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GM ビュイック スーパー アメリカ 1950年
デイヴィット ダンバー ビュイックが1903年に設立したビュイック社は、当初は業績が芳しくなく馬車製造会社のウイリアム C.デュラントに援助を求めました。デュラントの采配でビュイック社は業績が回復しましたが、ビュイックは会社をさりました。1908年にデュラントはGM(ジェネラル モータース)を創立し、キャディラックやオールズモービルを買収し、GMはアメリカ4大メーカーの一つとなっていきました。ビュイックはGMではキャディラックに次ぐ高級車ブランドです。(1930年代のビュイック)
ビュイック スーパー 初代は1940年に登場し1942年に2代目が登場しました。スーパー 3代目は戦後の1949年に登場しました。8気筒4.1L/4.3LとV型8気筒5.3Lエンジンを搭載するフルサイズの大型車で、4ドアセダン、2ドアクーペ/コンバーチブル、4ドアワゴンがありました。3代目は戦後型ですがまだ独立したフェンダーが少し残っていました。派手なクロームモールの楕円形フロントグリルは正面から見ると歯をむき出しているような感じで、あまり上品ではないですがインパクトがありました。この楕円形フロントグリルはビュイックの伝統として2000年代のビュイックにも使われていました。ボンネット後部にある3連の穴(VentiPorts)はこの時期のビュイック車の特徴で下位グレードのスペシャルとスーパーは3連、V型8気筒エンジン搭載の上級グレードのロードマスターは4連でした。1954年にスーパー 4代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ ビュイック スーパー 1954)
ミニカーは1987年に発売されたソリド製です。ソリドは1950-1960年代のアメリカ車を1980年代に数種類ほどモデル化していましたが、このビュイック スーパーもその一つです。プロポーションが良く、特徴的な楕円形のフロントグリルやボンネット後部の穴もうまく再現されています。ボンネット後部の穴は戦闘機のエンジン排気口を模したもので、ボンネット前端についているマスコットは戦闘機の銃撃照準器を模したものらしいので、この当時は自動車のデザインにも戦争の影響が残っていたようです。ソリドは型番4512で幌を閉じたバリエーションがありました。同時期のビュイックのミニカーはディンキーの当時物、フランクリン ミントの1/24と1/43、ダンバリー ミントの1/24、ブッシュの1/87、SIGNATUREの1/32などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GMC FC102 (シボレー 3100) ピックアップ アメリカ 1950年
ピックアップは日本では物を運ぶ商用車として使われますが、アメリカでは乗用車的な使われ方もされます。アメリカ初のピックアップはフォード T型を改造して後部に荷台を追加したものでした。(参照→ フォード T型 ランチ) この車は農場で使われましたが、貨物用だけではなく乗用にも使われました。ライバルのGMは既存の商用車メーカーを買収して傘下に収め1911年にGMCブランドを設立し、当初はその商用車メーカーのトラックをGMCブランドで販売していました。1920年以降になるとGMCの小型/中型トラックは大衆車シボレーをベースにしたトラックになりました。(実車画像→ 1930年代のシボレー トラック)
1940年代のGMCの小型/中型トラックはシボレーのAKシリーズ(6気筒3.5L/3.7Lエンジン搭載)をベースにしたトラックと同じで、フロントグリルの意匠が多少異なっていました。第2次大戦後の1947年にシボレーの小型/中型トラックとそのGMC版はアドバンス-デザイン(Advance-Design)シリーズにモデルチェンジしました。ボディはAKシリーズより大きくなり、6気筒3.5L/3.9L/4.3Lエンジンを搭載していました。その後1955年にはタスクフォースシリーズにモデルチェンジし、1960年にはフォード Fシリーズ同様に、アメリカを代表するピックアップとして親しまれたシボレー C/Kシリーズにモデルチェンジしました。(Cシリーズが後輪駆動、Kシリーズが4輪駆動) シボレー C/Kシリーズの姉妹車としてGMC版がありました
ミニカーは1995年頃に発売されたヤトミン製のビンテージ アメリカ車シリーズの1台です。アドバンスーデザイン シリーズのGMC FC102 ピックアップ 1950年式(シボレー 3100 1/2t積の姉妹車)をモデル化しています。シボレーとGMCのピックアップはフロントグリルの意匠が多少異なるだけのほとんど同じデザインで、ノーズとテールゲートにはそれぞれのロゴが表示されていました。ビンテージ アメリカ車シリーズは定価1400円程の安価なミニカーでしたが、実車の雰囲気がうまく再現されていました。このGMC ピックアップも木目調の荷台など結構リアルで値段の割には良く出来ていました。(フロントグリルの一番下の横枠がバンパー裏に隠れてしまっているのが変ですが) これ以外の1940-1950年代のGM/GMC ピックアップのミニカーは同じヤトミンのSIGNATUREシリーズの1/32、フランクリン ミントの1/24、ブッシュの1/87、ジョニーライトニングの1/64、ホンウェルの1/72などたくさんありますので、アメリカでピックアップの人気が高いことが良くわかります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM シボレー セダン アメリカ 1950年
1930年代のGMの大衆車シボレーはマスターと呼ばれる世代で、スタンダード シックス(1937年まではマスターと称する)と上級グレードのマスター デラックスがありました。1941年にマスターはデラックスと呼ばれる世代にモデルチェンジしました。フロントグリルが大きくなりヘッドライトがフェンダーに埋め込まれた新しいデザインになりました。6気筒3.5L(85HP)エンジンを搭載し、3段変速/2段自動変速(パワーグライド)で最高速約120km/hの性能でした。ボディ形式は4ドアセダンと2ドアクーペがありました。(実車画像→ シボレー デラックス 1941 )
第2次大戦後の1949年にシボレーのデラックス世代は、前後フェンダーがボディとほぼ一体化した戦後型の新しいデザインに一新されました。この頃からシボレーは4ドアセダン/2ドアクーペ以外に2ドアクーペ/コンバーチブル、ステーションワゴンが設定されるなどしてボディ形式が増えました。エンジンはそれまでと同じ6気筒3.6Lでしたが、オプションで6気筒3.9L(105HP)が追加されました。1953年にシボレーは210(Two-Ten)/150(One-Fifty)と呼ばれる世代にモデルチェンジしました。(実車画像→ シボレー 4ドアセダン 1953 )
ミニカーは1986年に発売されたソリド製です。1950年式のオーソドックスな4ドアセダンをモデル化しています。ソリドの型番45**の4500シリーズは1950-1960年代のクラシックカーをモデル化していました。このシリーズは定価2000円ほどの比較的安価なミニカーでしたが、老舗らしいツボを心得た造形になっていました。このシボレーはアメリカ車のミニカーとしては地味ですが、戦後型シボレーのデザインがうまく再現されていて良く出来ていました。(特にバンパーなどのメッキパーツの使い方が上手です) 室内もそこそこ再現されています。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード ウッディ ワゴン アメリカ 1950年
フォードの大衆車の戦後型は1949年に登場しました。ボディは前後のフェンダーが完全に一体化されたフラッシュサイドの「ポントン」スタイルとなりました。この「ポントン(PONTOON)」スタイルはメルセデス ベンツやボルボなどの欧州車に影響を与えました。外観上の特徴はブリットノーズ(Bullitt-nose)と呼ばれた砲弾のような突起を持つフロントグリルで、このデザインはスチュードベーカー チャンピオンが模倣していました。1951年のマイナーチェンジでこの突起は2個に変更されました。(実車画像→ フォード セダン 1951)
搭載されたV型6気筒3.7L/V型8気筒3.9Lエンジンは先代と同じでしたが、シャーシ/サスペンションは全くの新設計でした。ボディ形式は2/4ドアセダン、2ドアクーペ/コンバーチブル、2ドアウッディ ワゴンがありました。1951年にGM シボレー ベルエアに対抗して上級グレードとして2ドアハードトップのビクトリアが追加されました。1952年にフロントスクリーンが一枚物になった新型にモデルチェンジしました。デザインが一新されたこの戦後型は大成功し、販売シェアでクライスラーより下であったフォードは勢いを盛り返し、1950年代末にはトップのGM シボレーに肉薄するようになりました。(実車画像→ フォード クレストライン ビクトリア 1952)
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製です。フォードが得意としていた高級なウッディ ワゴンをモデル化しています。1950年代の代表的なアメリカ車を1/43でモデル化した50年代シリーズの1台で、このシリーズは全てボンネット/ドアの開閉ギミック付でエンジンや床下のサスペンションなども結構リアルに再現されていました。ややレトロな作風ですが、特徴的なブリットノーズや木目パネルが張られたボディ後部などがそれらしく仕上げてあり、実車の雰囲気がうまく再現されています。ボンネットを開くとV型8気筒エンジンが結構リアルに再現されています。これ以外の戦後型フォードのミニカーはこれと同じフランクリン ミントのワゴンとカブリオレ 1/24、ダンバリー ミントの2ドアセダン 1/24、ミニチャンプスのカブリオレ、アメリカン ヘリテージ(AMERICAN HERITAGE)のセダンなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー ダッジ ピックアップ アメリカ 1950年
ダッジ兄弟が1901年に設立した自動車部品会社「ダッジブラザース バイシクル&モーターファクトリー社」は同時期に創立されたフォード社と提携し、フォード T型の製造をおこない業績を拡大していきました。同社は1914年にフォード社から独立し、フォード系ディーラーを取り込んで「ダッジブラザース バイシクル社」を設立しました。同社は一時的にはフォードに迫る業績を上げましたが、1920年代に業績が悪化して1928年にクライスラー社に買収されクライスラー社のブランドになりました。
ダッジは1917年にアメリカの自動車産業として初めてアメリカ陸軍に輸送用トラックを供給し、第1次大戦中の活躍で高い評価を得ました。その後ダッジは軍用トラックの主要な供給先となり、第2次大戦中の軍用トラック WC/WDシリーズは良く知られています。またそのノウハウを生かして生産した民間向けの商用車(ピックアップやバン)も高い評価がされました。1948年にダッジは戦前のトラックを一新してBシリーズのピックアップを登場させました。Bシリーズは6気筒エンジンを搭載し積載量1/2tから3/4tまで様々なバリエーションがありました。1954年にBシリーズはCシリーズにモデルチェンジしました。
(実車画像→ ダッジ Bシリーズ ピックアップ 1948)
(実車画像→ ダッジ Cシリーズ ピックアップ 1954)
ミニカーは1986年に発売されたソリド製です。ダッジのピックアップをモデル化していますが、モデル化した実車が明確ではありません。フロントグリルは1940年頃のダッジの乗用車とほぼ同じデザインなのですが、このフロントグリルを持つピックアップをWEB検索しましたが見当たりません。ソリドが実在しない車をモデル化したとも思えませんので、確証はないのですが、ダッジがヨーロッパ向けに生産したヨーロッパ仕様のピックアップをモデル化したのではないかと思われます。ドアには「SHIP CHANDLERS FOSTER.Co」と表示されていますが、SHIP CHANDLERSとは帆やロープなどの帆船設備販売業者の意味で、FOSTER.Coとは会社名でしょう。ソリドは同じ型を使ってタンカーなど15種類ほどのバリエーションを作っています。 以下はフロント/リアの拡大画像と荷台(カバーを外した状態)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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