のイメージがうまく再現されています。ただし安っぽいフリーホイールがその良い出来ばえを台無しにしています。ドア開閉ギミック付です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI BORA 3
MASERATI BORA 4

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MASERATI BOOMERANG 1972 ITALY

MASERATI BOOMERANG
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI BOOMERANG


DIAPET G5 (01449) 1/40 110㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.34m 全幅約1.86m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 4.7L 310HP 5段変速
性能: 最高速280km/h  データーベースでマセラティ ブーメランのミニカー検索

マセラティ ブーメラン イタリア 1972年

 

 マセラティ ブーメランは1971年のトリノショーで公開されたコンセプトカー(モックアップ)で、イタル デザインのG.ジウジアーロのデザインです。翌年のジュネーブショーではマセラティ ボーラのシャーシを使った走行可能なプロトタイプが発表されました。平面ガラスを使うことで構成された角ばったウエッジシェイプボディが特徴です。また通常のドライーバー正面のメーターパネルが無く、メータや操作用の主なスイッチをステアリングホイールの内側にまとめて配置する斬新なアイデアが提案されていました。ただしこれはメーター類が見にくいので、あまり実用的とは思えませんが。(実車画像→ マセラティ ブーメラン コクピット)

 

 ドアは通常の前ヒンジ式横開きで、単なるコンセプトカーではなく量産することを前提としたデザインでした。(G.ジウジアーロのデザインは基本的に生産することを前提にしていたそうです) 実際に平面ガラスを採用した同じようなイメージのボディを持つロータス エスプリが1975年に量産されました。ブーメランはモーターショーの後で、一般人に売却されたそうです。当時のカロッツェリアはショーカーを売ることもあったようです。

 

 

 ミニカーはダイヤペットの当時物で、1978年に発売されました。ダイヤペットとしては意欲的な外国車のモデル化で、プロポーションはまずまずでしたが、ドアの可動部の建付けが悪いなど当時のミニカーの基準でもあまり良い出来ばえとは言えませんでした。リトラクタブルヘッドライト開閉とドア/リアパネルの開閉ギミック付です。今回撮影のためにドアを動かしていると、ドア可動部のヒンジが左右両方とも破損してしまいました。(設計上の強度不足と粗悪な亜鉛合金の劣化が原因です) このミニカーが作られた1970年代後半の日本はスーパーカーブームの真っ只中でした。このミニカーはそのブームに乗って作られたもので、これ以外の当時物としてエーダイの1/43と1/28、朝日通商 SIGAM500の1/54もありました。エーダイーのブーメラン(特に1/28)は当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。国産品以外ではノレブとジク(SIKU)の小スケール物がありました。2015年にはNEO(レジン製)がモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像とリアパネルを開いたエンジンルーム/ドアを開いた室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MASERATI BOOMERANG 1
MASERATI BOOMERANG 2

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