ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

DAF OSI CITY CAR 1966 NETHERLAND

DAF OSI CITY CAR
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DAF OSI CITY CAR


CORGI 283 1/43? 72㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.1m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 空冷水平対向2気筒 750cc 26HP 無段変速機
性能: 最高速 不詳  データーベースでDAFのミニカー検索

DAF OSI シティカー オランダ 1966年

 

 DAF OSI シティカーは1966年のトリノショーで公開された、シティカーのプロトタイプでした。オランダのDAFがイタリアの自動車雑誌「QUATTRORUTE」との共同企画で開発し、イタリアのカロッツェリア OSI(Officine Stampaggi Industri)のセルジオ サルトレッリがデザインしていました。DAF 32をベースにしていたので、操作が簡単なベルトとプーリーによる無段変速機「バリオマチック」が使われていました。第2次大戦後にはBMW イセッタゴッゴモビルなどの超小型車が登場し、1950年代後半にはフィアット 500BMC ミニといった新世代の小型車が登場し、この車もその流れを受けて開発されたようです。

 

 この車の最大の特徴はドアで、運転席の左側はスライドドア、右側はセンターピラーのない観音開きドア、さらに荷物用のハッチバックもついていました。このようなドア構成になっているのは、狭い場所に駐車した場合に乗り降りし易いからでしょう。(タクシーとして使うことも想定していたようです) 現在の軽自動車でもセンターピラーのないスライドドア仕様が増えていますから、この車はそれを先取りしていたと言えるでしょう。都市の駐車スペースの問題を解決できる小型のシティカーはたびたび提案されています。(1973年のミニッシマなど) ただ実際に個人が所有する車は様々な用途で使われるので、用途限定のシティカーが製品化されて成功したことはなく、このDAF シティカーも製品化されませんでした。(良く似た車が商用バンのDAF KALMARとして製品化されていましたが)

 

 

 ミニカーはコーギー製の当時物で、1971年に発売されました。コーギーはこのミニカーの縮尺を公表していませんが、実車の全長が約3.1mなので1/43だと思います。ただし実車の画像と見比べてみると、実車よりも全長が短めにデフォルメされているようです。コーギーは親しみ易いスタイルにデフォルメすることがありますが、それはコーギーのミニカーの個性でもありました。(昔のミニカーはスケールモデルではなく、子供向けの玩具でしたから) 外形はデフォルメしていますが、この車の最大の特徴であるドア構成についてはお得意のギミックで巧みに再現していました。

 このサイズのミニカーにドア/ボンネット/バックドア開閉などのフルギミックを採用している物は他にもありました。ただこのDAF シティカーのように建付けが良くスムーズに動作する物は少なく、コーギーの技術力が優れていたことを示しています。ただコーギーでも技術的にかなり難しかったようで、コストも高いものについたようです。なお屋根が黒の結晶塗装になっていますが、これはルーフ左端のスライドドアのレールを目立たなくする為に敢えて採用しているのだと思います。DAF シティカーのミニカーはこれしかありません。このミニカーは約47万台が売れ、当時のコーギーとしても標準以上の販売台数だったようです。(その為、実車よりミニカーの方が良く知られています) 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/バックドア開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DAF OSI CITY CAR 1
DAF OSI CITY CAR 2

 以下は右側ドアの開閉動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
daf citycar door1

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WARTBURG 312 CABRIOLET 1966 GDR

WARTBURG 312 CABRIOLET
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
WARTBURG 312 CABRIOLET


MINICHAMPS 430015934 1/43 100mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.3m 全幅約1.57m エンジン 変速機: 2サイクル3気筒 1L 52HP 4段変速
性能: 最高速130km/h  データーベースでワルトブルグのミニカー検索

ワルトブルグ (ヴァルトブルク) 312 カブリオレ 東ドイツ (現ドイツ) 1966年

 

 ワルトブルグ(ヴァルトブルク)は旧東ドイツの小型車のブランドで、東ドイツの国営企業のアイゼナハ社(Eisenacher Motorenwerk 略してEMW社)が生産していました。アイゼナハ社は第2次大戦前はBMWのアイゼナハ工場でした。ワルトブルグ車は第2次大戦前のDKW車をベースにしていて、最初のモデル 311は1956年に登場しました。311は2サイクル水冷3気筒900cc(40HP)エンジンを縦置きに搭載した前輪駆動の4人乗り小型車で、4段変速で最高速は115km/hでした。なおワルトブルグという名前は工場所在地であるアイゼナハにあるワルトブルグ城に由来していました。

 

 ワルトブルグ車には戦前のBMWアウトウニオンの技術が生かされていたので、同時代の西側諸国の車に比べても見劣りしない性能の車でした。1962年にはエンジン排気量を1L(52HP)にアップしシャーシを改良した312が追加されました。クーペ、カブリオレ、ロードスター、ワゴンなどが追加され、1960年代には西ドイツやアメリカなどに輸出されました。1966年頃までに約25万台が生産されました。1966年に後継車の353が登場しました。1991?に東西ドイツが統一され、ワルトブルグの工場はオペルに買収されました。(実車画像→ ワルトブルグ 353 1986)

 

 

 ミニカーは2003年に発売されたミニチャンプス製です。ワルトブルグ 311の改良型である312のカブリオレをモデル化しています。ミニチャンプスらしいそつのない良い出来ばえで、フロントグリルや室内などの細部までリアルに再現されていました。ただ畳んだ幌が大きくかさばっていて目立ち過ぎの感じがします。この車は今見ると単に古臭いスタイルですが、1960年代当時としてはかなりかっこいい車だったのでしょう。ミニチャンプスは4ドアセダンと2ドアクーペもモデル化しています。これ以外のワルトブルグ 311/312のミニカーは、ブレキナのセダンとクーペとワゴン 1/87、イスト モデルのセダンとクーペとワゴン、ホワイトボックスのワゴンなどたくさんモデル化されていて、実車の人気が高かったことを反映しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

WARTBURG 312 CABRIOLET 1
WARTBURG 312 CABRIOLET 2

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NISSAN CEDRIC (130) SPECIAL 6 1966 JAPAN

NISSAN CEDRIC (130) SPECIAL 6
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NISSAN CEDRIC (130) SPECIAL 6


CAM C43008BK 1/43 111mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.68m 全幅約1.69m エンジン 変速機: 6気筒 2L 100HP 4段変速/3段自動変速
性能: 最高速150km/h  データーベースで日産 セドリック 130型のミニカー検索

日産 セドリック 130型 スペシャル 6 日本 1966年

 

 1965年に日産 セドリック 2代目(130型)が登場しました。先代のアメリカ車風デザインから一転してイタリアのランチアのようなイメージになりましたが、これはイタリアのピニンファリーナのデザインでした。4気筒2L(92HP)、6気筒2L(100HP)、スペシャル6専用のOHC 6気筒2L(115HP)エンジンが設定され、3速AT/4速MTで最高速150km/h(OHC2L)の性能でした。なおセドリック 130型では3ナンバー規格の普通車の設定はありませんでした。なおこの車には既にクーラー(エアコンではなく単なるクーラー)がオプション設定されていたようです。

 

 当時の日本ではセドリック 2代目(130型) 初期型のピニンファリーナ デザインが理解されず不評だったようです。(ピニンファリーナ流の上品なデザインはまだ時期尚早でした) その為セドリック 2代目は1966年と1967年にリアのデザインを変更しました。さらに1968年のモデルチェンジではフロント部分を大幅に変更してオリジナルのイメージが消えました。(実車画像→ セドリック 1968年式) ブルバート 2代目に次いでセドリックのデザインも不評だったことで、日産は外国人のデザインに懲りたと思われます。1971年にセドリック 3代目にモデルチェンジしました。

 

 

 ミニカーは2012年に発売されたCAM製です。CAMはミニカー専門店ベルテンポのブランドで、レジン製がほとんどでしたが、これはダイキャスト製でした。セドリック 2代目の初期型をモデル化しています。プロポーションが正確で初期型のピニンファリーナ デザインがうまく再現されていて、とても良く出来ていました。フロントグリルと前後灯火類、室内もかなりリアルに再現されていました。CAMは車高を下げたカスタムとそのストックカーレース仕様もモデル化していました。セドリック 2代目の当時物のミニカーはダイヤペットが型番145で1966/67年式、型番186で1968年式を、モデルペットが型番33で1966/67年式をモデル化していました。年式違いがこれほどモデル化されているのは珍しいですが、実車のデザインが何度も大きく変更されたことが原因でしょう。それらの当時物ミニカーはいずれもレア物のビンテージミニカーで、残念ながらいずれも持っていません。当時物以外のセドリック 2代目のミニカーはアドバンスピリット(アンチモニー製)の前期型セダン/バン、トミカ リミッテドの前期型と後期型などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

NISSAN CEDRIC (130) 1
NISSAN CEDRIC (130) 2

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NISSAN (DATSUN) SUNNY 1000 (B10) 1966 JAPAN

NISSAN (DATSUN) SUNNY 1000 (B10)
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NISSAN (DATSUN) SUNNY 1000 (B10)


NISSAN CAR COLLECTION (NOREV) 2 1/43 90mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.82m 全幅約1.45m エンジン 変速機: 4気筒 1L 56HP 4段変速/3段自動変速
性能: 最高速135km/h  データーベースで日産 サニーのミニカー検索

日産 サニー 1000 B10型 日本 1966年

 

 トヨタ パブリカなど他社が小型車市場に参入するなか、ブルーバードより小さい車種が無かった日産は1966年にサニーで1Lクラス大衆車に進出しました。当初の正式な車名はダットサン サニーで、サニーという名前は発売前の車名公募キャンペーンで選ばれたものでした。サニーは欧州で大成功したオペル カデットの影響を受けているとウイキペディアに書かれていますが、確かにシンプルなデザインのボディなど良く似ていました。エンジンは新規に開発された4気筒1L(56HP)のA型で、3段AT/4段変速で、最高速135km/hの性能でした。

 

 発売当初の販売は好調でしたが、半年ほど後に発売されたトヨタ カローラの排気量が100cc大きく見た目が豪華なことから、販売ではカローラに抜かれてしまいました。確かにサニーの方がシンプルな分だけ、見ためではやや見劣りしました。(この辺がトヨタの商売上手なところでした) 当初は2ドアセダンだけでしたが、4ドアセダン(1967年)、ファーストバックの2ドアクーペ(1968年)、2/4ドア商用バン、トラックが追加されました。1970年にサニー 2代目 B110型にモデルチェンジしました。

 

 

 ミニカーは2008年に発売されたアシェット製 日産名車コレクションです。メーカーはノレブで、シンプルなサニーのボディがうまく再現されていて、安価な雑誌付きミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。フロントグリルや室内などの細部もそこそこリアルで、後輪の下回りをよく見るとリーフスプリングのサスペンションも再現されていました。サニー 初代の当時物ミニカーはダイヤペットのセダンとクーペがありました。当時物以外ではエブロのセダン(この日産名車コレクションとよく似た出来ばえです)、トミカ リミッテドの2/4ドアセダン、ハイストーリー(レジン製)のクーペなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

NISSAN (DATSUN) SUNNY 1000 (B10) 1
NISSAN (DATSUN) SUNNY 1000 (B10) 2

 以下は1969年に発売されたダイヤペット製の日産 サニー 1000 クーペ (1/40 型番182)の画像です。プロポーションが良いので、スタイリッシュなクーペがうまく再現されていました。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きですが、各ギミックの立て付けが悪く可動部の隙間が目立ちます。特にトランクはかなりひどい状態です。ダイヤペットもさすがにこれはよろしくないと思ったのでしょう、1971年にトランクの開閉を止めた改良版が型番223で発売されました。ただその時点でサニーは2代目にモデルチェンジしていましたので、型番223はすぐに絶番となりました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN (DATSUN) SUNNY 1000 COUPE (B10) 1
NISSAN (DATSUN) SUNNY 1000 COUPE (B10) 2

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN (DATSUN) SUNNY 1000 COUPE (B10) 3
NISSAN (DATSUN) SUNNY 1000 COUPE (B10) 2

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NISSAN (DATSUN) 1300 TRUCK (520) 1966 JAPAN

NISSAN (DATSUN) 1300 TRUCK (520)
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NISSAN (DATSUN) 1300 TRUCK (520)


EBBRO 44691 1/43 102mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.35m 全幅約1.57m エンジン 変速機: 4気筒 1.3L 62HP 4段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでダットサン トラックのミニカー検索

日産 ダットサン 1300 トラック 520型 日本 1966年

 

 「ダットラ」の愛称で呼ばれた ダットサン トラック 初代(10T型)は戦前の1935年に登場しました。当時のダットサン 10/11型をベースにしたピックアップトラックで、4気筒722㏄エンジンを搭載していました。(実車画像→ ダットサン トラック 初代 10T型)
 戦後の1946年にダットサン トラック 2代目(1121型)が登場しました。1951年に4気筒860㏄エンジンを搭載した6147型となりました。1955年にダットサン トラック 3代目(120型)が登場しました。乗用車のダットサン 110型をベースにしたピックアップトラックでした。 

 

 1957年にダットサン トラック 4代目(220型)が登場しました。乗用車のダットサン 210型をベースにしたトラックでロングホイール版、2列シートのピックアップ、2ドアライトバンがありました。 1961年にダットサン トラック 5代目(320型)が登場しました。ブルーバード 310型をベースにしたトラックで、先代同様にロングホイール版、2列シートのピックアップ、2ドアライトバンがありました。乗用車的な居住性や拡大された荷台で成功し、当時の1t積トラックのベストセラーとなりました。 

 

 

 1965年にダットサン トラック 6代目(520型)が登場しました。先代までの乗用車ベースの設計を変更し、トラック用として新設計された4気筒1.3Lエンジンを搭載していました。ただし見た目はブルーバード 410型と似ていました。3人乗りトラック、2ドア6人乗りのピックアップ、2ドア6人乗りのライトバンがありました。1966年のマイナーチェンジで4灯式ヘッドライトを採用し、1968年のマイナーチェンジでブルーバード 510型と同じようなフロントの意匠になり、4気筒1.5Lエンジンが追加されました。(実車画像→ 日産 ダットサン ピックアップ 1970) 1972年に7代目にモデルチェンジしました。

 ミニカーは2012年に発売されたエブロ製です。ダットサン トラック 6代目をモデル化しています。エブロらしい正確なプロポーションで、実車の雰囲気が良く再現されていました。フロントグリルや荷台などの細部も良く再現されていました。実車は私が中学生の時に近所で良く見かけたので、当時を懐かしく思い出しました。エブロは戦前の初代もモデル化していました。これ以外のダットサン トラックのミニカーは、トミカの520型、トミカ リミッテドの320型などがあります。自動車が普及していく過程で商用車やタクシーは欠かせない存在でしたし、現在も重要な役目を果たしています。したがって地味な存在ですが、その時代の代表的な商用車もできるだけミニカーにして欲しいものです。トラックや商用車が好きなミニカーコレクター(子供も含む)がいることもあり、昔からの老舗ブランドは乗用車やレースカーだけではなく商用車もきちんとモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

NISSAN (DATSUN) 1300 TRUCK (520) 1
NISSAN (DATSUN) 1300 TRUCK (520) 2

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