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PACKARD VICTORIA MODEL 1-48 1912 USA |
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![]() FRANKLIMINT RP90N 1/24 205㎜
実車諸元 画像参照
パッカード ビクトリア モデル 1-48 アメリカ 1912
アメリカを代表する戦前の車といえばパッカードです。1897年に設立されたウィントン(Winton)社はアメリカで自動車の製造/販売を初めて行いました。この会社の初期の車をオハイオ州の電気商ジェームズ ウォード パッカードが購入しました。パッカードは車の故障にきちんと対応してくれないウィントン社に対抗して、ウィントン社の技術者を引き抜いて自分用の車を1899年に完成させました。これがパッカード社の創業に関する逸話ですが、ランボルギーニ社の創業などこれと似たような話はいくつかあります。ちなみにウィントン社は1900年代にアメリカ国内のレースで活躍しましたが、販売不振で1924年に自動車生産から撤退しました。その後はGM傘下の船舶用ディーゼルエンジンメーカーとして存続しているようです。
パッカードの最初の車は単気筒エンジン搭載の小型車でしたが、エンジンの点火時期自動進角装置やアメリカ初の円形ハンドルなど先進的な技術が採用されていました。1903年には4気筒エンジンを搭載したモデル Kが登場しました。当時のパッカードはすべての部品を自社生産し、極めて高い品質を確保していました。1912年に6気筒エンジンを搭載した高級車 ドミナント シックス 48(Dominant Six 48 後に1-48シリーズとも呼ばれた)が登場しました。1915年には量産車初のV型12気筒エンジンを搭載したツイン シックスが登場し、このモデルはライバル車を圧倒しパッカードの名声を決定的なものとしました。
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ミニカーは大スケール(1/24)のクラシックカーを得意としていたフランクリン ミント製で、1990年頃に発売されました。6気筒エンジンを搭載した1-48シリーズのビクトリアという名前の車をモデル化しています。フランクリン ミントのクラシックカーは当時もっとも精密なミニカーで、ドアやボンネットが可動し、エンジンやサスペンションなどのメカ部分もリアルに再現されていました。(ハンドルで前輪の操舵可能) このパッカードも本物の木材を使ったダッシュボードをはじめとして、ラジエーターグリル/ヘッドライト、各種の金具類がリアルに再現され非常に素晴らしい出来ばえです。なおパッカードの初期のモデルは、マッチボックスやミニオールもモデル化しています。以下はフロント グリル/エンジン部の拡大画像とダッシュボード/キャビン部分の画像です。6気筒エンジンはかなりリアルにできています。またリアシートの前に毛布のようなものがありますが、それはご婦人用のひざ掛けで、これもリアルで粋なアクセサリーです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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PACKARD MODEL 18 1912 USA |
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![]() MINIALUXE 2 1/43 88mm
実車諸元 画像参照
パッカード モデル 18 アメリカ 1912
1907年に発表されたパッカード モデル 30は4気筒7L(30HP)エンジンを搭載し、パッカードの高級車としての地位を確立したモデルでした。1912年型パッカードのミニカーはフランクリン ミントの1/24、マッチボックス、ラミー、ミニオールなどからも出ています。フランクリン ミントの1/24は6気筒エンジン搭載車ですが、それ以外はモデル 30の小型版であったモデル 18をモデル化していると思われます。この当時のアメリカ車がミニカー化されるのは珍しいことですが、これは当時のパッカードの名声が高かったことを示しています。
ミニカーはフランスのミニオール(MINIALUXE)製で、材質はプラスチックで1960年代に発売されました。独立した客室部分を持つボディを架装していて、たぶんヨーロッパで発売されたパッカードをモデル化していると思われます。昔のミニカーとしては出来の良いミニオール製ですが、プラスチック製の車体が経年変化で変形して弓なりにそってしまっています。(作られてから約50年以上経過していますが、まだ年を経るごとにひどくなっています)
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以下は1960年代に発売されたフランスのラミー(RAMI)のパッカード ランドレー(型番13)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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PACKARD SINGLE EIGHT ROADSTER 1930 USA |
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![]() SIGNATURE 32115 1/32 146mm
実車諸元 画像参照
パッカード シングル エイト ロードスター アメリカ 1930
前述したようにパッカードは量産車として初めてV型12気筒6.9L(88HP)エンジンを搭載した高級車ツイン シックスを1915年に発表しました。この車は世界初の12気筒エンジンなどの技術/品質の高さでライバル車を圧倒し、富豪や著名人に愛用され大成功をおさめました。顧客にはロシア皇帝のニコライ II世や有名なギャング王 アル カポネなどがいました。ツイン シックスは1922年まで生産され、総生産台数は約3万台でした。当時のパッカードはキャディラック、ロールス ロイス、ディムラー、メルセデス ベンツなどと並ぶ高級車メーカーで、「Ask the Man Who Owns One.(その価値は持ち主に訊け)」というキャッチコピーを広告に使い、自社の高品質をアピールしていました。
パッカードは航空用エンジンの生産でも有名で、第1次大戦中はV型12気筒航空機エンジンを量産しました。第1次大戦後の1924年に8気筒5.9L(84HP)エンジンを搭載するシングル エイトを発表し、この車はツイン シックスの後継車として成功し、生産台数でキャディラックを追い抜きアメリカの高級車No.1の地位をかためました。1930年代になると、世界大恐慌によって高級車が売れなくなりました。そこでパッカードは1935年に8気筒エンジン搭載の中級車120を発売、1937年には6気筒エンジン搭載の110/115を発売しました。それらの車は一時的にパッカードの業績を上げましたが、パッカードのブランドイメージを下げることになりました。
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ミニカーはシグネチュアー製(クラシックカーがメイン)で、2000年頃に発売されました。シングル エイト系のロードスターを少し大きめの縮尺1/32でモデル化しています。この1/32のシリーズは当時の定価が約3500円ほどの比較的安価なミニカーでしたが、マニア向けの本格的な出来ばえに仕上げてありました。このシングル エイトもパッカード独特の上部の角に段の付いたフロントグリルとその上のマスコットがきちんと再現され、ドア/ボンネットが開閉できエンジンも再現されています。(ただホイールのスポークなどの細かいところはあまりリアルではありませんが) これ以外のシングル エイト系のミニカーは、マッチボックスのYシリーズ、NEO(レジン製)などがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像とリア後端/室内/ボンネットを開いたエンジンルームの画像です。パッカードのマスコットは、差し出した両手で車輪を掲げている女神の姿で「Goddess of Speed(スピードの女神)」と呼ばれていますが、このマスコットはかなりリアルにできています。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下は1969年に発売されたマッチボックスのYシリーズ(クラシックカーのシリーズ)のパッカード ビクトリア コンバーチブル 1930 (1/46 型番Y15)の画像です。上記と同じシングル エイト系のコンバーチブルのソフトトップ仕様をモデル化しています。なおビクトリアとはコンバーチブルの最上級モデルにつけられたグレード名のようです。Yシリーズは安価でしたので、細部の仕上げが簡素化されていました。(フロントグリルとヘッドライトを一体化してあるなど) またYシリーズは縮尺が不統一で、これも1/46と中途半端です。ただ基本的なプロポーションや、パッカードの特徴である角に段の付いたフロントグリルなどの要所はきちんと押さえてあるので、実車の雰囲気はかなりうまく再現されています。室内も簡素ですがちゃんと再現してあります。またリアにトランクケースを積み、さらにその後ろに荷物棚があるといった当時の車の荷物積載方法がわかります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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PACKARD TWELVE LE BARON 1934 USA |
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![]() ALTAYA VOITURES CLASSIQUES (IXO) 28 1/43 127㎜
実車諸元 画像参照
パッカード トゥエルブ ルバロン アメリカ 1934
前述したツイン シックス(量産車初のV型12気筒6.9Lエンジン搭載)の後継車として、V型12気筒エンジンの排気量を7.3L(160HP)に拡大したトゥエルブが1933年に登場しました。パッカードの最上級車トゥエルブは極めて高価な車で、この当時はまだコーチビルダーがボディを架装していました。標準のホイールベース仕様には2ドアロードスター/クーペ、4ドアセダン/フェートンなど、ロングホイールベース仕様にはリムジーンなど様々な特注ボディが架装されました。
このトゥエルブ ルバロンはコーチビルダー ルバロン(LE BARON)社が架装した豪華な二人乗りのボートテール型ロードスターで、このタイプは僅か数台しか作られなかったそうです。この車の初代のオーナーは有名な映画スターのクラーク ゲーブルだったそうです。(→実車の画像) 1935年にエンジンが7.7Lに拡大され175HPにパワーアップし、ギヤボックスはシンクロ付になり、1937年にブレーキは油圧式となりました。トゥエルブは1940年に生産中止となり、総生産台数は約5000台でした。
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ミニカーはフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」シリーズのNo.28でイクソ製です。イクソのカタログモデルでは型番MUS043で色違いの青が発売されています。実車諸元の画像参照リンク先に載っている実車を忠実にモデル化しています。出来ばえはイクソのこのシリーズの標準的なものですが、特にこのパッカードはフロントグリルまわりの造形が良くできています。グリルの外枠とセンターラインが車体と同じカラーに塗られたフロントグリルがきちんと再現され、グリルの上に付いているマスコットも(かなりオーバースケールですが)はっきりと形が分かるように再現されています。このパッカードのマスコットは差し出した両手で車輪を掲げている女神の姿で「Goddess of Speed(スピードの女神)」と呼ばれている有名な物です。パッカード トゥエルブのミニカーとしてはフランクリンミントの1/24と1/43、アンソンの1/18や1/24、レジン製ではGREAT LIGHTNINGなどがあります。以下はフロント/リアの拡大画像とフロントグリル/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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PACKARD TWELVE CONVERTIBLE 1934 USA |
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![]() FRANKLIN MINT RB75 1/43 132mm
実車諸元 画像参照
パッカード トゥエルブ コンバーチブル アメリカ 1934
1920-1930年代のパッカードはGM キャディラックと双璧をなす高級車ブランドでした。前述したツイン シックス(量産車初のV型12気筒6.9Lエンジン搭載)の後継車として、V型12気筒エンジンの排気量を7.3L(160HP)に拡大したトゥエルブが1933年に登場しました。パッカードの最上級車トゥエルブは極めて高価な車で、この当時はまだコーチビルダーがボディを架装していました。標準のホイールベース仕様には2ドアロードスター/クーペ、4ドアセダン/フェートンなど、ロングホイールベース仕様にはリムジーンなど様々な特注ボディが架装されました。なお一番人気があって高価だったのは、前述したルバロン ロードスターだったそうです。
こちらは4ドアのコンバーチブルで、正式にはデュアル カウル フェートン(前席/後席にスクリーンが付いた4座オープン)と呼ばれる形式です。室内の前席背後のパーティション部分に後席用ウインドーを上下させるハンドルが付いているのがその証です。当時の高級車の最新機器として、1934年のパッカードにはダッシュボード組込み式ラジオがオプション設定されていました。1935年にエンジンが7.7Lに拡大され175HPにパワーアップし、ギヤボックスはシンクロ付になり、1937年にブレーキは油圧式となりました。トゥエルブは1940年に生産中止となり、総生産台数は約5000台でした。
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ミニカーはフランクリン ミント製で、1990年頃に発売されました。同社の1/43サイズの1920-1930年代のクラシックカーは約十数種類あり、キャディラックやパッカードなどの高級車をモデル化しています。いずれもドアが開閉しボンネットを外すとエンジンが再現され、シャーシなどの下回りもそこそこ再現されています。このパッカードも4ドアが開閉し、エンジンがリアルに再現され、ヘッドライトなどが少しレトロな作風ですが良く出来ています。フランクリン ミントは1/24でも同じ車をモデル化しています。パッカード トゥエルブのミニカーとしては前述したイクソのルバロン、アンソンの1/18や1/24、レジン製ではGREAT LIGHTNINGなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とボンネットを開いたエンジン/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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