ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

LAND ROVER SERIES I FIRE ENGINE 1952 UK

LAND ROVER SERIES I FIRE ENGINE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LAND ROVER SERIES I FIRE ENGINE


MATCHBOX YFE02-M 1/43 86㎜ + トレーラー 55㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.4m 全幅約1.52m エンジン 変速機: 4気筒 2L 52HP 4X2段変速 4WD
性能: 最高速90km/h  データーベースでランドローバー シリーズ Iのミニカー検索

ランドローバー シリーズ I 消防車 イギリス 1952年

 

 ローバー社が戦時中のジープにヒントを得て、小型の多目的車として開発したのがランドローバーで、1948年に登場しました。乗用車のローバー 60(P3)をベースにしており、当初は4気筒1.6L(50HP)エンジンを搭載し、4段変速機に2段のトランスファー(前後軸動力分配機)を追加し、後輪駆動と全輪駆動を切り換えられました。ラダーフレームの頑丈なシャーシにアルミ製ボディを載せ、最高速は90km/hほどでした。

 この車は発売されるとすぐに評判となり、軍用や民間用として世界中で大ヒットしました。戦後の復旧などでこの様な多目的車の需要があったのと頑丈で信頼性が高かったのが理由でしょうか。ともあれこの車の大ヒットはローバー社の業績に大いに貢献しました。

 

 1952年に4気筒2L(52HP)エンジン、1957年に4気筒2L(55HP)ディーゼルエンジンが追加されました。当初はホイールベースが80インチ(2.03m)でしたが、1954年に86インチ(2.18m)に変更され、1954年には107インチ(2.72m)のステーションワゴン仕様が追加されました。1956年には86と107インチはそれぞれ2インチ伸ばされて、88インチ(2.24m)と109インチ(2.77m)に変わりました。1958年にシリーズ IIに変更されました。

 

 

 ミニカーはマッチボックスのYシリーズで、1994年頃に発売されました。ランドローバー シリーズ Iの消防車仕様のモデル化で、備品を収納したトレーラーを牽引しています。80インチの短いホイールベース(1/43換算で47㎜)で、ヘッドライトが中央に並んでいる初期型のランドローバーをうまく再現しています。屋根上のはしごや荷台のホースリール/ポンプなどの消防用備品もリアルに再現され、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。このYFEという型番はマニア向けの消防車シリーズの型番で、約20種類ほどのクラシックな消防車がモデル化されています。(いずれも良い出来栄えで、デルプラドの世界の消防車シリーズにも流用されていました)

 ランドローバー シリーズ Iの当時物ミニカーとしては、コーギー、マッチボックス、ディンキーのビンテージ物ぐらいしかありません。最近の物ではバンガーズ、ミニチャンプス、オックスフォード、シュコーなどでたくさんモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像とトレーラーの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LAND ROVER SERIES I FIRE ENGINE 1
LAND ROVER SERIES I FIRE ENGINE 2

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LAND ROVER SERIES II 109 TOW TRUCK 1958 UK

LAND ROVER SERIES II 109 TOW TRUCK
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LAND ROVER SERIES II 109 TOW TRUCK


CORGI 477 1/46 100㎜ (アーム除く)
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.45m 全幅約1.68m エンジン 変速機: 4気筒 2.3L 72HP 4X2段変速 4WD
性能: 最高速105km/h  データーベースでランドローバー シリーズ IIのミニカー検索

ランドローバー シリーズ II 109 レッカー車 イギリス 1958年

 

 前述したようにランドローバーは戦時中のジープをヒントにした多目的の小型車として開発されました。したがって最初はホイールベースが80インチ(2.03m)と短いオープンの小型トラックでした。ボディはアルミ製のシンプルな物で、キャンバス製の屋根とドア上半分はオプションで、ヘッドライトは最初はフロントグリルの内側についていました。(多分オフロード走行を考量しての処置?) またエンジン始動は手動のクランク式ハンドル(知らない人もいるでしょうが)でも可能でした。

 初期のランドローバーの4輪駆動方式は2段の副変速機を持つ本格的なフルタイム4WDでした。副変速機は通常は高速側で使い、極めて滑り易い路面などを極低速で走行する場合に低速側にセットします。フルタイム4WDながらトランスファーにフリーホイール機構を備えていたので、前輪の駆動力をカットすることもできました。後に高速では2WDと4WDを切り替えることもできるようにもなったようです。

 

 農業用トラクターとしての需要も見込んでいたので、農業用のスキやクワを取り付けるアタッチメント接続機構やそれを駆動する為のPTO(Power Take Off:動力取出装置)も最初から設定されていました。この構造はドイツの多目的車 メルセデス ベンツ ウニモグと同じで、ウニモグ同様にランドローバーも乗用車だけではなく、消防車やレッカー車など様々な用途で使われることになりました。

 

 

 ミニカーはコーギーの当時物で、1974年に購入しました。このランドローバー ピックアップをコーギーが最初にモデル化したのは1957年で、シリーズ Iをモデル化していました。その後この型を使って様々なバリエーションが作られ、1960年頃に型が少し修正されてシリーズ IIのモデルに変わったようです。(ただ小修正なので厳密にはシリーズ IIとは言えないかも) このレッカー車仕様は1960年に型番417で登場しその後3回仕様変更されて、最終的に型番477として1977年頃まで販売されたロングセラーのミニカーでした。(約170万台以上が売れました)

 画像のレッカー車は最終型で、ホイールが見た目が良くないスピードホイールに変更されています。1960年に型が作られているので素朴な作りですが、プロポーションは良くできています。クレーンは左側面のノブを回すことで巻上げることができます。単純なしかけですが、子供向けギミックとしては人気があったようです。これ以外のシリーズ IIの当時物ミニカーとしてはスポットオン、ディンキーなどで色々な仕様があります。最近の物では、ビテス、オックスフォード、ブレキナ、バンガーズなどたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とクレーンの巻上げ部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LAND ROVER SERIES II 109 TOW TRUCK 1
LAND ROVER SERIES II 109 TOW TRUCK 2

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LAND ROVER SERIES II 88 1960 UK

LAND ROVER SERIES II 88
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LAND ROVER SERIES II 88


VITESSE 470 1/43 83㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.62m 全幅約1.68m エンジン 変速機: 4気筒 2.3L 72HP 4X2段変速 4WD
性能: 最高速105km/h  データーベースでランドローバー シリーズ IIのミニカー検索

ランドローバー シリーズ II 88 イギリス 1960年

 

 ランドローバーは、1958年にシリーズ IIに変わりました。基本的なデザインはシリーズ Iと変わりませんが、サイドパネル上端に丸みが付き特徴的な横一線のウエストラインを持つデザインとなりました。(このウエストラインは最新のディフェンダーまで継承されています) シリーズ IIでエンジンは4気筒2.3L(72HP)に変更されました。1961年にはディーゼルエンジンも4気筒2.3L(62HP)に変更されました。2.3Lガソリンエンジンはディーゼルエンジンが主流となった1980年代中頃まで使われました。

 

 ショートホイールベース 88インチのステーションワゴン仕様は7人乗りで、前列が3人掛けのベンチシートで後は2人掛けシートが対面式に配置されていました。ロングホイールベース 109インチのステーションワゴン仕様は10人乗りで、前列と2列目が3人掛けのベンチシートで、その後ろに2人掛けシートが対面式に配置されていました。さらにオプションで3人掛けシートが対面式に配置された12人乗りもあったそうです。(参照サイト→ランドローバーの歴史) なおこの12人乗りは税制上バスとみなされて税金が安かったそうで、ディフェンダーにも2002年まで設定があったそうです。

 

 

 ミニカーはビテス製で、1989年頃に購入しました。一番良く見かけるホイールベース 88インチのハードトップ仕様をモデルしています。ビテス初期のモデルですが、フロントの造形など結構リアルで当時のミニカーとしては良い出来ばえです。画像では分かり難いですが、左ハンドルの輸出仕様で後席は対面シートになっています。ビテスにはバリエーションが約10種類ほどあります。シリーズ IIの当時物ミニカーとしてはスポットオン、コーギー、ディンキーなどで色々な仕様がありました。最近ではバンガーズ、オックスフォード、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LAND ROVER SERIES II 88 1
LAND ROVER SERIES II 88 2

 以下は1969年頃に発売されたメーベトイのランドローバー シリーズ II 'トランス アメリカン' (1/43 型番A40)の画像です。これは有名な探検家のニーノ チラーニ(Nino Cirani)氏が1968年にアメリカ大陸横断を行った際に使用したランドローバー シリーズ II 109 をモデル化したものです。フロントに付いているジェリ缶や屋根上の荷物、側面のロゴなど実車に即した仕様になっています。なおこのランドローバーには「AZIZA 3」という名前が付いていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LAND ROVER SERIES II 109 TRANS AMERICAN 1
LAND ROVER SERIES II 109 TRANS AMERICAN 2

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ROVER P5 MK II 1962 UK

ROVER P5 MK II
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROVER P5 MK II


VANGUARDS VA06905 1/43 110mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.74m 全幅約1.78m エンジン 変速機: 6気筒 3L 106HP 4段変速/3段自動変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでローバー P5のミニカー検索

ローバー P5 MK II イギリス 1962年

 

 自転車メーカーとして起業したローバー社は、1904年に自動車の生産を始めました。1911年に発表したローバー トゥエルブは4気筒2.3Lエンジンを搭載した中型車で、安価ながら優れた品質で大ヒットしました。その後空冷2気筒1Lエンジン搭載の小型車から6気筒2.5Lエンジンの中型車までラインアップを広げましたが、業績は振るいませんでした。そこで1933年に車種を削減して生産合理化を行い、品質の向上をはかりました。その結果ローバーは高品質の中型車としての名声を確立していきました。第2次世界大戦中は軍用車のエンジン生産に専念しました。

 

 戦争が終わるとすぐに戦前型の生産が再開され、1948年には戦後型のローバー 60/ローバー 75(コードネーム P3)が発売されました。前輪独立懸架を採用したシャーシは60/75に共通で、60は4気筒1.6L、75は6気筒2.1Lエンジンを搭載していました。 1949年にはボディを新しくしたローバー 75(コードネーム P4)が登場し、1953年には2.6Lに排気量が拡大された90に発展しました。

 

 

 さらに1958年には6気筒3L(106HP)エンジンを搭載したP5が追加されました。P5はイギリス車らしい落ち着いたデザインの上質な中型車で、4速手動/3速オートマティック変速機で、最高速160km/hの性能でした。P5は歴代首相の公用車に採用されるなど、政府の公用車として非常に人気が高かったそうです。1962年にMK II、1965にMK IIIに発展し、最終型のP5Bは1973年まで生産されました。

  ミニカーは2003年に発売されたバンガーズ製です。コーギーのブランドであるバンガーズはラインストーンを埋め込んだヘッドライトなど昔のコーギーを思わせるレトロな作風のミニカーが多いですが、プロポーションなどの基本はしっかりしています。このローバーも実車の雰囲気が良く再現されていて、なかなか良い出来ばえです。また壊れやすいフェンダーミラーは添付されたパーツをユーザーが後付けするようになっているのも個人的には好ましく思います。P5の当時物ミニカーはスポットオンなどがありました。最近の物ではネオ(レジン製)のクーペやMATRIX(レジン製)のセダンがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROVER P5 MK II 1
ROVER P5 MK II 2

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ROVER P6 2000TC 1966 UK

ROVER P6 2000TC
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROVER P6 2000TC


CORGI 275 1/46 99㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.57m 全幅約1.68m エンジン 変速機: 4気筒 2L 103HP 4段変速
性能: 最高速175km/h  データーベースでローバー P6のミニカー検索

ローバー P6 2000TC イギリス 1966年

 

 ローバーの主力中型車P5の後継車としてP6が1963年に登場しました。P5は保守的な設計でしたが、P6は高剛性の近代的なボデを持ち、ド ディオンアクスル、全輪ディスクブレーキと高度な足回りで、操縦性と乗り心地を両立させた先進的な車でした。4気筒2L(90HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速167km/hの性能でした。1964年には最初のヨーロッパ カー オブ ザ イヤーを受賞しており、商業的にも成功しました。

 

 1966年には103HPにパワーアップした2000TCが追加され、1968年にはGMが開発したV型8気筒3.5L(144HP)の製造権を買い取り、そのエンジンを搭載した3500が追加されました。1970年にMK IIに発展し、1977年まで生産されました。P6の総生産台数は約32万台でした。なおローバー社は1967年にトライアンフを有するレイランド社に買収され、その後国有化されたBL(ブリティッシュ レイランド)社に統合されました。

 

 

 ミニカーは1968年に発売されたコーギー製です。1966年式の2000TCをモデル化していて、実車の雰囲気をうまく再現しているビンテージ コーギーの傑作です。コーギーは1963年にP6を型番252で最初にモデル化していて、それには「TRANS-O-LITE」と称するライト点灯ギミックが付いていました。→ TRANS-O-LITEの参照ページ  この型番275の2000TCはその型番252を変更したもので、スペアタイヤ(ホイール)が交換出来る「GOLDEN JACKS」と称するギミックが採用されました。 → GOLDEN JACKSの参照ページ なおリアに搭載したケースの中にスペアタイヤが入っていますが、このスペアタイヤの搭載方法は実車にもあったようです。 さらにこのミニカーは1971年に型番281に変わり、コーギーのフリーホイールである「WHIZZWHEELS」が採用されました。P6の当時物ミニカーは何故かコーギーの物しかないようです。最近の2000TCのミニカーはバンガーズ、オックスフォード、ブレキナなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とタイヤ交換ギミック/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ROVER P6 2000TC 1
ROVER P6 2000TC 2

 以下は1971年に発売されたコーギーの2000TC (1/46 型番281)の画像です。タイヤ交換ギミックが取り外され、タイヤ/ホイールが「WHIZZWHEELS」と称するフリーホイールに変更されています。フロントグリルを変更してブラックアウトしているのは、1970年式のMK IIの仕様に対応したものです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ROVER P6 2000TC 1
ROVER P6 2000TC 2

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