ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

MASERATI A6G 2000 SPIDER FRUA 1952 ITALY

MASERATI A6G 2000 SPIDER FRUA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MASERATI A6G 2000 SPIDER FRUA


IXO ALTAYA (141817) 1/43 97㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.08m 全幅約1.52m エンジン 変速機: 6気筒 2L 100HP 4段変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでマセラティ A6のミニカー検索

マセラティ A6G 2000 スパイダー フルア イタリア 1952年

 

 マセラティ社はイタリアのマセラティ兄弟によって1914年に設立されました。当初はエンジンのチューニングが専門で、ディアット(DIATTO)社でレースカーの製作を始め1926年にマセラティのブランドを立ち上げました。マセラティの第1号車は1926年のタルガ フロリオでクラス優勝し、その後も1930年に登場した8C 2500などが当時のGPレースで活躍しました。戦前のマセラティは競争力のあるレーシングカーを開発し、そのレプリカを販売するといった商売をやっていました。(実車画像→ マセラティ ティーポ 26 1926)

 

 戦後の1947年になって初めて一般向けのスポーツカーが市販されました。ピニンファリーナなどのカロッツェリアが架装する特注ボディに、直列6気筒1.5L(65HP)エンジンを搭載したA6 1500は、4段変速で最高速150km/hの性能でした。1951年には2L(100HP)にエンジンを強化したA6G 2000が追加され、1954年にはエンジンをDOHC化して150HPにパワーアップし最高速210km/hのA6GCS/54に発展しました。

 

 

 ミニカーはマセラティ創立90周年記念として2005年にイタリアの出版社が企画した「La MASERATI modelli che hanno fatta la storia(マセラティ歴史的なモデル)」というミニカー付雑誌シリーズの一つで、製造元はイクソのようです。カロッツェリア フルア(FRUA)製のA6G 2000 スパイダーをモデル化しています。(実車は5台しか製作されなかったそうです)雑誌付の安価なミニカーながら、特徴的なフロントグリルなど実車の雰囲気が再現されていて、結構良く出来ています。これ以外のA6のミニカーはディンキー(仏)製の当時物、同じイタリアのバン(BANG)の10数種類、ホワイトボックス、TOPモデル(レジン製)などかあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MASERATI A6G 2000 SPIDER 1
MASERATI A6G 2000 SPIDER 2

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FIAT 682N FULL-TRAILER CAR TRANSPORTER 1952? ITALY

FIAT 682N FULL-TRAILER CAR TRANSPORTER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 682N FULL-TRAILER CAR TRANSPORTER


MERCURY 82 1/50 207mm + 242㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約11m + 約13m 全幅約2.5m エンジン 変速機: 6気筒 11.5L ディーゼル 180HP 4X2段変速
性能: 最高速 不詳   データーベースでフィアット 商用車 600シリーズのミニカー検索

フィアット 682N フルトレーラー カートランスポーター イタリア 1952?年

 

 フィアット初期のトラックに関しては、エドワード期のフィアット 18BLの欄に記載しました。その後のフィアット商用車の歴史を簡単に記載します。1925年代に4気筒2.3Lエンジンを搭載する小型トラック 603が登場しました。6で始まる3桁の型式で表記される600シリーズは、トラック/バスの型式として長く続きました。代表的なモデルとして小型トラックでは615、625、大型トラックでは619、640、670、680、690などがあり、Nが付くのはディーゼルエンジン仕様でした。1955年からバスの型式として300/400シリーズが登場しました。

 

 フィアットは1938年にイタリアの商用車メーカー OMを買収し、1966年にフランスのユニック(UNIC)を傘下に収めました。1975年にフィアットの大型商用車を中心にして、ランチアの商用車、ドイツのマギラスが合併してイベコ(IVECO) グループが設立されました。現在イベコは小型商用バンから大型トラック/バス、産業用車両、鉄道車両などを製造しています。

 1952年に登場した大型トラック682は1988年まで生産されたロングセラーのトラックでした。エンジンは6気筒11.5L(180HP)ディーゼルで、積載量は16-40t、トラック、トラクター(T)、バス(RN)などがありました。1970年に最終仕様682N4が登場し、1970年代後半以降はアフリカ諸国への輸出が主力となり、アフリカのナイジェリアで製造されたアフリカ仕様の682N4は「King of Africa」と呼ばれていたようです。
データーベースでイベコのミニカー検索

 

 

 ミニカーはマーキュリー製で、約60年も前の1957年頃に発売されています。(入手したのは1969年で私はまだ学生でした) 当時のフィアット社で実際に使われていたと思われる682N カートランスポーターをモデル化しています。フルトレーラーとして連結すると全長約45㎝となり、同時期のフィアット車をフル積載すると見ばえがします。マーキュリーは自動車部品を製造するメーカーで、ミニカーは本業ではなかったのですが、自動車関連会社らしいマニアックな造りのミニカーを発売していました。このカートランスポーターも当時のミニカーとしてはリアルな作風でかなり良い出来ばえでした。トラック本体、底板、枠柱などはダイキャスト製ですが、トレーラーの車を乗せる床は板金加工品で枠柱とリベット止めで組立てられています。トラックとトレーラーの連結は、トラック後部のフックにトレーラーの連結レバーを引っかけるようになっています。トレーラーのリアにあるリフトは手が込んでいて、実際にハンドル操作で上下動するように出来ていましす。 以下はフィアット 500(ブルム製)を積載した状態、トラックとトレーラーの連結部、トレーラー後部のリフト準備動作をお見せします。(画像のマウスオーバーやタップで動画がスタートします)

fiat 682 car transporter0
dfiat 682 car transporter1

以下はリフトを使ってフィアット 500を積載する動作の簡易動画です。(画像のマウスオーバーやタップで動画がスタートします)
fiat 682 car transporter2
dfiat 682 car transporter3

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LANCIA D24 1953 ITALY

LANCIA D24
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA D24


BRUMM R204 1/43 97㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.12m 全幅約1.7m エンジン 変速機: V型6気筒 3.3L 265HP 4段変速
性能: 最高速260m/h  データーベースでランチア D20/23/24/25のミニカー検索

ランチア D24 イタリア 1953年

 

 戦前のランチアはモータースポーツに参加しませんでしたが、経営者が創業者の息子のジャンニ ランチアに変わった戦後はモータースポーツに進出するようになりました。戦前に登場したランチア アプリリアは、戦後のレースやラリーで活躍しました。前述したランチア アウレリア B20 クーペをベースにしたレースカー ランチア D20 (V型6気筒2.5L/3Lエンジン搭載)が1952年に登場し、タルガ フロリオ、ミッレ ミリア、ルマンなどに参戦しました。

 

 ランチア D20は1953年にV型6気筒3L(220HP)エンジンを搭載したD23に発展しました。D23は軽量化で操縦性を向上させる為オープン仕様(単座/2座)となり、鋼管フレーム構造の本格的なレースカーとなりました。(実車画像→ ランチア D23) D23は数ヶ月後にエンジン排気量を2.4L(265HP)に拡大したD24となりました。D24のデビュー戦は1953年ニュルブルクリング(結果はリタイア)で、同年のカレラパナメリカーナ(ドライバー A.アスカリ)で優勝しました。1954年にはミッレ ミリア、タルガ フロリオなど多くのレースで優勝しました。1954年にエンジン排気量を2.7L(300HP)に拡大したD25も開発されました。

 

 

 ミニカーはブルム製で1994年頃に発売されました。1954年のミッレ ミリア 優勝車(ドライバー A.アスカリ)をモデル化しています。D24の迫力のあるフロント周りの雰囲気が良く再現されていて、なかなか良く出来ています。ホイールやコクピットなどの細部もそこそこリアルに仕上げてあります。ブルムにはカレラ パナメリカーナ仕様など数種類のバリエーションがあります。ブルム以外のランチア D24系のミニカーとしてはトップモデル、スターライン、スパーク(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCIA D24 1
LANCIA D24 2

 以下は俯瞰画像とコクピット周辺の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA D24 3
LANCIA D24 4

 以下は2003年に発売されたミニ ミニエラ(LA MINI MINIERA)製のランチア D24 #76 タルガ フロリオ 優勝 1954 (1/43 型番MMBMS033)の画像です。1954年のタルガ フロリオ 優勝車のモデル化で、ドライバーのピエロ タルッフィ(Piero Taruffi)のフィギュアが付いています。ミニ ミニエラは他社のミニカーをベースにした特注品を製作しているブランドで、型番のMMBMはブルム製のミニカーをベースにしていることを示しています。これはブルム製の型番S033にフィギュアを追加して、ミニ ミニエラの紙箱に収めたものでした。ランチア D24はベースのブルム製とほとんど同じで、ピエロ タルッフィのフィギュアは服装はそれらしいですが、顔つきはそう言われればそうかなというぐらいの出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA D24 3
LANCIA D24 4

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LANCIA APPIA 1953 ITALY

LANCIA APPIA
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LANCIA APPIA


NOREV 783040 1/43 94㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.87m 全幅約1.42m エンジン 変速機: V型4気筒 1.1L 38HP 4段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでランチア アッピアのミニカー検索

ランチア アッピア イタリア 1953年

 

 前述した戦前のランチア アプリリアの小型版であったランチア アルデアの後継として1953年にアッピアが登場しました。V型4気筒1.1L(38HP)エンジン、スライディングピラー式前輪サスペンション、センターピラーのない観音開きドアなどランチア独自の技術を引き継いだ高級な小型車でした。小型車ながらピニンファリーナ製のクーペや、ヴィニャーレ製のカブリオレなどの特注車も製作されました。1956年にはII型となり、1959年にはフロントグリルを変更したIII型となり、1963年に後継車のフルビアにモデルチェンジしました。総生産台数は約10万台で大ヒットしました。

 

 ランチアはレース活動に注力するなど技術重視で採算を度外視した経営を続けたことで1955年に倒産しました。その際にランチアの創業者一族は経営から手を引き、アウレリアを開発した技術者のヴィットリオ ヤーノも退社しました。倒産したランチアを買い取った実業家のカルロ ペゼンティはランチアの伝統を守り高度な内容の車作りを継続させました。

 

 

 ミニカーは2006年に発売されたノレブ製です。ノレブらしいそつのない良い出来ばえで、シンプルながら小さな高級車であった実車の雰囲気がよくとらえられています。ただしヘッドライトが大きすぎるのは、デフォルメのやり過ぎでそこは今一つです。ノレブはビニャーレ製コンバーチブルとザガート製クーペもモデル化しています。それ以外のアッピアのミニカーはマーキュリーの当時物がありました。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCIA APPIA 1
LANCIA APPIA 2

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FERRARI 500F2 1953 ITALY

FERRARI 500F2
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 500F2


BRUMM R044 1/43 90㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.4m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 2L 185HP 4段変速
性能: 最高速260km/h  データーベースでフェラーリ 500F2のミニカー検索

フェラーリ 500F2 イタリア 1953年

 

 1952年と1953年はGPレースのチャンピオンシップがフォーミュラ2(F2)規定で行われました。フェラーリにはV型12気筒2L/2.6Lエンジンを搭載するF2マシンとして166F2と212F2がありました。(実車画像→ フェラーリ 166F2) しかしこのF2マシンは能力不足だったようで、アウレリオ ランプレディが4気筒2L(185HP)エンジンを新開発し、このエンジンを搭載した500F2が登場しました。500F2はフェラーリとしては初の12気筒でないエンジンを搭載した車でした。

 

 フェラーリ 500F2はシンプルな構造のエンジンを使った軽量でバランスの良いマシンで、操縦性も優れていました。強力なライバルがいなかったこともあり、500F2は出場したほとんどのレースで勝利しました。1952年はチャンピオンシップ8戦でインディ以外の7戦すべてで優勝しました。1953年はチャンピオンシップ9戦で、インディとイタリア GP以外の7戦ですべて優勝しました。(イタリア GPではマセラティ A6GCM(F2)が勝利しました) ドライバーはほとんどがA.アスカリで2年連続でドライバーズチャンピオンになりました。

 

 

 ミニカーは1981年に発売されたブルム製です。1953年のイギリス GP 優勝車(#5 ドライバー A.アスカリ)をモデル化しています。プロポーションが良く、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。ただし初期のブルムのミニカーは実車考証にアバウトなところがありました。例えば同じ1981年に発売された型番R035の500F2 1952年の#34はどのレース仕様なのか不明確でしたが、後に同じ型番R035のままで1952年のイギリス GPの#15に変更されました。(同じ型番のままで仕上げレベルが良くなっていましたが、似たような変更が他にもありました) ブルム以外の500F2のミニカーはディンキーのビンテージ当時物、カルツォ、CMCとCMRの1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERRARI 500F2 1
FERRARI 500F2 2

 以下は1998年頃に発売されたブルム製のフェラーリ 500F2 #34 A.アスカリ ワールドチャンピオン モンザ (イタリア GP) 1952 (1/43 型番AS01)の画像です。これはブルムの「AUTOSTORY COLLECTION」というシリーズで、フィギュアやちょっとした小物を付けて簡単なジオラマ仕立てとしたものです。ドライバー(A.アスカリ)のフィギュア付で、ボディは汚し塗装がされ台座が道路になっています。当時のドライバーはこんな軽装でドライブしていたことが分かります。ミニカーの箱にはモンザ 1952と書かれているのですが、その年のモンザ(イタリア GP)の出場車の#34はフェラーリではないので、前述したように実車考証に問題があります。(1952年のイタリア GPではA.アスカリのドライブで#12が優勝しています) これはイタリア GPではなくモンザ サーキットでの別のレースだったのかもしれませんが。。。まあこんな細かいことを言わなければ、良く出来た面白いミニカーです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 500F2 3
FERRARI 500F2 4

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