ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

CITROEN ID 19 BREAK 1958 FRANCE

CITROEN ID 19 BREAK
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID 19 BREAK


RIO 99 1/43 117㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.99m 全幅約1.79m エンジン 変速機: 4気筒 1.9L 75HP 4段変速
性能: 最高速135km/h  データーベースでシトロエン DS/ID ブレークのミニカー検索

シトロエン ID 19 ブレーク (ワゴン) フランス 1958年

 

 シトロエン DSの最大の技術的特徴は空気と油を使ったハイドロニューマチック システムによる高度なサスペンション制御でした。これは密封した窒素ガスを使うエア サスペンションにオイルポンプ油圧による車高調整を加えたサスペンション システムで、この油圧はパワー ステアリング、トランスミッション、ブレーキの制御にも使われていました。この複雑なシステムはコンピュータなどない時代ですから、全て機械式のメカ(バルブなど)で制御されていました。優れた設計でしたが、複雑な構造でしたので、油圧系の故障が付き物だったようです。

 

 1956年にシトロエン DSの廉価版としてIDが設定されました。IDはエンジン出力がDSよりやや小さく、クラッチとステアリングの油圧アシストが付いていませんでした。1958年にワゴン形式のブレークが追加されました。(アメリカではワゴン、イギリスではサファリ又はエステートと称した) ブレークのリアゲートは上下2分割式で標準仕様は商用バンでしたが、乗用車仕様で3列シートを持つファミリアーレもありました。またブレークのルーフはルーフラックを取り付けるので強度アップの為、FRP製からスチール製に変更されていました。

 

 

 ミニカーは1993年に発売されたリオ製で、ルーフラックの付いた ID 19 ブレークをモデル化しています。やや複雑な造形のルーフやテールエンドがリアルに再現されていて、ID ブレークのミニカーとしてはかなり良い出来ばえです。ドアが開閉するギミック付きで、室内も一本スポークのステアリングホイールなどそこそこ再現されています。リオはこれ以外にも消防車、救急車霊柩車など30数種類のID/DS ブレークをモデル化しています。ID/DS ブレークの当時物ミニカーはディンキー、ノレブ、コーギーなどがありました。当時物以外ではノレブ、ソリド、ブレキナなどがID/DS ブレークをたくさんモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN ID 19 BREAK 1
CITROEN ID 19 BREAK 2

 以下は上記のバリエーションで1998年に発売された シトロエン ID 19 ブレーク ラジオ ルクセンブルグ (1/43 型番SL044)の画像です。これは報道用の無線中継車をモデル化しているようで、室内には放送用機器らしきものが搭載されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID 19 BREAK 1
CITROEN ID 19 BREAK 2

 以下は1962年に発売されたディンキー(仏)製の当時物 シトロエン ID 19 ブレーク 救急車の画像です。60年前に作られたビンテージミニカーですから素朴な作りですが、ディンキー(仏)らしい正確なプロポーションで実車がうまく再現され、当時のミニカーとしては良く出来ていました。上下2分割式のテールゲートが実車同様に開閉する、当時としては凝ったギミック付きです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID 19 BREAK 1
CITROEN ID 19 BREAK 2

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CITROEN DS 19 HEARSE 1958 FRANCE

CITROEN DS 19 HEARSE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 HEARSE


RIO SL023 1/43 117㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.99m 全幅約1.79m エンジン 変速機: 4気筒 1.9L 75HP 4段変速
性能: 最高速135km/h  データーベースで霊柩車のミニカー検索

シトロエン DS 19 霊柩車 フランス 1958年

 

 昔の話ですが、イギリス人は誰でも一生に一度はロールス ロイスに乗ると言われていました。この一度乗る車とはロールス ロイスの霊柩車のことです。ロールス ロイスの霊柩車ロールス ロイスはシャーシが長持ちするので、イギリスの霊柩車は古いロールス ロイスを改装したものが多かったとのことです。霊柩車はメルセデス ベンツやキャディラックなどの高級車やそのステーションワゴンを改造したものが多いです。日本の霊柩車も同様ですが、日本には神社や寺院を模した棺室を有する日本独自の宮型霊柩車があります。

 

 一般的に日本では霊柩車は縁起が悪いというイメージがあり、霊柩車の国産ミニカーはダイヤペットが作った宮型霊柩車の1台しかありません。しかし海外では霊柩車にそういったこだわりがあまりないようで、海外のミニカーメーカーは霊柩車のミニカーを結構作っています。このミニカーはリオ製のDS 19 ブレークの霊柩車で、1996年に発売されました。リアウインドーに花輪が添えられていて、いかにもそれらしいミニカーに仕上がっています。リオはこのモデルのバリエーションを数種類と、DS 21の特別な霊柩車、メルセデス ベンツ 300Dの霊柩車、フィアット 519の霊柩車など10数種類をモデル化しています。

 

 

 以下はDS 19 霊柩車のフロント/リアの拡大画像と後部の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します。

CITROEN DS 19 HEARSE 1
CITROEN DS 19 HEARSE 2

 以下はリオのDS 21の特別な霊柩車(型番4193)の画像です。この車はイタリアの聖人 ピオ神父の葬儀用として1968年に製作された車で、後部が大幅に改造されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN DS 19 HEARSE 3
CITROEN DS 19 HEARSE 4

 以下はリオのメルセデス ベンツ 300D 霊柩車(型番137)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 300D HEARSE 1
MERCEDES-BENZ 300D HEARSE 2

 リオ以外の物では、ベレムのキャディラック 霊柩車、オックスフォードのディムラー DS420 霊柩車、ミニチャンプスやシュコーのフォルクスワーゲン T1 霊柩車、NEO(レジン製)のキャディラック 霊柩車などがあります。ダイアペットとベレムの霊柩車は1980年代に作られましたが、それ以外のほとんどは1990年以降にモデル化されたものです。(1990年以前のミニカーはほとんどが子供のおもちゃだったので、おもちゃとして霊柩車はあまり相応しくなかったわけです) 以下はベレムのキャディラック 霊柩車(型番V306)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM CADILLAC HEARSE 1
GM CADILLAC HEARSE 2

 以下はオックスフォード製のディムラー DS420 霊柩車(1/43 型番DS002)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DAIMLER DS420 HEARSE 1
DAIMLER DS420 HEARSE 2

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SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD 1958 FRANCE

SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD


SOLIDO 4561 1/43 112mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.75m 全幅約1.48m エンジン 変速機: V型8気筒 2.4L 84HP 3段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでシムカ シャンボール関係のミニカー検索

シムカ (ベデット) シャンボール フランス 1958年

 

 前述したようにフォードSAF(フォード フランス)はフランスでの独自路線をあきらめて、1954年にフランス工場をシムカに売却しました。フォードが開発を進めていた新型のフォード ベデットはシムカ ブランドで1954年に登場しました。この車はV型8気筒2.3L(80HP)エンジンを搭載する4ドセダンで、当時の先進技術であったマクファーソン ストラット式前輪独立懸架サスペンションが採用されていました。車名は標準仕様がトリアノン(TRIANON)、その上がヴェルサイユ(VERSAILLES)、最上級がレジェンス(REGENCE)でした。1956年には5ドアワゴンのマーリー(MARLY)が追加されました。1957年に4気筒1.3Lエンジンを搭載する廉価版のアリアーヌ(ARIANE)が追加され、V型8気筒エンジン搭載のトリアノンはアリアーヌ 8に名前が変わりました。(実車画像→ シムカ トリアノン 1954)

 

 1958年に大きなテールフィンが付いたアメリカ車的なデザインに変更され、エンジンが84HPにパワーアップしました。その際にヴェルサイユはビューロー(BEAULIEU)、レジェンスはシャンボール(CHAMBORD)に名前が変わりました。1959年にコーチビルダーのアンリ シャプロンが製作する特注仕様のシャンボール プレジデンス(PRESIDENCE)が追加されました。この車はヨーロッパ初の自動車電話を備え、コンチネンタルスタイルでリアにスペアタイヤを積んでいました。プレジデンスは、フランス大統領専用車に採用されました。このシムカ版のベデットのシリーズは1961年までに約17万台が生産されました。

 

 

 ミニカーは2000年に発売されたソリド製です。1958年式のシャンボールをモデル化しています。全体的な雰囲気は同時代の米フォードのフェアレーンとよく似ていて、まさに小さなアメリカ車といった感じの車です。ソリドの型番45**のシリーズは主に1950/1960年代のクラシックカーをモデル化していて、当時の定価約2000円と比較的安価ながら、結構良い出来ばえに仕上がっていました。このシャンボールも特徴的なテールフィンや大きなフロントグリルなど実車の雰囲気がうまく再現され、良く出来ています。テールフィン部分にはCHAMBORDのロゴが付いています。ソリドは同じ型を使ったバリエーションでプレジデンスもモデル化しています。これ以外のシャンボール関係のミニカーはノレブ初期のプラスチック製の当時物でトリアノン/ヴェルサイユ/ビューロ/シャンボールとそれをリファインした2000年以降の物、ディンキー(仏)の当時物でシャンボール/ヴェルサイユ/アリアーヌ、ビテスのヴェルサイユ、エリゴールのマーリー、イクソのシャンボール/アリアーヌなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD 1
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD 2

 以下は2002年に発売されたソリド製のシムカ シャンボール プレジデンス 1959 (1/43 型番4570)の画像です。上記のバリエーションで、リアエンドにスペアタイヤを積み屋根がサンルーフ仕様となっています。テールフィン部分の塗分けはなくそこにはPRESIDENCEのロゴが追加されています。バリエーションとしては結構大掛かりな変更がされていてこれも良い出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD PRESIDENCE 1
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD PRESIDENCE 2

 以下は1991年に発売されたノレブ製のシムカ シャンボール 1958 (1/43 型番5742022)の画像です。これはシムカ シャンボールとシムカ シャンボール プレジデンス 大統領専用車の2台をセットにしたセット物で販売されたもので、シャンボール プレジデンス 大統領専用車は当方のフランス大統領専用車のページに掲載しています。ノレブはシャンボールをプラスチック製当時物ミニカーとして1959年に発売していますが、これはその型を流用しクロームモールなどの細部を少しリファインしてダイキャスト製で再生産したものと思われます。1990年代のミニカーですが、上述したソリド製とほとんど同じような良い出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD 3
SIMCA (VEDETTE) CHAMBORD 4

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CITROEN ID 19 MONTE CARLO 1959 FRANCE

CITROEN ID 19 MONTE CARLO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
CITROEN ID 19 MONTE CARLO


RIO 109 1/43 114㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m 全幅約1.79m エンジン 変速機: 4気筒 1.9L 75HP 4段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでシトロエン DS/ID レース仕様のミニカー検索

シトロエン ID 19 モンテ カルロ フランス 1959年

 

 優れた乗用車であったDS/IDは大柄のボディに非力な4気筒エンジンを積んでいたので高性能とは言えず、モータースポーツには無関係の車のように思えます。しかしDS/IDはその優れた操縦性を生かしてラリーでも活躍しています。1956年からプライベータがモンテ カルロ ラリーに参戦しており、1959年にはID 19が総合優勝しています。当時のラリーはまだ市販車そのままの車が活躍できる状況だったのです。

 

 1960年からワークスがDS 19で参戦するようになり、1961年のコルシカ ラリーや1962年の1000湖ラリーで優勝するなど活躍しています。1966年にはパワーアップしたDS21が投入され、モンテ カルロ ラリーで優勝しています。なおこの勝利は1-3位で完走したミニ クーパーが失格になったことで、4位からの繰り上げ優勝でした。その後も動力性能よりも耐久性が重視されるサファリ ラリーなどに参戦しています。1969年にはホイールベースを短縮し軽量化したラリー専用のDS 21が開発され、この車は1969年と1970年のモロッコ ラリーで優勝しています。

 

 

 ミニカーはリオ製で、1992年に発売されました。1959年モンテ カルロ ラリー優勝車をモデル化しています。実車に即したカラーリングで補助灯が付いていて、当時のミニカーとしては良い出来ばえです。リオはこれ以外にもDS 19のミッレ ミリア、DS 21のモンテ カルロ、DS 21のサファリ、DS 21のモロッコ ラリーなど約20種類のレース仕様車をモデル化しています。リオ以外ではモンテ カルロやサファリ ラリー仕様車をビテスなどがモデル化しています。なお当時物ミニカーとしてはコーギーの1965年モンテ カルロ ラリー仕様車だけしかないようで、これはかなりのレア物です。 以下はリオの1965年 サファリ ラリー仕様 #30(型番SL031)と1967年 モンテ カルロ ラリー仕様 #134(型番SL069)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

CITROEN DS SAFARI 1965
CITROEN DS9 MONTE CARLO 1967

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SIMCA SPORT OCEANE 1959 FRANCE

SIMCA SPORT OCEANE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SIMCA SPORT OCEANE


SOLIDO 110 1/43 97mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.26m 全幅約1.57m エンジン 変速機: 4気筒 1.3L 57HP 4段変速
性能: 最高速140km/h  データーベースでシムカ スポーツのミニカー検索

シムカ スポーツ オセアーヌ (オーシャン) フランス 1959年

 

 シムカ 8のクーペ仕様として、シムカ 8 スポーツが1948年に登場しました。全長約4mの2シーターのクーペ/カブリオレで、デザインはピニンファリーナでした。製造はピニンファリーナから派遣された作業者が行ったそうです。当初は4気筒1.1L(32HP)エンジンを搭載していましたが、1951年からアロンドと同じ1.2L(50HP)エンジンに変わり4段変速で最高速140km/hの性能でした。1952年にシムカ 9 スポーツが登場し生産中止となりました。生産台数は約5000台でした。(実車画像→ シムカ 8 スポーツ 1948)

 

 シムカ 9 スポーツは全長約4.26mの2シーターのクーペ(1955年にカブリオレが追加された)で先代と似たようなデザインでしたが、デザインはピニンファリーナではなくコーチビルダーのファセルとシムカの合作でした。50HPにパワーアップしたアロンドの4気筒1.2Lエンジンを搭載し、4段変速で最高速140km/hの性能でした。1955年まで生産されましたが、生産台数は約1500台でした。(実車画像→ シムカ 9 スポーツ 1953)

 1956年に大きなパノラマウィンドーでデザインを一新したクーペのプラン シエル(PLEIN CIEL)とカブリオレのオセアーヌ(OCEANE)が登場しました。このボディはコーチビルダーのファセル製でした。エンジンは1.3L(57HP)に拡大され、4段変速で最高速140km/hの性能でした。1959年にフロントグリルがアロンド P60とよく似た開口部の大きなデザインに変更されました。1962年まで生産され生産台数は約1.1万台、後継車はシムカ 1000 クーペでした。 (実車画像→ シムカ アロンド クーペ/カブリオレ 1957)

 

 

 ミニカーは1959年に発売されたソリド製の当時物です。アロンド P60に似せたフロントグリルを持つ1959年式をモデル化しています。1960年代のミニカーですから素朴な作りですが、オセアーヌの魅力的なデザインを良く再現していて、当時のミニカーとして良く出来ています。なお本来は座席に女性ドライバーのフィギュアが座っているのですが、これは欠品しています。これ以外のシムカ スポーツのミニカーはノレブ初期のプラスチック製当時物と最近の物、ディンキー(仏)の当時物、ノスタルジーなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SIMCA OCEANE 1
SIMCA OCEANE 2

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