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FORD T 1908 USA |
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![]() ZISS 17 1/43 87㎜
実車諸元 画像参照
フォード T型 アメリカ 1908
ヘンリー フォードが生み出した自動車史上最も有名な車が1908年に発表されたT型フォードです。ヘンリー フォードは1903年に「フォード モーター」社を設立し、T型以前にもA型から始まる車を開発して販売していました。T型とはその開発番号に由来する名前でした。T型はレールで移動する台車を使った流れ作業による大量生産方式で低価格を達成し、最終的に1500万台が生産されました。初期のT型の標準的なボディは画像のようなオープン4座セダンでした。なお大量生産が始まったのは1912年頃からで、それまでは組立て作業中の車を作業者がロープで引っ張って移動させていたそうです。大量生産が始まるとそれまでは数色あったボディカラーが黒のみになりました。
初期のT型は4気筒2895cc(20HP)の実用的なエンジンを搭載し、半自動式クラッチによる2段半自動変速機を介して最高速70km/hぐらいの性能でした。特筆すべきはこの半自動変速機で、足元の3つのペダルの操作のみで2段変速/後退が行えるもので、運転が簡単になったことが自動車の大衆化に大きく寄与しました。アメリカ車が昔からオートマチック車ばかりなのは、大量に販売されたT型が実績を作ったからなのです。
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T型のミニカーはたくさんあります。ここでは1960年代に作られたビンテージミニカーのなかで、クラシックカーを主に手掛けていたメーカーの物をまとめてみました。まずはドイツのチィス(ZISS)製です。チィスは1960-1970年代にドイツ車中心で1/43のクラシックカーを作っていました。1960年代に作られたということもあって、あまりプラスチックが使われておらず、幌部分も金属で出来ています。金属製パーツが多いので、頑丈な感じが強調されていますが、T型のイメージには合っています。なおこのミニカーのようにFORDのロゴが大きく正面に付いているフロントグリルは初期のT型の特徴です。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下はチィス(ZISS)のT型 ロードスター(1/43 型番16)の画像です。 T型にはこのような2座のロードスターもありました。セダンとは違ってこのロードスターは明るいボディカラーのせいもあって、軽快で楽しい感じの車に見えます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はチィス(ZISS)のT型 ランチ ワゴン(RANCH WAGON)(1/43 型番44)の画像です。これは後部に荷台がついた現在のピックアップのような車です。ランチというのは牧場という意味ですので、乗用だけではなく農作業にも使った車だと思います。アメリカ映画の田舎の風景にはよくこのタイプの車がでてきますが、これはその元祖といったところでしょう。車種的には珍しいミニカーだと思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 次はフランスのミニカーメーカーJMK社のブランド ラミー(RAMI)です。ラミーは1960年代に主にフランスの自動車博物館に展示されていたクラシックカーを1/43のミニカーにしていました。以下はラミーのT型 セダン(1/43 型番16)の画像です。これもホイール/タイヤ以外はほとんどが金属パーツで、上記のチィスと似ていますが、フランス的な少し柔らかい感じがします。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はラミー(RAMI)のT型 ロードスター(1/43 型番15)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 次はフランスのミニカーメーカー MINIATURE(ミニオールと呼んでいます)です。ミニオールは1960-1970年代に1/43のプラスチック製でクラシックカーのミニカーを作っていました。以下はミニオールのT型 ロードスター 1909年(1/43 型番1)の画像です。車軸以外の全パーツがプラスチック製で、カラフルなプラスチックパーツに加えてメッキパーツも使っているので、前述した金属製ミニカーより華やかです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はミニオールのT型 リジー(LISSIE) 1911年(1/43 型番3)の画像です。上記のミニオールのT型 ロードスターとは年式が異なりますので、こちらのボディにはドアが付いています。不思議なことにこのミニカーは上記ロードスターより一回り小さく作られていてタイヤも小さなサイズの物が付いています。なおリジーとはT型の2座セダンで中央にドアのあるタイプに対する愛称のようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 次はフランスのミニカーメーカー サフィール(SAFIR)です。サフィールは1960年代に1/43のクラシックカーのミニカーを作っていました。以下はサフィールのT型 ロードスター 1911年(1/43 型番8)の画像です。サフィールもプラスチック製パーツが多くカラフルなミニカーになっていますが、上述したブランドよりも少しだけレベルの高い仕上げとなっていました。このT型 ロードスターも上述したブランドとよく似ていますが、それでも少しだけ良い出来ばえだと思います。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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FORD T TOURING (SEDAN) 1909 USA |
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![]() IXO CLC001 1/43 88mm
実車諸元 画像参照
フォード T型 ツーリング (セダン) アメリカ 1909
T型は基本的なデザインを変えずに20年間生産されました。一番生産量が多かった1923年には年間で約200万台が生産され、当時アメリカで生産されていた車の約半数がT型だったそうです。この台数は現在の日本の軽を含めた自動車販売台数(約500万台)の約半数にあたる台数ですから、とてつもない台数であったことが分かります。(しかもほとんどが黒一色だったのです)
1920年代になると、密閉式ボディの採用や装備が充実していくことで増加した車重に対して、エンジン性能が不足してきました。競合他社(GM シボレーなど)は6気筒エンジンを採用していて動力性能で見劣りするようになりました。また安価な大衆車とはいえ、多彩なボディカラーや目新しいデザインを採用する他社に対して商品の魅力という点でも見劣りするようになりました。T型もボディカラーのオプション設定などの対抗策をとりましたが、もはや時代遅れな車であることは明白でした。1927年に生産中止となり、1928年に後継車のA型にモデルチェンジしました。
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T型フォードのミニカーはたくさんあります。ここでは最近のミニカーで、スケールモデル的にリアルな出来ばえの物をまとめてみました。初めに紹介するのは2001年頃に発売されたイクソ製です。T型フォードの1/43ミニカーとして、私の知る限りでは2019年現在でもこれが最高の出来ばえです。初期のT型を極めて忠実に再現しています。プロポーションは正確で、室内もハンドル下のスロットル操作用の2本のレバー、足下の3つの操作ペダル、ハンドブレーキなどT型フォードの特徴的な操作系がちゃんと再現されています。底板部分のシャーシ/サスペンション、白いタイヤ、幌の張り具合の感じも実車に忠実です。バリエーションで幌を閉じた状態のミニカーもあります。またイクソは2002年に1925/1926年式のT型最終仕様のランナバウトもモデル化しています。以下はフロント/リアの拡大画像と室内/底板部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下は幌を立てたバリエーションの(1/43 型番CLC002)の画像です。フロントグリル部分からウインドシールド部分に繋がっている2本のステーがありますが、これはウインドシールド保持用のステーと幌の前端を保持する為のバンドです。こんな細かいパーツを1/43で再現している量産ミニカーは、これとクラシックカー専門であったリオの初期物(1960-70年代の物)ぐらいしかありません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は2002年に発売されたイクソ製のT型 ランナバウト 1926年(1/43 型番CLC013)の画像です。T型としては最終型のランナバウト(安価な2座オープンカー)をモデル化しています。ドアが付きウィンドースクリーンがわずかに前傾しているなど、ボディが少しだけ近代的になっています。室内ではペダルなどの操作系が変わっていないことがわかります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は上記のT型 ランナバウトの幌を閉じたバリエーション(1/43 型番CLC012)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は2005年に発売されたミニチャンプス製のT型 セダン 1914年(1/43 型番400082330)の画像です。ミニチャンプスらしい細部にこだわった良い出来ばえです。イクソ製の1909年式と較べるとウインドスクリーンの補強ステーがなくなり前席にドアが付くなどT型のボディが少しずつ変わっていったことが良く分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は1992年に発売されたフランクリン ミントのT型 セダン 1913年(1/16 型番SB49)の画像です。フランクリン ミントのクラシックカーは1/24が標準なのですが、これは2回りほど大きい1/16です。1/16なのでエンジン/サスペンションなどのメカ部分や本物の布を使った幌(畳むことはできません)など細かいところまでリアルに再現されていますが、実車がシンプルな大衆車ですので、やや面白みのない大味なミニカーになっています。(出来が悪い訳ではありませんが) ダッシュパネルの前に付いている灯火(ランタン)の左側が取れて欠品しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はフロント/リアの拡大画像と室内/ボンネットを開いたエンジン部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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FORD T SEDAN 1915 USA |
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![]() CORGI 9012 1/43 85㎜
実車諸元 画像参照
フォード T型 セダン アメリカ 1915
T型フォードは1908年に発売され、基本的なモデルチェンジなしで1927年まで生産され、総生産台数は約1500万台でした。この記録を凌ぐのはフォルクスワーゲン ビートルのみで、総生産台数は約2100万台でした。ただし生産期間は1941年から2003年までとT型フォードより長期間でした。
一台当たりの作業時間が減り生産台数が飛躍的に増えることで、T型フォードの価格は低下していきました。標準的なセダンは発売当初850ドルでしたが、1925年には290ドルまで低下しました。この290ドルは現在の価格に換算すると、約100~150万円ぐらいになるようです。ちなみにフォードの生産工場での作業者の日給は5ドルで、これは年収1000ドル以上となり、当時はかなりの高給だったようです。(ただし単純作業の連続できつい職場だったそうです)
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T型フォードのミニカーはたくさんあります。ここでは1960年代のイギリスの老舗ミニカーブランドであったコーギーとディンキーの物をまとめてみました。コーギーのT型フォードは1964年に発売されました。コーギーの型番9000番台はクラシックス シリーズと呼ばれ、種類は少ないですが、マニア向けの本格的なクラシックカーをモデル化していました。これもそのひとつで1915年式T型セダンのモデル化です。ラジエータグリル形状や運転席部分へ繋がるボンネット後部形状などがきちんとその年式どおりに再現され、クラシックカーのミニカーとしてかなり良い出来ばえです。さらにいかにもそれらしい服装をしたフィギュアを乗せているのは、コーギーらしい遊び心が感じられます。バリエーションとして実車とおなじ黒一色のものと幌を立てた状態のものがありました。 以下はフロント/リアの拡大画像とフィギュアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下は同じ型を使ったバリエーションでT型 幌閉(1/43 型番9011)とT型 幌開(1/43 型番9013)の画像です。型番9011には本来は型番9012と同じフィギュアが付いているのですが、欠品しています。型番9013にはフィギュアは付いていません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は1964年に発売されたディンキーのT型 ロードスター(1/43 型番475)の画像です。クラシックカーのミニカーとしてはやや大ざっぱなつくりですが、ボディカラーを明るくし当時の服装をしたフィギュアを追加する事で楽しいミニカーに仕立てています。現在と違って1960年代にミニカーを買っていたのはほとんどが子供(大人もいましたが)でしたので、T型のような地味なクラシックカーのミニカーは買ってもらうためにこんな具合に工夫していました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下はフロント/リアの拡大画像とフィギュアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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FORD TT VAN ’BECK'S’ 1926 USA |
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![]() MATCHBOX YGB02 1/41? 111mm
実車諸元 画像参照
フォード TT型 バン 'BECK'S’ アメリカ 1926
T型フォードは商用車としても使われました。最初は安価な2座車の後部に荷台を取り付けた前述したランチ ワゴンのような改造車だったようです。2017年にT型をベースにしてメーカーが設計した商用車仕様のTT型が登場しました。TT型はホイールベースが60㎝ほど延長され、フレームと後輪駆動ギヤが強化されていました。当初はシャーシのみで販売され、ユーザーがバンやトラックや小型バスなどのボディをカスタムで架装していました。1924年にはフォードが架装したトラック ボディが設定されましたが、様々なボディの商用車があったようです。
TT型は安価で丈夫でしたがエンジンや変速機はT型と同じでしたので、他社のトラックに比べると動力性能は劣っていました。最高速は標準で24km/hで、オプションのギヤボックスを付けても35km/hとかなり低速でした。(T型の最高速は70km/でしたが、駆動力を上げる為に後輪のデファレンシャルギヤ比が変更されていました) 1926年にはT型が約160万台生産され、TT型は約20万台生産されています。1928年にT型がAにモデルチェンジし、TT型もAA型にモデルチェンジしました。
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ミニカーは1993年に発売されたマッチボックス製です。ドイツのビール メーカー「Beck & Co」の配送用バンをモデル化しています。T型フォードよりホイールベースが延長されていることがわかります。マッチボックスはこの類の商用車をたくさんモデル化していますが、これらの商用車のミニカーはカラフルなボディカラーと綺麗に印刷されたメーカーのロゴなどを楽しむものです。このマッチボックスのTT型もそこはきちんと押さえて作ってありますが、室内などもそこそこリアルに作っています。同じ型を使ったバリエーションがいくつかあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) |
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![]() ![]() 以下は1979年に発売されたマッチボックスのT型 バン 1912年(1/35 型番Y12)の画像です。これはTT型ではありませんが、T型の商用バン仕様です。「BIRD'S CUSTARD POWDER」とはイギリスの卵を使わないインスタント カスタードクリーム(カスタードパウダー)のブランド名です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() 以下は1981年に発売されたマッチボックスのT型 タンクローリー 1912年(1/35 型番Y03)の画像です。これもTT型ではないですが、T型の後部にタンクを積んだイギリスの石油会社BP(BRITISH PETROLEUM)社のタンクローリです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します) ![]() ![]() |
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