ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

PANHARD LEVASSOR TONNEAU ROI DES BELGES (TYPE Q)  1905 FRANCE

PANHARD LEVASSOR TONNEAU ROI DES BELGES (TYPE Q)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PANHARD LEVASSOR TONNEAU ROI DES BELGES (TYPE Q)


MINIALUXE 30 1/43 98mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m 全幅約1.8m エンジン 変速機: 4気筒 10.6L 63HP? 4段変速
性能: 最高速75km/h?  データーベースでパナールのミニカー検索

パナール ルヴァッソール トノー  'ベルギー王' (タイプ Q) フランス 1905年

 

 初期のパナール ルヴァッソールはダイムラー製のV型2気筒エンジンを搭載していましたが、1895年にはダイムラー製の2気筒1.3L(4HP)エンジンに変わりました。1896年にはダイムラー製の4気筒2.4L(8HP)エンジンが完成し、このエンジンは同年に開催された「パリ-マルセイユ」レースで優勝した車に搭載されていました。さらに1901年には4気筒エンジンを自社開発し、それをベースにした2気筒エンジンも開発しました。1902年にはその4気筒3.6L(12HP)エンジンを搭載したタイプ B12(12CV)や、2気筒1.65L(7HP)エンジンを搭載したタイプ A2(7CV)が発売されました。これらの車には丸いハンドルが採用され、最高速は40㎞/hを超えていました。

 

 1904年にパナールは1000台以上の車を販売しており、当時世界最大の自動車メーカーになっていました。そのころのパナールの主力は小型車から4気筒エンジン搭載の15CV/18CV/24CV/36CV/50CVなどの中/大型車にシフトしており、最大の50CV(タイプQ)は4気筒10.6L(63HP?)エンジンを搭載する高性能高級車でした。1901年にドイツのメルセデスから4気筒6.6L(40HP)エンジンを搭載する高性能高級車メルセデス ジンプレックスが登場し、パナール ルヴァッソールは技術的な優位性がなくなりました。それでもレースでの勝利で得た名声で、ベルギーやイタリアなどの王侯貴族から多数の高級車を受注していたようです。

 

 

 ミニカーは1960-1970年代に発売されたMINIALUXE(ミニオール)製で材質はプラスチックです。MINIALUXEのミニカーは灯火類や操作レバーなどの細部がメッキパーツで再現され、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。これは年式やボディサイズから考えると一番高級なタイプ Qをモデル化しているようです。後席がL字型のソファーのような変わった形状になっています。このシート配列は1902年にベルギー国王のレオポルド 二世が当時の最高級車のパナール ルヴァッソールに架装したのが最初で、このスタイルがしばらく流行したとのことです。その流行からこのようなシート配列のボディ形式のことを「ROI DES BELGES(ベルギー王の意味)」と呼ぶようです。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PANHARD LEVASSOR TONNEAU ROI DES BELGES 1
PANHARD LEVASSOR TONNEAU ROI DES BELGES 2

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DARRACQ V8 LAND SPEED RECORD CAR 1905 FRANCE

DARRACQ V8 LAND SPEED RECORD CAR
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DARRACQ V8 LAND SPEED RECORD CAR


BRUMM R115 1/43 92㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長4約m 全幅1.4約m エンジン 変速機: V型 8気筒 25.4L 200HP 
性能: 最高速 175.422km/h  データーベースでダラックのミニカー検索

ダラック V8 速度記録車 フランス 1905年

 

 フランスの技術者アレクサンドラ ダラック(Alexandre Darracq)はミシンの設計で成功し、その後自転車を製造する会社を興しました。彼はその会社を売却してレオン ボレー社の小型車の製造権を購入して自動車の製造を行うダラック社(Automobiles Darracq France)を1898年に設立しました。最初に開発した車は失敗作でしたが、その後に開発した単気筒エンジン搭載の小型車6.5CVは出来が良くイタリアのアルファ ロメオ社の前身の会社がライセンス生産し、ドイツのオペル社ではオペル ダラックとしてライセンス生産されました。(実車画像→ ダラック 6.5CV 1901)

 

 当時のダラックの小型車は評価が高く販売は好調で、レースでも活躍しました。しかし数年後にはライバルの登場で、ダラック車は売れなくなりました。アレクサンドラ ダラックは1904年に会社をイギリスの投資家に売却し、1911年には業績不振の会社を辞職しました。ダラック社は1919年にタルボ社と合併してタルボ ダラック社となり、さらにイギリスのサンビーム社とも合併しサンビーム タルボ ダラック社(STDモーター社)となりました。

 

 

 ミニカーは1984年に発売されたブルム製です。ダラックがレースで活躍していた1905年にフランスの高速道路で175.422km/hの速度記録を達成した車をモデル化しています。この車はスピード記録を達成する為に開発された専用車で、2つの4気筒エンジンをV字型に組合わせた世界初のV型8気筒エンジン(25.4L 200HP)を搭載していました。V字に折れ曲がったラジエターをフロントに配置し、エンジンの上にある砲弾型のタンクから冷却水を給水していました。ブルムの初期のミニカーで、実車画像と見比べると細部が多少異なりますが、V型8気筒エンジンなど実車が結構リアルに再現されていて良く出来ています。(鮮やかな青のカラーリングはブルムの脚色だと思いますが) 同時代のイギリスのネイピア 6 速度記録車と同様にカーボンブラックを使っていない初期のホワイトタイヤが再現されています。 これ以外のダラックのミニカーはガマのオペル ダラック、ドゥグー(DUGU)のオペル ダラックなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DARRACQ V8 RECORD 1
DARRACQ V8 RECORD 2

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